大手広告代理店ランキング2026|年収・カルチャー・将来性で比較

就職・転職・副業

「広告代理店に入りたいけれど、どの会社を選べばよいのか分からない」

「電通と博報堂、サイバーエージェントでは、結局どこが一番よいのか」

広告業界への就職や転職を考え始めると、多くの人が一度はこの疑問にぶつかります。

会社の規模や知名度だけを見れば、電通や博報堂が有力な選択肢です。

デジタル広告やAI、若いうちからの事業経験を重視するなら、サイバーエージェントやデジタル専業会社の方が合うかもしれません。

アニメやコンテンツに関わりたい人、交通広告や街づくりに関わりたい人、PRを専門にしたい人では、選ぶべき会社がさらに変わります。

広告代理店ランキングの1位が、あなたにとっての1位とは限りません。
大切なのは、会社の順位よりも、そこで得られる経験と、自分が目指すキャリアが一致しているかです。

本記事では、2026年時点の決算、事業戦略、組織再編、採用情報を踏まえ、大手広告代理店を「年収」「カルチャー」「将来性」「入社後に得られる経験」の視点から比較します。

大手広告代理店ランキング2026の評価基準

最初に、本記事のランキング基準を明確にしておきます。

広告会社は、売上高の計上方法、決算期、企業グループの範囲が異なります。サイバーエージェントのように広告以外のメディア・ゲーム事業を持つ会社もあるため、売上高だけを並べても、正確な実力比較にはなりません。

そこで本記事では、就職・転職先としての価値を、次の4項目から総合的に判断しています。

  • 案件と経験の幅:どのような顧客、媒体、プロジェクトに関われるか
  • 報酬水準:公開年収、待遇、キャリア上昇の可能性
  • カルチャー:仕事の進め方や評価される人材の違い
  • 将来性:AI、デジタル、コンサルティング、IPなど成長領域への対応

本ランキングは、企業の公式な序列や単純な売上高順位ではありません。就職・転職を検討する人が、自分に合う会社を探すための編集上の総合評価です。

大手広告代理店・マーケティング会社ランキングTOP10

順位 会社 主な強み 向いている人
1位 電通 大型案件、総合力、グローバル、事業変革支援 社会的影響の大きい仕事を動かしたい人
2位 博報堂 生活者発想、ブランド戦略、クリエイティブ 企画力や個人の専門性を磨きたい人
3位 サイバーエージェント デジタル広告、AI、メディア、事業開発 若いうちから事業と数字を動かしたい人
4位 ADK 統合マーケティング、アニメ、IP、コンテンツ ブランドとファンをつなぐ仕事がしたい人
5位 電通デジタル DX、データ、CRM、広告運用、システム実装 デジタル領域の専門性を高めたい人
6位 セプテーニ 運用型広告、AIクリエイティブ、データ活用 デジタル広告の実務力を早く身につけたい人
7位 ジェイアール東日本企画 交通広告、OOH、鉄道データ、メディア開発 街や移動空間をメディアにしたい人
8位 東急エージェンシー 渋谷、交通、商業施設、街づくり、OOH 広告と都市開発を横断したい人
9位 ベクトル PR、戦略広報、ニュース化、SNS、ブランド発信 広告よりも世論や話題を動かしたい人
10位 大広 顧客価値、ブランドアクティベーション、関西基盤 顧客接点や販売現場まで深く関わりたい人

この順位には、電通グループや博報堂DYグループの企業が複数含まれています。これは企業グループの市場シェアを示すランキングではなく、実際の就職・転職先を比較するためです。

例えば、電通と電通デジタルでは、同じグループでも担当業務や身につく専門性が異なります。博報堂と大広も、企業文化や得意領域は同じではありません。

売上高だけでは広告代理店を正しく比較できない

広告代理店ランキングでよく使われるのが売上高です。しかし、現在の広告会社を売上高だけで並べる方法には、大きな問題があります。

総額と純額で数字が大きく変わる

広告会社は、広告主から受け取った媒体費を含めて売上高として計上する場合と、媒体社に支払う費用を除いた収益や売上総利益を中心に開示する場合があります。

同じ規模の広告を扱っていても、会計上の表示方法によって数字が何倍も違って見えることがあります。

グループと事業会社を混ぜると二重計上になる

電通グループの中には、電通、電通デジタル、セプテーニなどが含まれます。博報堂DYグループには、博報堂、大広、読売広告社、Hakuhodo DY ONE、オプトなどが含まれます。

