広告代理店に役割はあるか?

投稿者: | 2022年9月25日

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広告代理店の役割とは?

 

広告代理店の役割についてインターネット上では否定的な意見が多々あります。
代表的な疑問について検証してみましょう!

 

広告代理店の存在意義へのありがちな質問

 

良くある質問(YAHOO)

  • 広告代理店は世の中に必要ないんじゃないか?
  • 広告主は広告を申し込みたいなら直接媒体社に申し込めばいいじゃないか!
  • 何で広告代理店にマージン摂取されなきゃいけないんだ!
  • マスメディアと共にあと数年で無くなるでしょ!
  • 普通に広告代理店っていらないですよね。
  • 媒体社と直接取引するよりトラブル増えるだけでしょ。
  • 広告代理店をカットすれば、代理店のマージン分安くできるじゃないのか?
  • 酒飲んで接待するのが仕事でしょ。
  • 洋服に金掛けて外見気にしているだけで、頭空っぽだよね。
  • 士農工商代理店。

 

広告代理店に対する意見は【辛辣】です。

 

最近は電通の「ブラック問題」や「オリンピック問題」や「政府との癒着」が追い打ちとなり、
「広告代理店は汚い金儲けをする悪な存在」として、
その存在意義や役割について疑問を持たれる方が急増しています。

持続化給付金やオリンピック関連での、国や政治家と電通の不透明な取引き状況も
不透明なままです。

このような状況の不透明性が明確にならない限り、マイナスイメージを払しょくすることは難しいかもしれません。

また、広告代理店は自社でモノを製造するようなことはありません。
多くの広告代理店は自社でリスクを負いません。

このビジネスモデルが「人の褌で相撲を取る」という悪いイメージを作り上げているのかもしれません。

 

確かに、

  • 広告枠の仲介だけで原稿の運搬しかできないような広告代理店
  • 飲み会やゴルフの接待しか能力がない広告代理店
  • 広告料金しか知らない広告代理店
  • 提案能力が無く、値引きでしか商売ができない広告代理店

このような広告代理店はいずれは消滅することは間違いありません。

 

しかし、広告代理店が無くなると世の中には困ることが非常に多くあります。

ということで、
広告代理店には存在意義や役割があるのか?検証してみましょう。

 

  • もし明日から広告代理店が無くなったら

 

という視点で広告代理店の役割と存在意義を検証してみましょう!

 

広告代理店の役割を検証!

 

広告代理店の役割を考えるには、
「広告主」側と「テレビ局などの媒体社」側の双方の立場から、広告代理店の役割を考える必要があります。

 

広告主にとって

 

まずは、広告主側の立場から考えてみましょう。

広告主は、様々な広告媒体に自社の広告を出稿しています。
大手の広告主の場合、広告の出稿量は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、交通広告、インターネット広告、屋外広告など多岐にわたります。
年間で数億~数百億円の広告費を使っている企業も多数存在します。

 

この作業の多くは「宣伝部」という部署が担当します。
そして、宣伝部は多くの作業を広告代理店に依頼しています。

依頼する内容は多岐に渡り、

  • 自社の商品やサービスのターゲットにマッチした広告媒体の選定
  • 広告枠の申込み
  • ターゲットに訴求するのに適した芸能人の手配
  • 広告物の撮影の立会い
  • 掲載する広告物の制作
  • 広告媒体のスケジュール管理
  • 広告掲載後の報告書の作成
  • 自社商品のネーミングなど。

上記のように非常に多くの作業を依頼しています。

投下する広告費の割合に応じて作業量も増えていきます。
上記の作業のほとんどは、広告代理店が作業し、企業の宣伝部は「管理をしている側」というのが
普通です。

しかし、広告代理店が無くなると、今後はすべての作業を自社でしなければなりません。
現在宣伝部に配属されている人数は数名から多くて20名から30名程度でしょう。
10名に満たない大手企業もあります。

広告代理店に任せて管理をしている立場ですから、
現在は少人数でもどうにか業務は回せています。

しかし、今後はそうはいきません。
大企業であれば数十名の増員が必要になります。
最低でも30名から50名の増員が必要です。

人員を増加すると、人件費が必要となります。
会社負担の経費を含めた人件費が、1人あたり80万としても30名で月額2400万、年間で2億8千8百万円のコスト増になります。
新たな事務所のスペースも確保しなければいけません。

しかも全員が未経験者です。
広告のプロとしての教育に最低で数年は必要です。
広告代理店と同レベルまで達する管理者はリクルートするしかないでしょう。

しかも正社員の雇用となれば解雇は出来ません。
今まではキャンペーンが成功しなければ広告代理店をチェンジするだけでしたが、今後はそうはいきません。

社内の誰かが責任を取らなければなりません。
社内での人事異動も含めた調整まで増えてしまいます。

しかし、数年間教育した社員を移動させるのは容易ではありません。
キャンペーンの作業に追われている中、次回の新商品の発売におけるアイデアも同時進行で全て社内で検討しなければなりません。

また、広告媒体の新情報も社内にはありません。
新媒体の情報を集めるだけでも相当な作業量が必要になります。
今まで相談していた広告代理店のプロのアイデアも聞けなくなります。確実に広告に関する作業はストップします。

マーケティングに関する社内の業務が全てストップすることになるのです。

 

 

 

 

広告の媒体社にとって

 

一方で、広告枠を販売している媒体社も大変です。
テレビ局であれば、テレビ番組の提供スポンサーからスポットCMのスポンサーまで自社で探さなければいけなくなります。

今までは広告代理店を担当する社員の雇用で社内は回っていましたが、
今後は数百以上の広告主に自社で直接営業を掛ける為の人員の補充が必要になります。
広告代理店に任せていた為に、広告主に関する情報もありません。

広告主同様に正社員の雇用による多額の固定費の増加は免れません。
当然雇用した社員の解雇は容易ではありません。
テレビ局間の横の繋がりの整理をする人がいなくなりますので、芸能人の出演バッティングなどのトラブル調整もできません。

雑誌社、新聞社、ラジオ局なども同様です。広告集稿の部分に関しては、機能しなくなることは確実です。

広告収入が中心の媒体社の機能が成り立たなくなるのです。

媒体社(メディア)は広告代理店に収入の多くを依存しているのです。

 

まとめ

 

『広告代理店は広告枠の仲介をしてマージン摂取しているだけ』
と、存在理由に疑問を持たれている方が多くいますが、
広告代理店は、広告主や広告枠を販売する媒体社にとっても非常に重要な役割を果たしています。

広告に関するノウハウを有する優秀な広告代理店は、マージン20%以上の存在意義があります。

少子化による人口減、生活者の高齢化により、モノが売れない時代は今後も続きます。
しかし、企業はモノを売り続けなければなりません。

「どうしたらモノが売れるのか?」
新商品の開発から費用対効果の高い広告展開まで企業が相談できる相手は、広告のプロである広告代理店しかありません。

広告代理店は企業が商売をする為に重要な役割を果しているのです。

残念ながら、電通が政治家などを組んで大きな利権を得ているのは間違いありません。

しかし、広告代理店は世の中の流通や個人消費などに対して、大きな役割を果たしているのも
事実です。

今後も能力のある広告代理店には大きな役割があり、存在し続けることは間違いありません。

 

 

広告代理店ビジネスの仕組みはこちら。