『LIVE BOARD』とは?

投稿者: | 2019年3月19日

DOOHの新会社「LIVE BOARD」とは!

屋外広告に関して、新しい取り組みを繰り返している電通ですが、
2019年2月にNTT DOCOMOと新しい取り組みを開始しました。

今回は取り組みだけでなく「LIVE BOARD」という新会社を設立。
資本金が50億(資本準備金25億円含む)という規模ですので本気度が今までとは違います。

最近の取り組みの代表的な例は下記2点でした。

  1. ヤフーと共同で人気があると思われるコンテンツを配信する取り組み
  2. 人工知能を活用した5社共同企画

 

広告会社がリリースする上記の様な取り組みはリリースのみで終了というのは珍しくありません。
しかし、今回は50億円という出資額の新会社設立だけでなく、NTTDOCOMOとの共同事業ですので失敗する訳にはいかないでしょう。

では、今回の取り組みはどのような内容でしょうか?
詳しく検証してみます。

 

「LIVE BOARD」の取り組みとは

電通とドコモが設立したのは、DOOHの新会社です。

つまり、デジタルサイネージを利用した屋外広告の会社ということになります。
大型(街頭)ビジョンを中心に電車内や駅サイネージなど幅広いメディアを取り扱うことが予想されます。

ドコモの出資額の方が51%と多くなっていますが、電通出身者が社長をする仕組みになっています。
広告を集める仕事ですから当然でしょう。

新会社の大きな目標は
【携帯電話ネットワークの運用データを活用し、日本初のインプレッションに基づくOOH広告の販売を実現】
となっています。

携帯電話のネットワークを活用することがポイントですので、NTTDOCOMOと組んだ。ということになります。

リリースを元に内容をチェックしてみましょう!

 

1.新会社設立の目的

携帯電話や各種サービスのマーケティングデータを保有するドコモと、日本有数の広告の取引実績や運用実績を持つ電通が、
それぞれのノウハウとアセットを活用し、OOH視聴データの整備や広告取引の自動化等を実現することにより、
現在のOOH広告における課題を解決するとともに、スマートフォンとの連動など新たな価値を付加したDOOH事業の普及・拡大をめざします。

上記がリリース内容ですが、非常に分かりづらいですね。

要約しますと、


O
OH(屋外広告)の課題は大きく2つ。

  1. 広告効果が分からない。
  2. 取引が煩雑でアナログ対応が中心であること。

 

結果として、広告主の要求に答えられず、日本国内のOOHの成長率が鈍っていると。
この課題を解決したいということです。

その為に、海外で利用されている『インプレッション数に基づく販売』を日本に取り入れる。
ことを目標としています。

つまり、屋外広告でCMが放映された時の視認範囲にどれだけの人がいるのか?
正確なデータを用いて、インプレッション数を計測し、インプレッションに基づく課金をする。
ということになります。

 

2.新会社による事業の特長

 