持株会社とグループ会社を同じ売上高ランキングに並べると、同じ事業を二重に数えることになりかねません。

サイバーエージェントは広告専業会社ではない

サイバーエージェントの売上高には、インターネット広告だけでなく、ABEMAを中心とするメディア&IP事業やゲーム事業も含まれています。

売上高では大手広告会社に匹敵しても、電通や博報堂とは事業構造が異なります。

売上高ランキングは会社の規模を知る入口にはなります。しかし、就職先を選ぶときは、売上高よりも「どの事業部で、どの仕事を経験できるか」を確認する方が重要です。

広告代理店の平均年収を比較するときの注意点

年収は、会社選びで無視できない条件です。

ただし、有価証券報告書に掲載される平均年間給与を、そのまま新卒社員や広告営業の年収だと考えてはいけません。

公開企業 平均年間給与 対象従業員数 注意点
電通グループ 約1,596万円 135人 持株会社の平均であり、電通社員全体の平均ではない
博報堂DYホールディングス 約1,168万円 144人 持株会社の平均であり、博報堂社員全体の平均ではない
サイバーエージェント 約914万円 2,588人 広告以外の事業部門も含む提出会社の平均

電通グループと博報堂DYホールディングスの公開値は、少人数の持株会社社員を対象としています。経営・管理系の役職者やグループ会社からの出向者が多く、若手社員の給与水準とは大きく異なる可能性があります。

また、ADK、電通デジタル、ジェイアール東日本企画、東急エージェンシーなどは、事業会社として比較可能な平均年収を公開していません。

実際の年収は、会社名だけでなく、職種、年齢、等級、賞与、残業時間、前職の給与によって変わります。

転職時は「会社の平均年収」だけでなく、応募する職種の想定年収、固定残業代、賞与の算定方法、昇格条件まで確認する必要があります。

1位 電通|大型案件と総合力を経験したい人

電通の最大の魅力は、今も案件の規模と関係者の広さです。

ナショナルクライアントの広告だけでなく、スポーツ、エンターテインメント、イベント、デジタル、データ、コンサルティング、社会課題に関わるプロジェクトまで、扱う領域は広告代理店の枠を超えています。

一人で完結する仕事よりも、多くの社内外の専門家を束ね、大きなプロジェクトを動かす仕事が中心になります。

2026年は「国内の強さ」と「海外再建」が同時に進む

電通グループは2025年度、海外事業に関する大規模なのれんの減損損失を計上し、最終赤字となりました。2026年にはグローバルCEOが交代し、海外事業の収益性回復と経営基盤の再構築を進めています。

一方、2026年1~3月の国内事業はオーガニック成長率4.7%を確保しています。電通の国内営業力や顧客基盤まで崩れているわけではありません。

就職先として見る場合は、「経営が不安だから避ける」「最大手だから安心」といった二択ではなく、強い国内事業と、変革途上のグローバル事業を併せ持つ会社として見る必要があります。

電通が向いている人

大きな予算や社会的影響のある仕事に関わりたい人。自分一人の専門性だけでなく、周囲を巻き込み、複雑なプロジェクトを前に進めることにやりがいを感じる人です。

2位 博報堂|企画力と専門性を磨きたい人

博報堂は、「生活者発想」と「パートナー主義」を基盤に、ブランド戦略やクリエイティブ領域で強い存在感を持つ会社です。

商品を買う消費者としてだけでなく、多面的な生活を送る一人の人間として相手を捉える考え方は、現在のデータマーケティングや顧客体験設計にもつながっています。

博報堂DYメディアパートナーズとの統合で機能が広がった

博報堂は2025年4月、メディア領域を担ってきた博報堂DYメディアパートナーズと統合しました。

これにより、顧客対応、クリエイティブ、メディア、コンテンツを一体で扱う体制が強化されています。テレビやデジタルメディアを含むフルファネルの仕事を、一つの会社で経験できる可能性が広がりました。

2026年に刷新された新卒採用サイトでは、「汗かいて、心を動かす。」というメッセージを掲げています。AIで簡単に答えを出せる時代だからこそ、人が細部まで考え抜くクリエイティビティを重視する姿勢が表れています。

