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日本の広告費の30%を占めるプロモーションメディア
プロモーションメディアとは、
マスメディア広告・インターネット広告を除く【他メディア】の事です。
『その他メディア』『雑媒体』『SPメディア』など様々な言い方をされますが、
まとめて『プロモーションメディア』と呼ばれるのがメジャーな言い方です。
1つ1つのメディアは小さい部類に入りますが、マスメディアやインターネット広告を活かす為に
重要な役割を持っています。
注目したいプロモーションメディア市場
プロモーションメディアの広告市場は、『その他メディア』と言われるようにサブ的な存在だと思われがちですが、
日本の広告費の1/3を占めていることから分かるように、役割は非常に大きいと言えます。
『マスメディア広告』や『インターネット広告』では到達できない層へのアプローチ方法として非常に有効です。
デジタル化が急速に進む中で、今後より注目されるようになってくることは間違いありません。
販促キャンペーンと非常に相性が良いのです。
プロモーションメディアのメディアの種類は非常に多くあり、
- 『屋外広告』
- 『交通広告』
- 『折込(チラシ)広告』
- 『ダイレクトメール・FAX(DM)』
- 『フリーペーパー・フリーマガジン』
- 『POP』
- 『電話帳』
- 『イベント・展示』と大きく8カテゴリーに分かれます。
具体的に説明しましょう。
①屋外広告
屋外広告とは、『屋外看板』『屋外ボード』『大型ビジョン』『車両広告(トラック広告など)』『屋上ネオン広告』などです。
〖OOHメディア(アウト・オブ・ホームメディア)〗と呼ばれています。
最近はデジタル化が進み、サイネージ系のメディアが増えてきています。
このサイネージ化されたメディアは、デジタルの頭文字をとり〖DOOH〗と呼ばれています。
今後はデジタル系の媒体が主流になっていくでしょう。
屋外広告の役割
屋外広告に求められる役割は、『ブランド訴求』が中心となります。
屋外メディアの選定で大事な視点は「ターゲティング力」「インパクト」「視認性」です。
屋外広告は、特定の街に掲出されますので、自然とターゲットは絞られます。
若者ターゲットであれば「渋谷」「原宿」「池袋」ビジネスマンやOLであれば「新橋」「丸の内」となり、
ファミリー層であれば「銀座」インバウンドであれば「銀座」「渋谷」だけでなく「上野」や「秋葉原」「道頓堀」なども想定されます。
屋外広告の訴求ターゲットは、「歩行者」と「車両」です。
マスメディアやインターネット広告と違い、強制的に見せることが可能ですので、
メディアを選定する場合「インパクト」と「視認性」を重視することが重要です。
- 目線に近い高さなのか?(自然と視界に入るのか?)
- サイズや角度は?(インパクトがあるのか?)
- 交差点でノ信号待ちや待ち合わせのロケーションになっていて歩行者が滞留する環境なのか?
- 商店街などに入口にあるのか?(長い視認性が見込める)
- 近隣の環境は(障害物や他の広告が邪魔ではないのか?)
- 複数面での展開ができるか(2面・3面同時に活用できればインパクトも数倍になる)
上記の条件の中でクリアしているのは何なのか?
掲載料と比較しながら、費用対効果の良いメディアを選定するセンスが求められます。
大手広告代理店などに丸投げをしてはいけません。
屋外に詳しい専門の会社に依頼しながら、しっかりと自分の足で検証しましょう。
また【スタジアム広告】も人気が高いメディアです。
外野フェンス、外野上部の大看板、ネット裏広告、ベンチ上広告など多数のメニューがあります。
掲出できるスペースは限られますが、ブランド広告には非常に適した広告と言えます。
東京ドームの外野上部などは年間で1億5千万から1億8千万の掲出費用が必要ですが、
スペースを確保するのが困難な程人気があります。
②交通広告
交通広告とは、『車両内広告』『駅構内広告』『バス内・バス停広告』『タクシー広告』や『空港内広告』の事です。
『車両内広告』『駅構内広告』は通勤時・通学時に繰り返し訴求が可能ですので、〖反復性の高さ〗が最大の魅力です。
近年は、乗客がスマートフォンを見ていることにより視認率の低下が懸念されていますが、
通勤前や通勤後に訴求したい商品(仕事後のビール、栄養ドリンク、缶コーヒー、エステ、病院など)には欠かせないメディアです。
また、商品内容をじっくり読ませたい場合などは非常に有効です。
額面広告や中吊り広告をジックリ見た経験は誰にでもあるはずです。
交通広告の未来
交通広告はサイネージ化が急速に進みます。
山手線などの人気路線はサイネージが無い車両の方が少なくなってきています。
駅構内の柱巻き広告もサイネージ化が急速に進んでいます。
ローカールな駅や路線を除き、東京・大阪・名古屋ではポスター貼りからサイネージ化が一気に進みます。
ポスターなどのアナログメディアは少数になるでしょう。
交通広告のサイネージ化による未来
交通広告がサイネージ化するとどうなるでしょうか?