また、リリース内容をチェックしてみましょう。

  1. 「LIVE BOARD」社は、複数の「DOOH媒体」を横断して複数の広告主が購入できるオンラインのプラットフォームを構築・運営する。

    →つまり、DOOH市場においてオンラインで購入できる仕組みを構築しようという考えです。
    現状運営されているデジタル系のサイネージと自社(LIVEBOARD)で開発するデジタルサイネージをパッケージとして、
    オンラインにて広告枠の販売を開始するということです。
    アナログで人と人が打ち合わせをして販売することが普通であるデジタルサイネージをWeb上で販売することを目標としています。
    どれだけの数のデジタルサイネージ運営会社をパッケージに取り込めるかがポイントになってくるでしょう。
  2. ドコモの携帯電話ネットワークの運用データを基にした人口統計「モバイル空間統計®」などのデータを活用する。→DOCOMOのデータを活用し、デジタルサイネージの視認範囲のサーキュレーションを明確化。
    通行量だけでなく、性別・年代等をセグメントし可視化することで、ターゲットに応じた最適な広告枠の販売を行うということです。
    このことで、日本初のインプレッション販売の実現を目指しています。
  3. 「DOOH」と通行者が持つスマートフォンが連動するなど、新たな付加価値のある広告商品の開発・提供を行います。→この目標は10年以上前から屋外広告の大きな課題となっています。どのような取り組みを開始するのか注目したいところです。
    しかし、この内容の達成は難しいでしょう。
  4. 5G回線を活用した高画質・低遅延での広告動画伝送の実現をめざします。→これは当然の流れです。全ての分野で5Gの取り組みは始まります。屋外広告でも必須の分野であると言えます。
    しかし、この達成にはインフラ整備も必要です。どこから優先して取り組むのか?非常に難しいでしょう。

 

広告主にとってはメリットがあるのか?

 

では、今回の「LIVE BOARD」の取り組みは、広告主にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
広告主にとってメリットが無ければ、この取り組みは必ず失敗します。

広告主にとってのメリットは、
今まで広告効果が不明であった屋外広告をターゲティングとインプレッション数で評価して購入できるようになるということです。

また、その購入が運用型広告と同様にオンラインで完結できるようになるということです。
広告主は、広告予算を元に1インプレッション単価で広告枠を購入していくことになります。

インプレッション数が、リアルタイムで正確であればメリットはありますが、
現状は過去のインプレッション数を活用するということですので、微妙な感じは残ります。

広告主にとってのデメリット

広告主にとっては、メリットだけではありません。
考えられるデメリットは、インプレッション数による販売の為、メディアを選べない。ということです。
インターネット広告と同じ手法ですので、当然です。

そもそも屋外広告というのは、場所で選定をします。
若者であれば渋谷・原宿、オタクであれば秋葉原、ビジネスマンであれば新橋、OLであれば丸の内など。
場所を選定すれば、ある程度のターゲットは絞ることが可能です。

今回の取り組みはNTT DOCOMOのデータによるターゲティングですので、場所は選べません。
郊外の駅前や、地味なビルの最上部などより、渋谷などの一等地で放映したいと思うのは当然の希望です。

しかし、この希望は通りません。インプレッション数を消化するというのが目的になります。

屋外広告はイメージが非常に大事です。
サイズの大きく、目線の近い場所でのイメージ訴求というのも大きな価値です。

この価値に勝るだけの内容でない限り、大きなニーズは見込めません。

 

既存のデジタルサイネージ運営会社は儲かるか?

 

『LIVEBOARD』がネットワークを広げる為には、既存のDOOHの協力は不可欠です。

では、既存のデジタルサイネージ運営会社は、参画することで儲かるでしょうか?

広告枠がどれだけ販売できるか?によりますが、
サーキュレーション数が多いにも関わらず広告枠の販売が上手に出来ていない運営会社では今より儲かる可能性があります。

また、優秀な営業マンが不在の企業もいいでしょう。
「LIVEBOARD」社がオンラインで勝手に販売してくれますので、参画するメリットは大きいと言えます。

逆に、広告集広が順調な企業ではメリットは少ないでしょう。
今の段階では独自に販売していた方が収入は多いと言えます。

 

ライブドードのまとめ

2019年より屋外広告でもインプレッション数に基づく販売が開始されました。
屋外という地域の特性を重視する考え方をインプレッションという考え方にシフトすることができるのか?が大きなポイントでしょう。

しかし、2020年の段階では判断はつかないでしょう。
広告放映ができるサイネージのレベルを下げないこと(3流スペースにサイネージを設置しないこと
そして、PCやスマートフォンへの配信とセットで考えることが出来るようになること。が重要でしょう。

「LIVE BOARD」社が成功するか?は誰にも分かりませんが、考え方としては時代に即した方法であることは間違いありません。

広告業界の方は注目しておきましょう!