ネットとグロスの違い

ネットとグロスの違いとは

 

広告代理店に入社すると、「 ネットとグロス」という言葉を頻繁に耳にするようになります。
広告業界では『ネットとグロスの違い』は基本的な知識です。

具体例で説明しますので、しっかりと覚えてください。

【請求金額と支払金額の違い】ことですので、間違えると取り返しのつかないことになります。

 

ネットとグロスの違いとは?

広告代理店の立場を中心とすると、

  • 【グロスは販売価格】
  • 【ネットは支払金額】

となります。

つまり、グロスは広告主に請求する金額ネットは媒体社に支払う金額です。

 

「これグロス?」「これネット?」
という会話は広告媒体の料金の打ち合わせや制作物の打ち合わせでも100%使われます。

新入社員の時期には覚えられずに苦労する方が多くいまが、間違えると大変です。
広告主にネット(原価)を提案してしまったら、収支は0になってしまいますね。

間違えない為のポイントは3つです。

  1. 金額が2パターンあったら、大きな金額がグロス、小さな金額がネット
  2. 「この料金はグロスです」と言われたらクライントに提案する金額
  3. 「この金額はネットです」と言われたら媒体社に支払う金額。

おおよそ、上記3パターンを理解しておけば問題ありません。


瞬間的に理解できるようにしておくことが非常に大事です。

 

 

 

 

ネットとグロスの使用例

では、広告媒体を例に具体的に説明してみましょう。

雑誌・新聞・交通広告などの広告媒体には定価設定があります。
この定価がグロスとなります。

通常は広告代理店のマージンが20%程度含まれていますので、
この定価からマージン20%を引いた金額がネットとなります。

 

例えば・・・

 

定価が100万円の雑誌広告を販売したとします。

この場合、広告代理店のマージンが20%定価に含まれているのが通常です。
(つまり、定価の100万円には広告代理店のマージンが20%含まれている)

この売買が成立した場合、広告代理店は、

『グロスの100万円をクライアントに請求して、ネットの80万円を媒体社に支払った』ことになります。

グロスを請求してネットを支払う。簡単ですね。

 

応用編

媒体社は、広告枠が埋まらない理由で、値引き販売をすることがあります。
原稿の締め切り寸前によくあります。

すると、「定価100万円ですが50万でいいです」のような提案が媒体社から広告代理店にあります。

この50万円は、何を意味しているのでしょうか?2パターン考えられます。

  1. 「50万円を販売価格として販売してください」とグロスを意味しているのか?
  2. 「通常はネットが80万円ですが、今回はネットを50万円にします」のネットのことを言っているのか?

この2パターンが考えられます。

このような場合は、媒体社に対して『50万ってグロスですか?ネットですか?』と確認する必要があります。

  1. の場合は、グロス50万で広告主に販売しますので、媒体社への支払い金額(ネット)は40万円となります。
  2. の場合は、媒体社の意向は「80万円請求のところ50万の請求しますので、広告主に提案する金額はお任せします」となります。
    80万で提案すれば利益は30万。60万で請求すれば利益は10万円となります。

定価を崩した提案があった場合は、しっかりと確認しましょう。

 

定価が無い広告媒体に注意

広告媒体は、雑誌や新聞のように全てに定価設定があるわけではありません。
屋外広告のようにビルのオーナーなどの個人が運営しているような媒体には定価が無い場合があります(街中のビルの壁面や屋上)

どのような経緯になるのかというと。。

屋外広告は、ビルの持ち主が媒体主となりますので、広告代理店に対して「年間で1000万払ってくれれば屋上売っていいよ」というように販売を任せます。

すると、【ビルオーナー】⇒【広告代理店】⇒【広告主】と言う商流になります。
結果として、商流に入る会社の数だけ金額は高額になってしまいます。
ネット1000万でスタートした価格が広告主の段階で定価(グロス)2000万になるようなケースも多くあります。

それぞれの会社に中で『グロス金額』と『ネット金額』が異なる結果となります。

屋外広告というのは、広告代理店によって提案価格が異なることは珍しくありません。

 

まとめ

グロスとネットは広告代理店の基本知識です。

「この金額は、マージンが含まれた定価(グロス)なのか?マージンが含まれていない支払金額(ネット)なのか?」
を必ず確認する習慣を身につけましょう!

 


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