1つのスペースに複数社が広告を掲出できるだけではありません。
最も大きく変化することは『ターゲティング力』の向上と『臨機応変な掲出対応』です。
広告メディアの視認範囲にいるターゲットに合わせた広告配信が急速に普及することは間違いありません。
また天気などの周辺状況により広告内容を差し替えることも容易になります。
湿気や温度により自動的に広告が入れ替わるようになるのです。
時間帯での差替えも容易になります。朝向けの商品を1日中掲出する必要が無くなり、しかも周辺状況により自動的に差替えが可能になります。
この方向性は屋外広告も同様です。
屋外広告と交通広告で、2020年以降急速に普及することは100%間違いありませんので注目しておきましょう。
③折込広告(チラシ)
折込広告は、新聞に挿入される『折込チラシ』と、ポストにダイレクトに挿入される『ポスティング広告』に大別されます。
新聞に挿入される『折込チラシ』は部数の減少に伴い急速にニーズが減少していますが、
ポスティング広告は、ネットによる申込みが普及していることで、個人事業主でもご配布が容易になりニーズが広がっています。
ラクスルなどが有名ですね。印刷から配布だけでなく、チラシのデザインもフォーマットがあるので、
パソコンができれば誰でもチラシが制作できる時代になりました。
折込広告の特徴
折込広告やポスティング広告の最大の特徴は、『特定の地域を限定できること』そして『予算に合わせて配布数を指定できる』ことです。
地域に特化していますので、来店促進や購入などのアクションが期待できます。
地域に根ざしている『車両販売』『不動産』『美容室』『飲食店』『スーパー』『クリーニング店』『スポーツジム』などの企業には欠かせないメディアです。
インターネットでは訴求出来ない層へのアプローチとしても有効です。
④DM(ダイレクトメール・FAX)
ターゲットをより特定して訴求できるのが『ダイレクトメール・FAX』です。
顧客リストによりターゲットを絞り込み配信しますので、訴求したいターゲットに直接届きます。
ターゲティング力や配信能力も年々向上していますので、上手に活用すれば大きな効果が期待できます。
法人に対する『ダイレクトFAX』も未だにニーズがあるメディアです。
⑤フリーペーパー・フリーマガジン
無料で配布される『フリーペーパー』や『フリーマガジン』も根強い人気があります。
特定の場所への「置き型タイプ」と「ポストへの配布型」に分かれます。
インターネット広告の成長により減少傾向ではありますが、サービス内容をしっかりと読ませることが可能な為、
割引チケットの添付などにより、ターゲットに行動を起こさせることが見込めるメディアです。
フリーペーパーの〖ぱど〗などの割引チケットでマッサージや美容室に申し込まれた経験は多くの方があるはずです。
地域密着のイベント告知やバーゲンなどの短期キャンペーンにも活用したいメディアです。
⑥POP
売り場での販促促進として利用されるのが『POP』です。
量販店・スーパー・百貨店・ドラッグストア・ホームセンターなど市場は大きく、売上を左右する重要なメディアです。
企業によっては、広告費より店頭などでの販促費を重視する場合も多くなっています。
POPの特徴
多くの消費者は、最終的な購入決定を売り場で判断します。
広告を見て店舗に来ても、その場の広告や値下げ状況により容易に判断は変更されます。
生活者が直接商品と接する『売り場』での施策は非常に重要なのです。
どれだけ広告費を投入しても店頭で何も実施していなければ効果は半減します。
宣伝費用と販促費用の割合の見直し、宣伝と販促の連携などは多くの企業の課題でしょう。
POPの未来
ドラッグストアや量販店・スーパーでは店内サイネージの普及が急速に進んでいます。
同時にPOPもサイネージやスマートフォンとの連動が必要になってきています。
その結果、デジタル化が進み、ターゲティング力の優れた広告配信が始まります。
POSデータ(ポスデータ)を活用した訴求方法も確立されていくでしょう。
この〖POSデータを活用した展開は2020年以降の大きなキーワード〗に必ずなります。
すでにこの方法で大きな成果を出している例もあります。
〖店頭+POPなどのインストアメディア+スマートフォン〗の組み合わせは注目の手法です。
必ず注目しておきましょう!
⑦電話帳
毎年縮小を繰り返していますが『電話帳広告』もプロモーション分野のメディアです。
電話帳のニーズはほとんど無くなっていますが、自治体と連携した『防災マップ』などは普及が進んでいます。
今後は防災分野を中心に市場は形成されるでしょう。
⑧イベント・展示
『オリンピック』や『eスポーツ』『ポップアップストア』などが、イベントや展示分野になります。
日本には多くのイベント会場が存在します。特に東京ではオリンピック後にスペースが残ります。
このようなスペースを活用した展開が増加するようになるでしょう。
特に注目すべきは、インバウンド系を巻き込んだイベント・展示でしょう。
コロナ後には反動で様々な取り組みが行われることになるはずです。
訪日外国人を巻き込んだ展開は自治体からの協力も見込めますので、注目しておきましょう。
※コロナ渦により、イベント系は壊滅状態が続いていますが、2022年以降は徐々に回復傾向になるでしょう。
プロモーションメディアのまとめ
プロモーションメディアは、スマートフォンの普及により大きな可能性が広がっています。
デジタルからアナログ、またアナログからデジタルへの誘導は2020年以降も大きな課題です。
売り場でのコミュニケーションも大きな課題です。
この課題を解決できるのが、プロモーション分野なのです。
上手く仕組みを構築できれば売上が上がる大きなビジネスチャンスがあるのがプロモーション分野です。
特に中小企業の方や広告代理店の方は絶えず最新の状況を確認するようにしましょう!