広告代理店の仕組み

“広告代理店ビジネスの仕組み:2024年度版:5つのコードを解読”

広告代理店というと何を思い浮かべますか?

“広告代理店のビジネスモデルは?”
“銀座の街で飲み歩く”派手な営業マン?
“無数のアイデアが飛び交う”熱気あふれる会議室?
はたまた“謎めいた利権関係”や、
“ブラック企業というダークなイメージ”?

さまざまな想像が膨らむでしょう。

『実際の広告代理店の仕事はどのようなもの?』なのでしょうか?
『広告代理店とクライアントってどのような関係』は?
そして、『広告代理店の営業マンが売って歩いているものは何』なのでしょうか?

彼らの収入源や利益構造、そしてその働き方について具体的なイメージを持ない人が多数だと思います。

さらには、電通という広告業界の謎。その利権や成功の秘訣、そして広告代理手のビジネスモデル。。。

広告業界を深く経験したことのない方には謎が多いことでしょう。

広告代理店ビジネスの仕組みとは

これら全ての疑問に答えるべく、

そこで、広告代理店に骨を埋める覚悟をしてから20年以上!
【広告の仕事大好き人間】の私が、『広告代理店のビジネスの仕組み』をできるだけ分かりやすく説明いたします。

 

広告代理店のビジネスモデル:5つの核心要素

 

広告代理店のビジネスの仕組みは、その多面性から大きく5つの要素から成立しています。

 

  1. 広告メディアの販売によるマージン収入
  2. 広告掲載のためのCMや広告原稿など、クリエイティブの制作
  3. イベントやサンプリングなど、対面的なプロモーションの展開
  4. マーケティングリサーチやデータ分析などの調査業務
  5. その他関連業務

これらの中でも、広告代理店ビジネスの中核となるのは「広告メディアの販売」です。

広告代理店の売上や利益の大部分は、「広告メディアの販売によるマージン収入」によって生じています。

これは広告スペースの売買に関わる手数料や割引の差額など、メディアの販売による価格差に由来する収入です。

それでは、上記5つの要素について、順番に解説していきましょう!

広告メディアの販売によるマージン収入

 

「広告メディアの販売」は、
広告代理店が『クライアントの商品やサービスを適切なターゲットに届けるための主要な手段』です。

これにはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、オンラインメディア、屋外広告など、さまざまな広告メディアが含まれます。
広告代理店は、これらのメディアに広告を掲載するためのスペースを購入し、それをクライアントに販売します。

このプロセスは広告代理店の重要な収入源となっています。
なぜなら、広告代理店はメディアから広告スペースを購入し、クライアントに販売することで
その差額をマージン(差益)として得るからです。

このマージンが「広告メディアの販売によるマージン収入」になります。

実際の構造は、メディアの販売価格にマージンが含まれている。ことになります。

雑誌広告を例に説明します。

雑誌の広告スペースが1ページ100万円の定価で販売されているとします。
この100万円には、広告代理店のマージンが通常20%含まれた金額設定になっています。
(予め価格表にマージンが含まれている状態)

販売が成立した時に、広告代理店はクライアントに対し100万円を請求し、
マージン20%を除いた80万円を出版社に支払います。

この差額20万円が広告代理店のマージンとなります。

※これを、広告代理店では、グロス100万円、ネット80万円と表現します。

これが、基本的な広告販売のビジネスモデルです。

ただし、広告代理店が単に広告スペースを売り買いしているだけではありません。
『雑誌の広告やりませんか?』と言っても簡単に買ってはもらえません。購入に至るまでには様々な努力が必要です。

広告代理店は、

  1. クライアントのビジネス目標を理解し
  2. 最適な広告メディアを選定し、
  3. 最良の広告効果を得るためのクロスメディア戦略を策定し、
  4. プレゼンを実施。

このような過程を経て実施に至ります。
これには、ターゲットの分析、広告のタイミングと配置の計画、広告効果の測定と最適化などが全て含まれているのです。

このように、様々なデータ分析などを実施した上で広告枠の販売に至るのが普通です。

では、次に、広告の掲載に必要な「広告の制作」について見ていきましょう。

 

広告掲載のためのCMや広告原稿など、クリエイティブの制作

「広告物の制作」は広告代理店のもう一つの主要な業務です。
これにはテレビCM、広告原稿、デジタルコンテンツ、プリントメディアなど、さまざまな形式の広告素材の制作が含まれます。

クライアントは広告スペースを購入した後、
そのスペースを最大限に活用するための『魅力的で効果的な広告内容を制作』する必要があります。

広告代理店のクリエイティブチームは、アートディレクター、コピーライター、デザイナーなど、
様々な専門家からなるグループで、これらの広告素材を作り上げます。

広告制作は、『クライアントのブランドメッセージを明確に伝え、目標とする顧客に対する強力な印象を作り出す』ための重要な工程です。
適切なメッセージングとデザインは、広告の目的を達成するために不可欠な要素です。

その後、広告は適切なメディアに掲載され、ターゲットに配信されます。
これにより、クライアントのブランド認知度を高め、商品やサービスへの関心を喚起し、最終的には販売を促進することを目指します。