博報堂が向いている人

人の行動や感情を深く考えることが好きな人。短期的な数字だけでなく、ブランドの価値や企画の質にこだわり、自分なりの専門性を持ちたい人です。

3位 サイバーエージェント|デジタルと事業づくりを学びたい人

サイバーエージェントは、従来型の広告代理店とは異なる会社です。

インターネット広告を中核に持ちながら、ABEMA、ゲーム、IPコンテンツ、AI、DXなど、自社事業を幅広く展開しています。

広告主の事業を支援するだけでなく、自らサービスを立ち上げ、利用者を増やし、収益化する事業会社としての経験を得られる点が大きな特徴です。

2026年はAIを広告実務に組み込む段階へ

サイバーエージェントは、生成AIを使った広告クリエイティブ、検索広告、広告運用の自動化を積極的に進めています。

2026年には、入札や配信設定を継続的に最適化するAIエージェントや、生成AI検索、GEO、LLMOまで支援する専門組織を立ち上げました。

AIについて学ぶだけではなく、AIを広告主の成果につなげる実務を経験したい人にとって、有力な環境です。

サイバーエージェントが向いている人

早い段階から責任ある仕事を担当したい人。完成された仕組みの中で働くより、変化の速い環境で、数字を見ながら事業やサービスを育てたい人です。

4位 ADK|アニメ・IPとマーケティングを結びたい人

ADKは、総合広告会社としての機能と、アニメ・コンテンツビジネスの強みを併せ持つ会社です。

広告を出して認知を広げるだけでなく、コンテンツを通じてファンを育て、長期的なブランド価値につなげる仕事に強みがあります。

2025年には、海外マーケティング会社Stagwellとのグローバル協業を進め、IP企業KRAFTONとの資本関係も発表しました。海外展開を、自前の拠点だけではなく外部パートナーとの連携によって広げる方向へ転換しています。

ADKが向いている人

アニメ、ゲーム、キャラクター、エンターテインメントに関心があり、コンテンツを作るだけでなく、企業のマーケティングに活用したい人です。

5位以下は「専門性」で選ぶ

大手3社やADKに入ることだけが、広告業界で成功する道ではありません。

やりたい領域が明確な人にとっては、専門会社やハウスエージェンシー系の広告会社の方が、早く実務経験を積める場合があります。

電通デジタル|DXとマーケティング実装

電通デジタルは、広告運用だけでなく、データ、CRM、顧客体験、システム開発、コンサルティングまで扱います。

広告表現を考える仕事よりも、顧客データやデジタル基盤を使い、企業のマーケティングの仕組みそのものを変えたい人に向いています。

セプテーニ|運用型広告とAIクリエイティブ

セプテーニは電通グループの一員として、デジタル広告、データ活用、ダイレクトマーケティングを展開しています。

2025年12月期は、収益303億円、営業利益42億円となり、広告事業の収益性を改善しました。2026年には電通ダイレクトと共同で、生成AIと広告クリエイティブを組み合わせる新会社も設立しています。

デジタル広告の運用、改善、効果測定を実務で繰り返し、数字に強いマーケターになりたい人に向いています。

ジェイアール東日本企画|交通広告を事業へ進化させる

ジェイアール東日本企画は、JR東日本の交通広告を扱う広告会社として知られています。2025年度の売上高は1,192億円、2026年4月時点の社員数は1,229人です。

現在は、駅や車両の広告枠を販売するだけではありません。TRAIN TV、デジタルOOHの配信プラットフォーム、鉄道データ、応援広告、駅を起点とした新規サービスなどに事業を広げています。

交通広告、デジタルサイネージ、街の人流データに関心がある人には、他社では得にくい経験があります。

東急エージェンシー|広告と街づくりを横断する

東急エージェンシーは、2025年度の売上高が約928億円、2026年3月末時点の従業員数が1,131人です。

東急グループが持つ鉄道、不動産、商業施設、ホテル、生活サービスとの接点を生かし、渋谷をはじめとする街づくりやOOH、商業施設のマーケティングに関われます。

広告キャンペーンだけでなく、空間や施設そのものを使って体験を作りたい人に向いています。

ベクトル|広告よりもニュースを作る

ベクトルは総合広告代理店というより、PR・戦略広報を中核とする会社です。

企業がお金を支払って広告枠を購入するだけでなく、商品や企業の情報をニュースとして社会に広げ、SNSやメディアで話題を作る仕事を得意としています。

広告のクリエイティブよりも、社会にどのような情報を流し、どのような印象を形成するかに関心がある人に向いています。

大広|顧客接点と販売現場に強い

大広は博報堂DYグループの総合広告会社です。大阪を発祥とし、顧客価値を起点にブランドを動かす「ブランドアクティベーション」を重視しています。

認知を広げる広告だけでなく、店頭、販促、ダイレクトマーケティング、顧客との継続的な関係づくりまで深く関わりたい人に向いています。

カルチャーの違いを比較

同じ広告業界でも、評価されやすい人材や仕事の進め方は会社によって異なります。

会社・タイプ 仕事の特徴 評価されやすい力
電通 大規模なチームで複雑な案件を動かす 推進力、調整力、構想力
博報堂 生活者理解から企画やブランドを考える 洞察力、企画力、専門性
サイバーエージェント 短い周期で実行と改善を繰り返す スピード、数値感覚、当事者意識
ADK ブランドとコンテンツ、ファンを結ぶ 企画力、IP理解、統合力
デジタル専業 データを基に改善と実装を重ねる 分析力、技術理解、再現性
鉄道・交通系 街や移動空間、施設を活用する メディア理解、事業開発、現場対応
PR会社 社会に広がる情報や話題を設計する 情報感度、文章力、ニュース判断

