デジタル広告が主流となり、クリック単価や配信アルゴリズムばかりが議論される時代。
あなたの代理店は、ただ枠を売るだけの“旧来型”のままで、この先何年生き残れるでしょうか?
しかし、まだアナログ広告代理店には武器があります。
それが、人々の生活に溶け込み、記憶に残り続ける広告の力です。
富山の製薬会社が販売する頭痛薬「ケロリン」。
銭湯で使われる“黄色い桶”に広告を仕込んだだけで、ブランドは半世紀以上も語り継がれるロングセラーとなりました。広告が広告で終わらず、生活の道具となり、さらに商品化までされた稀有な成功例です。

誰もが知っている日本で一番有名な広告かもしれません!
アナログ広告代理店が再び存在価値を示すに、この事例は大きなヒントになります。ケロリン桶は多くのヒントを教えてくれます。
ケロリン桶はなぜ成功したのか?生活に寄り添う広告の本質
最初にケロリン桶が成功したポイントを整理してみましょう!
1. 広告が“生活の道具”に進化した
銭湯で毎日目にする・触れる桶にブランドロゴを刻むことで、自然に刷り込まれる接触頻度を確保しました。テレビCMやデジタル広告が一瞬で消えるのとは対照的に、桶は壊れるまで残り続けます。
2. ブランドアイコンの確立
黄色い桶という視覚的インパクトがブランドの象徴に。商品から離れた場面でも認知が継続し、桶そのものがグッズ化、カップやキーホルダーなど派生商品まで展開。
3. 設置先ともWin-Winの仕組み
銭湯は桶代を節約でき、広告主は低コストで長期露出を獲得し、利用者は便利に使える。設置先・広告主・生活者が利益を得る共生モデルです。
アナログ広告がデジタル時代に刺さる理由!
デジタル広告の絶頂期の中、アナログ広告が少しずつ注目度を上げてきています。理由は下記の4点に集約されます。
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デジタル広告の過飽和に飽きた生活者へのカウンター
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スマホ画面の広告はスルーされる習慣がついている
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逆にリアル空間の広告は希少で新鮮
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物理的接触=圧倒的な記憶残存率
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桶のように手に触れるものは心理的距離が近い
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広告がモノとして残るから長寿命
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一度設置すれば数年単位でブランド接触が続く
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リアル広告がSNSで話題化する二次効果
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“銭湯に広告付き桶”という意外性が拡散される
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アナログ広告代理店は視点を変える時!
デジタルに押され案件が減少する中、アナログ広告代理店は、単なる枠売りから“生活の一部になる広告体験を企画する会社”へ進化するのも新規事業として可能性があります。
あなたの代理店が今すぐ始めるべき新戦略
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生活密着型広告のプロデュース業へシフト
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例)シェアサイクルのサドル裏、配達バッグ、自治体ベンチ広告
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設置先・広告主・生活者がWin-Winになるモデルを発掘(まさにケロリン桶)
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広告そのものをグッズ化する仕組みをつくる
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ブランドカラーを活かした日用品・雑貨提案
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ノベルティから“売れるグッズ”への進化
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アナログ×デジタルのハイブリッド戦略
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物理広告にQRコードでデジタル連動
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桶にスマホをかざすとPR動画が流れる仕掛け
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サステナブル文脈に乗せる
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“生活の役に立つ広告=無駄を出さない広告”としてCSRに寄与
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営業トークに使える切り口例
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「広告費をかけずに話題化できる“逆張り戦略”があります」
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「デジタル広告が飽和している今、リアルに残る広告がブランド資産になります」
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「設置先のコストを削減しながら、広告主・生活者の三方良しを実現できます」
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「広告が消費者に触れられる“モノ”になると、ブランドの記憶は長寿命化します」
さらに踏み込んだ新規事業プラン例
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地域共生型広告ネットワーク
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商店街のシャッター、地域バス停、公共ベンチなどをまとめてパッケージ化
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地域活性と広告を両立する新モデル
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“広告が日用品になる”プラットフォーム事業
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企業と連携し、生活者が買いたくなるデザイン広告商品を共同開発
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例:企業カラーを活かしたコップ、傘、マグネット
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リアル広告×SNS連動型イベント
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実際の物理広告をフォトスポット化してSNS拡散を狙う
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例:インスタ映えする広告ベンチや体験型OOH
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身の回りを見渡すと、様々な展開が考えられます。
提案書・プレゼン構成例
では、上記案に準じて、提案書の案を考えてみましょう!企画書の流れは下記の様にすると分かりやすいでしょう。まずは全体像を理解する為に多めの枚数でまとめて、最終的には枚数を少なくしていくのも手段としてオススメです。