『広告販売』と『広告のクリエイティブ』はセットで考えるのが普通なのです。

では、次に「対面的なプロモーションの展開」について詳しく見ていきましょう。

 

イベントやサンプリングなど、対面的なプロモーションの展開

 

「対面的なプロモーションの展開」は広告代理店の業務の中でも、生活者に直接的に接する業務です。
これにはイベントの企画・実施、サンプリング活動、ストリートマーケティングなどが含まれます。

広告が主にメディアを通じて消費者とブランドを結びつけるのに対し、
対面的なプロモーションは『リアルな体験を通じて顧客と直接関わります』
これにより、ブランドのメッセージがより直接的かつ感覚的に伝わるため、顧客の記憶に深く残る可能性があります。

例えば、新製品のサンプリング活動は顧客が製品を実際に試す機会を提供し、
製品の質や効果を直接体験させることができます。

ブランド主催のイベントは、顧客がブランドの価値やエッセンスをより深く理解し、ブランドへの愛着を深める機会を提供します。

広告代理店は、これらの活動を計画、調整、実施する役割を果たします。

  1. イベント会場の手配
  2. 安全の為の導線の確保
  3. 天気を想定した様々な対応策
  4. イベントコンパニオンやMCの手配
  5. 警察等の各方面への申請作業
  6. 周辺への配慮
  7. 開催後の片づけ(ゴミの処理)

上記のようにイベントの開催には様々な作業が必要になります。
これらの作業を全て実施するのも広告代理店の仕事です。

最近では、デジタルとリアルの両方の要素を組み合わせたハイブリッドなアプローチの採用も求められるようになってきています。

『生活者に直接商品やサービスの内容を理解する機会を得ることができる』
プロモーションはクライアントにとっても非常に大切な仕事の一つといえます。

次に、「マーケティングリサーチやデータ分析などの調査業務」について見ていきましょう。

 

マーケティングリサーチやデータ分析などの調査業務

 

「マーケティングリサーチやデータ分析などの調査業務」も、
広告代理店が提供するサービスの中でも特に重要なものの一つです。

この業務は『広告キャンペーンの成功を支える情報を提供し、戦略的な意思決定を裏付ける役割』を果たします。

広告代理店は、市場のトレンド、競合他社の戦略、顧客の行動や嗜好、広告のパフォーマンスなど、
さまざまな情報を調査・分析します。

このような調査は、広告キャンペーンの計画段階で行われることもありますが、
キャンペーンの実行中や終了後にも行われ、継続的な改善と最適化に役立てられます。

また、データ分析は、広告の効果測定と最適化に不可欠です。
広告代理店は、広告がクリックされた回数、視聴時間、リードの生成数、売上げなど、さまざまな指標を追跡します。
これらのデータは、広告が目標を達成しているか、または改善が必要な点があるかを評価するための貴重な情報源です。

このような調査業務は、広告代理店が提供する全体的なサービスの中でも特に戦略的な側面を持つため、重要性が増しています。
このような業務は、主に大手広告代理店が担当します。

最後に、「その他の関連業務」について見ていきましょう。

 

その他関連業務

「その他の関連業務」は、上述した主要な業務以外の部分を指します。

これには、広報(PR)、ブランドコンサルティング、ソーシャルメディア管理、SEO対策など、広範囲にわたる仕事が含まれます。

広報(PR)は、広告活動と並行して、企業のブランドイメージを強化し、パブリシティを増加させるための重要な戦略です。
広告代理店は、ニュースリリースの作成、メディアリレーションズ、イベントのプロモーションなど、PR活動の全体的な実施をサポートします。
広告代理店はこの業務をPR会社に依頼するのが普通です。

また、ブランドコンサルティングでは、広告代理店はクライアントのブランド戦略を検討し、
ブランドアイデンティティやポジショニングを強化するための提案を行います。

これには、ブランドのビジョン、ミッション、値を明確に表現するための戦略的なガイダンスが含まれます。

ソーシャルメディア管理とSEO対策は、デジタルマーケティングの観点から見ると重要な業務です。
ソーシャルメディア管理では、広告代理店はクライアントのソーシャルメディアプレゼンスを管理し、
エンゲージメントを高めるためのコンテンツを作成します。

一方、SEO対策では、
クライアントのウェブサイトが検索エンジンの結果ページでより高い位置を獲得できるように、最適化戦略を提供します。

以上のように、『広告代理店のビジネスモデルは多岐にわたり』
それぞれの業務が相互に関連しながら全体的な広告戦略を支えています。

このような広範囲なサービス提供が、広告代理店がクライアントにとって重要なパートナーであり続ける理由の一つになっています。

 

 

また、広告代理店の存在意義(役割)についても記載しています。
広告代理店は非常に重要な存在であることが分かります。

 

広告代理店の仕事内容についてもお読みください。

広告代理店の仕事内容

広告代理店の仕事(職種別)はこちらで説明しています。

 

『テレビCM』制作の流れをアップしました!

 

 

近年急増する『セントラルメディア・バイイング』とは?

 

 

広告業界の市場規模を検証しています

注目のネイティブアドについて!

 

映像制作費用についても説明しています

映像製作って定価はあるのか?

 

 

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