ただし、会社全体のカルチャーだけで判断するのは危険です。

同じ会社でも、営業、クリエイティブ、メディア、デジタル、コーポレート部門では、仕事内容も評価方法も異なります。上司や顧客による差もあります。

企業イメージは入口として使い、最終的には希望する職種や配属先の実態を確認する必要があります。

将来性は「会社」より「成長領域」で見る

広告代理店の将来性を考えるとき、「広告業界は伸びるか、衰退するか」という大きな話だけを見ても、自分のキャリアは決まりません。

2026年以降、特に重要になるのは次の領域です。

  • 生成AIを使った広告制作、分析、運用の自動化
  • 企業のデータ基盤、CRM、顧客体験の設計
  • コンサルティングや事業開発
  • リテールメディア、コマース、購買データ
  • DOOH、交通広告、位置情報、人流データ
  • アニメ、ゲーム、スポーツなどのIPビジネス
  • PR、企業広報、レピュテーション管理

会社が成長領域を持っていても、自分がその部署に配属されるとは限りません。

入社前には、「会社に将来性があるか」だけでなく、「自分が希望する成長領域へ移動できる制度や実績があるか」を確認することが重要です。

あなたに向いている広告代理店はどこか

大規模案件や社会を動かす仕事をしたい

電通が有力です。大人数のプロジェクトで、多様な専門家を動かす経験が得られます。

企画やブランド、クリエイティブを深めたい

博報堂が有力です。生活者理解から考え抜く仕事に適性がある人に向いています。

AI、デジタル、事業開発に早く関わりたい

サイバーエージェント、電通デジタル、セプテーニが候補になります。

アニメやコンテンツをマーケティングに生かしたい

ADKが有力です。IPと企業のブランド課題を結びつける仕事を経験できます。

交通広告、OOH、街づくりに関わりたい

ジェイアール東日本企画や東急エージェンシーが有力です。

PRや情報発信を専門にしたい

ベクトルなどのPR会社が候補になります。広告枠ではなく、ニュースや社会的な話題を作る仕事です。

会社を選ぶ前に確認したい3つの質問

1.入社後3年間で何ができるようになるか

会社の知名度ではなく、最初の3年間で担当する仕事を確認します。

資料作成や調整だけで終わるのか、顧客への提案、広告運用、企画、制作、効果検証まで経験できるのかによって、その後の市場価値は大きく変わります。

2.会社名が外れても残るスキルは何か

大手広告代理店の看板は、顧客との面会や大型案件への参加に大きな力を持ちます。

しかし、転職や独立を考えたときに問われるのは、自分自身が何を設計し、実行し、改善できるかです。

会社名がなくても説明できる実績や専門性を得られるかという視点を持っておきましょう。

3.自分は何をしているときに充実するか

広告業界には、正解の違う仕事が数多くあります。

  • 人と交渉し、案件を前に進める
  • 生活者を調査し、戦略を考える
  • コピーや映像などの表現を作る
  • データを分析し、広告効果を改善する
  • 新しいサービスやメディアを立ち上げる
  • 社会に広がるニュースや話題を作る

どの仕事に充実感を持てるかによって、選ぶべき会社と職種は変わります。

まとめ|ランキング1位に入ることが正解ではない

広告代理店の規模、年収、知名度を総合すれば、2026年も電通と博報堂が業界の中心です。

一方、デジタル広告、AI、事業開発ではサイバーエージェント、電通デジタル、セプテーニが有力です。アニメやIPではADK、交通広告や街づくりではジェイアール東日本企画や東急エージェンシーという選択肢があります。

大手企業に入っただけで、市場価値が自動的に高まるわけではありません。

反対に、総合ランキングでは下位でも、自分のやりたい領域と会社の強みが一致していれば、早く専門性を身につけられる可能性があります。

ランキングは、会社を知るための入口です。
最後に選ぶべきなのは、最も順位の高い会社ではなく、数年後に自分がなりたい姿へ近づける会社です。