さんまのまんまに見るテレビ局の凋落ぶり

   2016/11/30

“さんまのまんま”が2016年9月にて終了することが8月12日に発表され話題になっています。
1985年から放送していますので31年間に放映を続けてきたフジテレビを代表する長寿番組です(製作は関西テレビ)関西テレビからは「ひとつの区切り」といつも通りの発表がされていますが、明石家さんまさんより実情が伝えられて一気に話題になりました。

さんまさんによると、「製作費と出演料の折り合いがつかなかった。出演料に関しては減額が続き本人としては出演料無しでもOKではあるが、若手芸人の事を考えるとそうはいかない」とのこと。松本人志さんも「良く分かる」と言っています。

明石家さんまの発言はこちら

 

日本のテレビ広告費は10年間(2004年~2015年)で約10%減少しています。

2005年~2014年の日本の広告費の推移

“さんまのまんま”を製作している関西テレビでは過去3年間で、広告収入が10億7千万円減少となったにも関わらず、一方では製作費などの原価が15億5千万円増額となっており、2016年度の決算では赤字に転落するのではと言われています。
製作費と出演料を減らすことが命題となっているテレビ局と、若手の為にも出演料をこれ以上下げられないと判断した明石家さんまさんと、やむ追えない判断だったのだと思います。

テレビ局の製作費の内訳

そもそも、何で製作費はこんなに掛かってしまうのでしょうか?
テレビを製作するには、様々な費用が必要になってきます。

芸能人の出演料、プロデューサー、ディレクター、放送作家、セット組み立て費用、スタイリスト【衣装含む)ヘアメイク、編集費用、交通費や弁当などの雑費・・・・ゴールデンタイムでは1時間の番組を製作するのに4000万~5000万必要になることもあります。テレビ東京のいまや看板番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でも800万程度は必要です。

一番高額なのは、芸能人の出演費用とセット代です。1時間で100万~グループで1000万。明石家さんまさんレベルだと300万レベルになります。セット代も1回あたり1000万レベルは普通です。2回分の放映を1回にまとめて収録することで経費の削減の努力をしてきたが限界だったということでしょう。


今後のテレビ番組の方向性

では、今後のテレビ番組はどうなっていくのでしょうか?

テレビ局の収入の大部分はテレビCMの広告収入です。テレビ離れによる視聴率の低下は今後も続きますので広告収入は減少を続けます。莫大な制作費用が必要となるテレビ番組は当然減少していきます。芸能人の出演費用の減額も進みます。結果、制作費用の比較的安価な報道番組が今よりも増加することになります。報道番組は、最も費用が掛かっている「報道ステーション」で1500万ですので、比較的安価です。自社の社員であるアナウンサーを活用できるのも制作費用の削減には大きな利点となります。

ただし、最近はニュースの使い回しが目に余ります。「また、同じ映像と同じナレーションかよ!」と言う映像を良く目にすると思います。これも制作費削減により自社独自の取材と報道が出来なくなってきたことによります。
このような事が顕著になると、益々テレビ離れが進みます。

また、多くのテレビ局は、番組の内容よりも出演者に依存する傾向にあります(特にフジテレビ)売れてくると同じ芸能人を一斉に出演させるキー局の姿勢も視聴者から敬遠される要因です。少ない費用で限られた出演者で、独自の番組製作で高視聴率を獲得しているテレビ東京を見ていると、同じ出演者の番組には飽きた。と言う視聴者の傾向もあることが分かります。

「フジテレビだぞ!○○が出演しているんだぞ!まいったか!」という姿勢はもう通用しない。ということをしっかりと自覚して、Youtube、ニコニコ動画、SNSがなぜ生活者の心をつかんでいるのか?今一度考える必要があるのだと思います。


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