あなたはどちらの人材?広告業界で生き残る道を考える
「ハイブリッド人材」への進化が生き残りの鍵
第一弾・第二弾では、インハウス化(内製化)の波が広告業界に与える衝撃と、専業代理店がどう進化すべきかを解説しました。
では、広告業界で働く個人はどう行動すればよいのでしょうか?
結論から言えば、今こそ「ハイブリッド人材」への進化が必要不可欠です。
この第三弾では、インハウス化時代に求められる人材像と、今から身につけるべきスキル・行動を具体的に紹介します。
第1章:時代の変化に適応する「新・広告人材」の条件
まず押さえるべきは、インハウス化時代に求められる「広告人材の新しい条件」です。
キーワードは「ハイブリッド」です。
インターネット広告の普及で、これまでは「オタク人材」つまり、ネット広告の細かい設定や運用に強い専門家が重宝されてきました。
しかし、インハウス化の進展により、こうした専門スキルはAIやツールで代替可能になりつつあります。
これから必要なのは、次の2つのスキルを両立できるハイブリッド人材です。
- デジタルリテラシー(AI・データ活用力)
- 人間力(コミュニケーション力・戦略思考・課題発見力)
この両輪を備えた人材こそ、インハウス化時代の広告現場で不可欠な存在になります。
第2章:あなたはどちらの人材か?新時代に求められる役割と行動指針
まず考えるべきは、広告業界における2つの主要な人材タイプです。
1つ目は、若手の“オタク人材”。 AIやツールの知識に優れ、広告運用に特化してきた人材で、近年は業界の主役でした。ただし、対人コミュニケーションを避ける傾向が強く、「知識さえあればいい」と考えるタイプです。
2つ目は、アナログ営業時代に活躍してきたベテラン人材。 オールドメディアを中心に営業経験を積み、高い営業力や対話力を持つ一方で、デジタルスキルには課題を抱える人材です。近年はリストラ対象になることも多く、「時代遅れ」と見られがちでした。


しかし、このようなアナログ人材こそ、再び注目される時代が来るかもしれません!
なぜなら、AIやツールだけでは補えない「人間的な信頼構築」「本音を引き出す会話力」が、ますます重要になっているからです。
今後は、これら異なるタイプの人材をうまく組み合わせた「ハイブリッド型チーム」が、広告業界の新たな勝ちパターンになる可能性があります。
オタク人材がAIツールを駆使し、アナログ人材がクライアントの本音を引き出す!役割分担を明確にしたチーム型アプローチが、広告ビジネスを大きく変える時代が来るかもしれないのです。
では、どちらの人材であっても身につけるべき具体的な行動指針は何か?以下の5つは、今すぐ意識すべき行動です。
① AI広告ツールの本質理解
AIツールの操作方法を覚えるだけでは不十分です。大切なのは、「AIがどこまで自動でできるのか」、そして「どこからは人間が考えるべきなのか」をはっきりと理解することです。つまり、AIに任せる部分と、自分がしっかり考えるべき部分を見極める力が重要なのです。
② データリテラシーの習得
最低限、広告配信データやマーケティング指標を読み解く力を養いましょう。Google Analytics、Looker Studioなど基本的なツールの知識は必須です。
③ 戦略立案スキルの強化
広告配信の「目的」や「意図」を設計できる力を身につけること。クライアントの事業課題を把握し、最適な広告戦略を描く力が求められます。
④ コミュニケーション力の磨き直し
単なる報告・連絡・相談ではなく、クライアントと深く対話し、本音を引き出し、共に課題を解決するコミュニケーション力を鍛えましょう。
⑤ 組織内での巻き込み力
自社内のエンジニアやデザイナー、マーケターと連携し、チームで成果を生み出せる力。特に“橋渡し役”としての役割を果たせる人材は重宝されます。
結論:あなたの“役割”を活かせる時代が、もう始まっている
インハウス化の波は、誰にとっても避けられない現実です。
しかし、すべての人が「ハイブリッド人材」にならなくてはいけないわけではありません。
重要なのは、自分の強みを活かし、行動することです。
オタク人材としてAIやデジタル領域の専門性を極めるのか。 アナログ人材としてクライアントとの対話力を発揮するのか。
どちらの人材にも価値があります。そして、これからは「役割を活かし、チームで成果を出せる人材」が、広告業界で求められます。
インハウス化時代の勝者は、自分の立ち位置を理解し、行動する人となります。
あなたもどの役割を選ぶのか?今はその大事な分岐点かもしれません。
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