✅ 企画書タイトル
✅ 概要・背景(なぜ必要なのか)
✅ 目的・狙い
✅ 具体施策(ケロリン桶の事例→他業種応用例)
✅ 期待効果・数値イメージ
✅ 進め方・導入ステップ
✅ 導入後の展開イメージ
企画書テンプレ例(このテーマに沿った実例形式)
企画書タイトル
デジタル時代に生き残る“生活インフラ型広告”企画案
~ケロリン桶に学ぶ、アナログ広告の新戦略~
1. 企画背景・課題認識
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デジタル広告の過剰露出により、生活者の広告疲れ・無関心が進行
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地域施設やインフラも維持コストが増大し、広告協力による収益源が求められている
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従来の広告枠売りでは価値を提供できない時代に突入
2. 企画の目的
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広告が“生活に溶け込み、価値を補完する”新モデルを創出する
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設置先(例:銭湯・地域施設)と広告主の双方がWin-Winになる仕組みをつくる
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デジタルに頼らず、リアル空間で長く残る広告資産を提供
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さらにSNS拡散やグッズ化による副次効果も狙う
3. 企画概要
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日常的に必ず目にする生活道具(桶・ベンチ・配達バッグなど)を広告媒体化
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その広告媒体が生活者の役に立つ道具・デザイン性の高いアイテムとして受け入れられる設計
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QRコードやSNSキャンペーンと連動し、デジタルともハイブリッド展開も可
4. 参考事例:ケロリン桶の成功
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銭湯で使用する桶にブランドロゴを入れた結果、
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銭湯側→桶代が不要になるメリット
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広告主→長期露出&ブランドアイコン化
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生活者→違和感なくブランド接触
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さらに黄色の桶がグッズ化・商品化され、広告が収益源に発展
5. 応用できる他業種例
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シェアサイクルのサドル裏広告
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公共施設ベンチのブランドデザイン化
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飲食店のトレーやコップを企業コラボデザインに
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ショッピングモールのキッズスペース遊具にスポンサー枠
様々な展開に対応できることをアピール!
6. KPI・数値イメージ
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桶1,000個設置 → 年間来場者数×平均視認回数=広告接触インプレッション
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SNS拡散効果 → 話題化によるメディア露出期待
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グッズ販売収益 → 追加収入モデル
7. 実施ステップ
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ターゲット・設置先リサーチ
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広告主とのタイアップ交渉
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デザイン・媒体制作
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初期テスト導入(例:1施設・100個から)
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効果測定(接触数・SNS投稿数)
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展開拡大(他地域・他業種へ横展開)
8. 実施後の展開イメージ
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成功モデルをテンプレ化し、地域×ブランドコラボ広告のパッケージ化
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設置先や企業と連携した“広告×生活道具”のブランドシリーズ化”
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将来的には、広告グッズのオンライン販売・EC展開も可能
9. 費用感・収益モデル(例)
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導入コスト例:桶1個 2,000円×1,000個=200万円
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回収モデル(設置先):設置先は広告主から年間掲載料
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回収モデル(広告主):グッズ販売によるロイヤリティ収入(設置先との%設定も)
広告代理店は、設置に関わる費用、企画管理料、運用フィーなどで収益を確保します。
まとめ
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デジタル全盛時代において、リアル空間に残る広告は逆に価値を増している
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設置先・広告主・生活者の三方良しを実現することで、長期的にブランド価値を育てられる
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アナログ広告代理店こそ、この新モデルを推進する先駆者になれる
結論:アナログ広告は終わっていない。終わっているのは“枠売りビジネス”です
デジタル全盛だからこそ、リアルな生活空間に溶け込む広告は逆に差別化になる可能性があります。ケロリン桶のような成功事例は、あなたの広告代理店が再生するための突破口です。
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広告の役割は“目立つこと”から“生活の価値を補完すること”へ
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設置先・広告主・生活者がWin-Winになるモデルが鍵
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デジタルとアナログの境界をなくし、両者を補完する体験をつくる
アナログ広告代理店は、今こそ“広告枠の販売業”から“生活インフラ化する広告企画会社”への進化を考えるのも新規事業としてオススメです!

