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プログラマティックDOOHとは?
インターネット広告がテレビ広告を抜いて1位となった2019年。
インターネット広告のオンラインマーケティング戦略は屋外広告にも活用されるようになり、
この分野にも大きなインパクトを与えようとしています。
プログラマティックDOOHが本格的にスタートしたのは2020年前後です。
2023年以降普及がピークを迎え、屋外のデジタルメディアの配信方法が大きく変わる可能性もあります。
2023年度以降の数年間は、デジタルメディアにとって大きな節目の年となることは間違いありません。
屋外広告の流れ
屋外広告は、看板等のアナログ屋外広告「OOH」と、
大型ビジョン等のデジタルサイネージ「DOOH」に分類されます。
そして、近年はLEDを中心とするサイネージ技術の進歩により、
多くの「OOH」が「DOOH」へと進化を続けています。
鉄道の拠点周辺に設置されている「柱巻き広告」や「電車内サイネージ」などがその代表例です。
この「DOOH」が、さらに進歩したのが『プログラマティックDOOH』です。
『プログラマティックDOOH』の仕組み
『プログラマティックOOH』とは、
一言で言うと「DOOH」をオンラインで接続する取り組みです。
通常の「DOOH」の運営は、管理者(オーナー)が運営しています。
広告の集稿から配信まで、オーナーが管理していることになります。
よって、広告主が、複数のメディアで広告放映を実施する場合、
運営している各社に対し、それぞれ申し込みをして広告素材を入稿しなければいけません。
また、時間別や曜日別などのフレキシブルな放映を希望してもメディアごとに対応が異なります。
そこで、複数の「DOOH」をオンラインで接続し、
インターネット広告のように、広告の取引きや配信を自動化しようとする
取り組みが『プログラマティックDOOH』です。
『プログラマティックDOOH』のメリット
『プログラマティックDOOH』の目的は大きく3点考えられます。
- 広告効果の可視化:
最も大きな目的は広告効果の可視化の可能性です。
屋外広告には「広告効果が分からない」という大きな課題がありました。
この課題を解決できる可能性を秘めているのが『プログラマティッDOOH』の仕組みです。
そして、この課題への取り組みを開始したのが【Liveboard】です。電通とNTTDOCOMOが組むことで、「DOOH」の視認範囲のターゲットの年齢・性別・職業・趣味・居住地などを可視化。
視認範囲内の歩行者数も測定することで、より効果的な広告配信を目指しています。 - 取引の自動化:
上記の様にターゲットのデータが把握できるようになると、広告取引の自動化の可能性も広がります。
オンラインで取引が出来るようになりますので、枠の空き状況や入札金額などもクライアント主導で作業できるようになります。
まだ、時間が掛かりそうですが、近い将来そのような取り組みもスタートするでしょう。
(インターネット広告の運用型が可能になる可能性がある) - フレキシブルな対応:
複数のDOOHをオンラインで接続。1か所からの配信が可能になりますので、
ターゲット別、エリア別、時間別などの配信が可能になります。 - 露出機会の創出:
インターネット広告は成長に伴い、優良な露出スペースが不足してきています。
個人のブログやアプリなどB級レベルのサイトでの露出も増えてきています。
この課題を解決できる可能性を持つのが「DOOH」との連動です。
YAHOO!などの優良サイトのインターネット広告と優良な「DOOH」との連動は相性が良いと言えます。
『プログラマティックDOOH』のデメリット
『プログラマティックDOOH』にもデメリットはあります。
ベースとして、歩行者の属性を配信ターゲットとすると、自動的に具体的な掲出場所を選べない。ということになります。
ターゲットに合わせて露出場所が確定する為に、渋谷や原宿などの地域を限定しての配信ができないという可能性が出てくるのです。
結果として、郊外のビルの上部や側面など視認性が悪いスペースでの露出が考えられます。
屋外広告はイメージも重要です。
屋外広告には、「インパクトメディア」という側面があります。
出来るだけインパクトのあるメディアに露出したいという心理です。
「渋谷のハチ公口で放映したい」「新宿のサイズの大きなサイネージで放映したい」などです。
このような場合、場所とサイズが優先されますので、インプレッションなどは大きな問題では無くなります。
インパクトを重視する場合、インプレッションを意識することによる、見た目が悪いDOOHでの露出は避けなければいけません。
場所を優先すると従来型の方法と変わりませんので、このあたりのバランスが非常に難しいと言えます。
『プログラマティックDOOH』の今後
『プログラマティックDOOH』が認められる為には、優良な掲出スペースのネットワーク構築がポイントです。
無暗にネットワークすればいいということではありません。
ネットワーク数も重要ですが、質の充実も重要です。
スマートフォンの多くは見た目が同じですが、屋外広告は露出場所でイメージが大きく異なります。
「こんなサイネージに露出されてしまうのか?」と思われてはクライアントのリピートはありません。
『インパクト』という屋外メディアのメリットを意識することが重要です。
配信技術の向上と同時に、優良な面の開拓に成功した企業が『プログラマティックDOOH』の勝者となるでしょう。