日本の広告費2018年度を検証

日本の広告費2018年度を検証します!

日本の広告費2018年度版が電通より発表されました。

2019年度中に、インターネット広告費がテレビ広告費を抜くことが確実視され話題になっています

広告メディアの成長と衰退の状況は、単年ではなく長期的視点での検証が必要です。
今年度も、2005年度から2018年度までの14年間分を更新して一表にしています。

PDFでダウンロード可能です

 

前年比(2017年度比)と、2005年度比の2パターンで検証してみます。
是非ダウンロードください。

 

日本の広告費2018年度のポイント(前年比較)

  1. 前年比(2017年度比)は102.2%。2012年から7年連続のプラス成長が続いています。
    6兆円台を割り込んだ2009年度と比較すると約6,000億円増加しています。
    個人消費の伸びの実感はありませんが、企業業績が好調なのは事実ですので、広告費の成長は継続しています。
    また、近年はインバウンドに対する広告の増えてきています。
  2. マスメディアの4媒体は合計で前年比96.7%。全てのメディアがマイナスとなりました
    (テレビ広告98.2%、新聞広告92.9%、雑誌広告91%、ラジオ広告99.1%)
  3. インターネット広告は116.5%となり、前年の115.2%を上回る2桁成長を維持しています。
    前年に続き、運用型広告・動画広告が順調と言えます。
  4. プロモーションメディアは、デジタルメディアの普及が急速に進んでいる交通広告が前年比でプラス(101.1%)
    POPも101.3%と安定しています。交通広告のデジタル化はオリンピックに向けて2019年以降も続きます。
    また、インバウンドの急増により羽田空港などのメディアも枠が取れない状況が続いています。

 

 

 

広告媒体別の推移

それでは、広告費の推移について、〖テレビ広告〗〖新聞広告〗〖雑誌広告〗〖ラジオ広告〗〖インターネット広告〗〖プロモーションメディア〗
に分けて検証してみましょう。

 

テレビ広告

テレビ広告費は、地上波が1兆7,848億円。前年比で98.2%となっています。
1.8%のマイナスですが、分母が大きいので額にすると大きなマイナスになります。

また、衛星メディア関連が1,275億円で前年比98.1%となりました。
2017年度に、成長の鈍化が気になるとお伝えしましたが、予想通り今年度はマイナスとなりました。

テレビ通販番組のレスポンスの見直し、またインターネットTVの台頭により、生活者の選択肢が増えていることが影響しているのでしょう。
また、BSやCSを視聴する層の人数にも限度があるはずですので、今後V字回復でプラス成長路線に戻る可能性は低いでしょう。

 

新聞広告

新聞広告は、4,784億で前年比92.9%となりました。
いよいよ5,000億円を割り込みました。

前年比-10%程度が続いていますので、再来年には3,000億円台になる可能性もあります。

新聞広告は、シニア向けのプロモーションと、選挙や公共的なイベントに支えられています。
2019年度は、4年に一度の統一地方選挙と3年に一度の参議院選挙が実施される選挙イヤーです。
選挙活動として、大きな税金が投入されますので、場合によっては前年比96%程度に抑えられる可能性もあります。

また、各新聞社ともに、紙を読まない層へのアプローチとして、デジタル化への取り組みが目立つようになってきました。

脱!紙メディアは今後加速していくでしょう。
この分野で成功した新聞社が生き残り、失敗した新聞社には未来はないでしょう。

 

雑誌広告

雑誌広告は、1,841億年となり(前年比91%)2,000億年を割り込んでしまいました。
非常に厳し状況が継続しています。

デジタル分野はプラス成長が続いていますが、デジタルは金額の規模が小さい為に、紙のマイナス分を補填するだけのパワーがありません。
デジタル化と並行して出版社が抱えるコンテンツの有効活用が大きなポイントとなるはずです。

 

ラジオ広告

マスメディアの中で、最も可能性のあるラジオ広告。残念ながら今年度は1,278億円となり、前年の1,290億年よりマイナスの0.9%となりました。
しかし、マイナス幅が小さいだけでなく、ラジコのユーザー層の増加やプレミアム会員の増加などの好材料がありますので、大きな心配は不要です。

メディアというのは、ユーザー数が増えている限りビジネスチャンスは生まれます。
Webとの連動、イベント連動など臨機応変に企画が可能なラジオ広告は今後も可能性が広がっています。

 

インターネット広告

インターネット広告は1兆7,589億円となり前年比116.5%を達成しています。5年連続の二けた成長です。
地上波との差もほとんど無くなりました。2019年度中にインターネット広告がテレビ広告を抜くことは確実です。

現時点での、運用広告や動画広告のニーズの高さを考えると、2年後には2兆円まで成長する可能性もあります。

 

プロモーションメディア関連

交通広告のデジタル分野の好調が目立ちます。
車両内、駅構内において、デジタルメディアの普及は当面続くでしょう。

紙メディアのニーズは減少しますが、1メディアで数社の広告が掲出できるデジタルメディアの普及が交通広告成長のポイントになります。

また、スマートフォンの普及により、展示・イベント・POP関連も安定したニーズが継続する可能性があります。

新聞の発行部数減により、減り続ける【折り込み広告】の代替えとして、地域を限定できるDMは、今後も注目すべきメディアです。

 

日本の広告費2018年度のポイント(2005年度比較)

2005年と比較すると日本の広告市場は94.7%となっています。

リーマンショック・東日本大震災によるマイナスがありましたが、2012年を機に順調に回復しています。

新聞広告は、2005年度比で46%、雑誌広告は38%と大きく減少しています。
売上が、十数年で半減を超えるマイナスというのは、企業にとって大変な状況であることは間違いありません。

 

 

まとめ

昨年度(2017年)のキーワードは4点でした。

  1. デジタル・トランスフォーメーション
  2. 媒体特性による統合的なコミュニケーション活動
  3. 運用型広告
  4. 動画広告

この傾向は、2018年、そして2019年以降も変わりません。
詳しくは、日本の広告費2017年をご覧ください。

 

インターネット広告とオールドメディアの組み合わせ

インターネット広告では取り込めない層に対するアプローチとして、従来型メディアの活用が注目されています。

多くの企業がインターネット広告に注力する状況で、Web施策で効果を出すのは容易ではなくなってきました。
オールドメディアはからWebサイトへの誘導。店舗などのリアルな場所との連動など。
Webとオールドメディアを効率的に組み合わせる施策は、2019年度以降、改めて注目されることになるでしょう。

 

テレビ広告とインターネット広告の比較

比較されるテレビ広告とインターネット広告。
2018年度の差は259億円しかありません。つまり1日あたり7000万円です。
2019年度も2018年と同じ成長率とした場合、2019年度の広告費は。

  • テレビ広告:1兆7491億円
  • インターネット広告:2兆0227億円です。

差額は、2736億円ですので、1日あたり7億5千万の差になります。
単純計算ですが、2月末の時点ではすでに逆転している計算になります。

日本の広告費には上限がありますので、2億円あたりから成長は鈍化してきますので
もう少し遅いかもしれませんが、年度内の早い段階で逆転するでしょう。

また、広告費に上限があるということは、新たな広告費がインターネットに投入されることではなく、
その多くは、他のメディアの広告費がインターネット広告に移行するということに注意しなければいけません。

であれば、自らがデジタル化することが既存のメディアにとって重要な施策になります。