コロナ禍が明けてから2年以上が経ち、2025年の広告業界は急速に“構造変化のフェーズ”に入りました。
特に中小の広告代理店・制作会社では、コロナ支援終了後の“反動”が本格化し、倒産件数は右肩上がりに増加しています。本記事では、2023年以降の倒産動向を整理し、2025年以降の生き残り戦略をわかりやすくまとめます。
2023年:コロナ支援終了とともに倒産急増
2023年は、広告業界にとって大きな転換点となりました。
政府のコロナ支援(給付金・特別融資・据置期間)が段階的に終了し、「資金繰りの現実」が一気に企業へ押し寄せた年です。
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2023年の広告業界の倒産件数:82件
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前年比+46.4%
中小代理店・制作会社を中心に、返済負担と売上の伸び悩みが重なり、持ちこたえられない企業が急増しました。

2024年:淘汰の流れが加速した1年
2024年に入ると、倒産の流れはさらに加速します。
東京商工リサーチの推計では、
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月平均10件前後の倒産
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年間100件超えの水準に到達
コロナ前と比較しても、業界全体で「1.5倍の倒産件数」という深刻な状況です。

2020〜2022年:倒産は低水準 → コロナ禍であっても、政府支援により持ちこたえる企業が多かった時期。
2023年:倒産件数が急増(82件) → 支援終了、融資返済開始、広告費抑制が重なった“反動の年”。
2024年:100件を超える水準に → 構造的な淘汰が進み、再編の兆しが見える。
※出典:東京商工リサーチ・業界推計データ(2024年は推定値)
「広告業界の倒産件数は2023年から急増し、2024年にはコロナ前の1.5倍を超える水準に達している」
コロナ後の倒産の主な要因(4つ)
① コロナ融資の返済本格化(最も重い要因)
返済は利益からしか払えません。
売上が戻っても、利益が薄ければキャッシュは増えず、返済が重くのしかかります。
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据え置き期間終了が全国的に2023〜24年で集中
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元本返済が始まり、一斉に資金繰り悪化
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数千万円〜億単位の融資が残ったままの制作会社も多数
広告業界は“人件費比率が高いビジネス”のため、返済余力が低い企業ほど苦しくなりました。
② 広告費削減(成果主義への転換)
多くのクライアントが「効果の見えない広告」を減らし、運用型広告や短期施策に予算を移しました。
制作会社や中小代理店は、この波に直撃されています。
③ AI・自動化による制作単価の下落
AIツールの普及によって、バナー・LP・動画などが短時間で大量に作れるようになり、「制作そのものの価値」 がこれまでより下がり始めています。
とくに打撃を受けているのは、これまで
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制作物を納品して売上をつくる会社(納品型)
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“人の作業時間”を売る会社(時間売り型)
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大手の下請けとして仕事を受けてきた会社
といった、人が動いた時間=売上 というモデルに依存していた企業です。
AIが作業の一部を代替できるようになると、
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作業時間が短くなる
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人をフルで張り付かせる理由がなくなる
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クライアントから「これAIでできるのでは?」と言われる
という状況になり、時間ベースの料金体系が成り立ちにくくなっています。
その結果、
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制作単価が下がる
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継続案件が減る
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下請け企業から順番に利益が圧迫される
といった問題が表面化し、特に中小の制作会社・代理店を中心に厳しさを増しています。
④ 直発注化の進行(代理店の中抜き)
大手クライアントほど、
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デジタル広告のインハウス化
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広告プラットフォームへの直発注
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制作会社への直接依頼
が加速し、“中間マージン”モデルが崩れ始めています。
2025年:淘汰と再編は「次のフェーズへ」
2025年の広告業界は、これまでの延長線ではなく、“ビジネスモデルそのものの再定義”が求められる時代に入りました。
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ただデジタル対応する
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ただ提案書を作る
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ただ広告枠を買い付ける
といった従来型の仕事は、いよいよ限界が明確になりつつあります。
■ 生き残る広告会社の条件(2026年以降)
① 中抜きされない「直接取引」の構築
プラットフォーム・制作会社・クライアントとの関係が変わる中、自社の価値を“直接選ばれる理由”として提示できる会社が残ります。
② コンサル型サービスへの転換
単なる媒体選定や制作ではなく、
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売上改善
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商品設計
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フロー改善
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データ分析
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顧客設計
まで踏み込む“伴走型の価値提供”が必須になります。
③ データ・AI活用の本格化
AIが制作・分析・運用領域に浸透した今、これを“脅威”ではなく“武器”にできる会社が伸びていきます。
④ 特化・専門性の獲得
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業界特化
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地域特化
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媒体特化
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課題特化
「何の会社なのか?」が5秒で伝わる企業ほど強い。
結論:コロナ後ではなく、“次の時代”を見据える!
コロナで生き残った企業も、2025年以降は再びふるいにかけられます。
広告業界は、
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AIの進化
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直発注の増加
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制作単価の下落
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クライアント構造の変化
といった要素が複合する、もっとも変化の速い業界です。
2025年以降に生き残るのは、AIに置き換えられる側ではなく、AIを使いこなす側の企業。
この変化を“脅威”ではなく“武器”として扱えるかが、広告業界の次の明暗を分けていくでしょう。

