出版社のビジネスモデル

   2017/01/13

出版社のビジネスモデルとは

情報発信メディアとして、またマスメディアの中心的な広告媒体として広告業界をけん引してきた出版社。そのビジネスモデルはあまり知られていません。集英社などの大手出版社が有名ですが、出版業界は多くの中小企業により構成されています。

出版社の企業構成
日本国内の出版社の中心は中小企業です。全ての企業数を合算すると、3500社を超える企業から構成されています。中心は中小企業であり、資本金5000万以下の出版社の割合が90%弱を占めています。
1000万円~5000万円規模が最も多く約57%、次に多いのが1000万円以下で約32%、資本金が5000万円を超える出版社は全体の10%程度しかありません。

出版社の従業員構成
従業員数も企業規模同様に少人数の出版社が多数です。最も多いのが4人以下の出版社で全体の約49%を占めています。半数は4人以下ということになります。続いて5人から9人の規模の出版社が約25%、10人から29人規模が約16%となっており、50人以内の社員数の出版社が全体に占める割合が約90%となっています。

出版社の売上規模構成
出版社の売上規模はどうなっているでしょうか?年間売上高で最も多いのは、3000万円~1億円で約33%、1千万円~3000万円が約25%、1億円~10億円が約21%、そして1千万円以下が約14%占めています。年間売上規模が10億円を超える出版社は全体の10%未満しかありません。

出版社の収入内訳
出版社の収入の中心は『書籍販売収入』と『雑誌販売収入』です。書籍販売収入で約48%、雑誌販売収入で約27%となり全体の75%と占めています。続いて広告収入となり約13%となります。思ったより広告収入に依存していないことが分かります。その他の売上としては、出版社はアニメなどで多くの版権を持っていますのでロイヤリティ収入もビジネスモデルとしています。

創刊誌と休刊誌の割合
出版社は創刊と休刊を繰り返して成長してきました。2005年以前は休刊誌よりも創刊誌の割合が多くありましたが、2006年以降は休刊誌の割合が逆転しています。
2005年と2014年を比較すると、2005年(創刊201誌、休刊140誌)2014年(創刊87誌、休刊169誌)となっており、10年間で創刊誌が43%に減り、休刊誌が120%に増えています。

電子雑誌の成長
紙媒体の減少に伴い、電子雑誌の部数は成長を続けています。2011年時では17誌(9045部)しかありませんでしたが、2015年には62誌(144139誌)まで増加しています。
出版社におけるデジタル化も2011年以降急速に進んでいると言えます。電子雑誌の最も多いのはNHK出版です。KADOKAWA、日経BPなども積極的です。小学館、集英社、講談社などはNHK出版と比較するとかなり遅れています。


今後の展開

出版業界をけん引してきたのは、2大グループです。2大グループとは、音羽グループ(講談社、光文社、キングレコード、星海社など)と一ツ橋グループ(小学館、集英社、祥伝社、白泉社など)です。
当面は資金力のある2大グループが出版業界をけん引すると予測されますが、印刷費用や販売ルートの確保などの費用が大きく軽減されるデジタル化に伴い、中小の出版社でも今まで以上に大きなビジネスチャンスとつかむ可能性が出てきました。出版業界も、生活者に受け入れられるコンテンツがあれば、会社の規模に関わらずチャンスをつかむことができる業界に変貌を遂げています。


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