広告営業をしていると、必ず直面するのがこの場面です。
「ありがとうございます。ちょっと検討してみます。」
この一言で商談が終わり、そのまま連絡が途切れた、という経験は誰にでもあるはずです。
「検討します」は、断りではありません。
断るなら「予算がないので」「今は必要ないので」と理由をつけて断ります。「検討します」という言葉が出るのは、少なくとも完全に興味がないわけではないからです。
ただし、「断りではない」からといって、そのまま放置していい言葉でもありません。
対処を間違えると、前向きだった案件が自然消滅します。
大切なのは、「検討します」の裏にどんな本音が隠れているかを見極めることです。
本記事では、
- 「検討します」の裏にある本音を分類する方法
- その場で次のアクションを確定させる会話術
- 状況別のクロージングフレーズ集
を、広告営業の現場目線で解説します。
「検討します」には3つの意味がある
「検討します」をひとくくりにして対応しているうちは、クロージングは安定しません。
実際の「検討します」には、大きく3パターンあります。
パターンA|前向き保留
本当に検討したいが、社内の確認や予算の都合で即決できない状態。
温度感は高く、フォロー次第で受注に繋がります。
見極めサイン:「検討します」の前に、具体的な質問がある、担当者が前のめりに話を聞いていた、「上に聞いてみます」という発言がある
パターンB|情報不足保留
提案の内容や条件について、判断材料が揃っていない状態。
追加情報や事例を提供することで、前に進む可能性があります。
見極めサイン:「他社ではどうですか?」「費用対効果はどのくらい出ますか?」という質問が出る
パターンC|やんわり断り
現時点では興味・必要性を感じていないが、直接断りにくい状態。
無理に押すより、関係を維持しながら次の機会を待つのが正解です。
見極めサイン:反応が薄い、「一応持ち帰ります」という言い方、目線が合わない
この3パターンを見極めることが、クロージングの出発点です。
「検討します」と言われたときの即レス会話術
「検討します」と言われた瞬間に、どう返すかが勝負です。
ここで「ありがとうございます、ご連絡お待ちしております」と返してしまうと、ボールが完全に相手に渡ります。
基本の返し方|「確認質問」で温度感を測る
「ありがとうございます。参考までにお聞きしてもよいですか?ご検討にあたって、何か気になる点や確認が必要な情報はありますでしょうか?」
この一言で、「前向き保留」か「情報不足保留」かが大体わかります。
相手が何か答えてくれれば、そこが突破口です。
「特にないです」という反応であれば、パターンCの可能性が高いと判断します。
次のアクションを確定させるフレーズ
温度感が読めたら、次のアクションを自分から提案します。
| 状況 | 使えるフレーズ |
|---|---|
| 社内確認が必要そう | 「社内でご確認いただく際に使いやすい資料をお作りしましょうか?」 |
| 追加情報が必要そう | 「◯◯の事例データをまとめてお送りしてもよいですか?」 |
| 日程が決まっていない | 「◯週間後にもう一度ご状況をお聞きできますか?◯日か◯日のどちらかはいかがでしょう?」 |
| 予算の目処がつかない | 「規模感別にいくつかのプランをご用意することもできますが、いかがでしょうか?」 |
クロージングで「次のアクション」を確定する設計
クロージングの本質は、「必ず何かを決めて商談を終わらせること」です。
即決できない商談は普通です。
個人の買い物ではありませんので即決は100%近くありません。
問題は、「また連絡します」「ご検討ください」で終わることです。
クロージング時に確定させるべき3点
- 次のアクションの内容(資料送付 / 再訪問 / 追加ヒアリング)
- 期限(◯月◯日までに)
- 誰が動くか(自分 or クライアント)
この3点が決まれば、商談は「次に続く状態」で終わります。
クロージングで使える確認フレーズ
「本日はここまでにして、◯日までに◯◯をお送りします。その後、◯日前後にもう一度ご状況をお聞きできますか?」
「もしよろしければ、次回は◯◯部長にもご覧いただける場をいただけますでしょうか。◯◯さんのご説明の補足として、私からも直接お伝えできればと思いまして。」
後者は、決裁者を次回商談に引き込む誘い方として効果的です。あまりダイレクトに言うと担当者に失礼ですので状況によって判断が必要です。
「検討します」からの沈黙が続いたときの対処法
フォローをしても返信がない、という状況は必ず起きます。
このとき多くの営業が陥るのが、「また迷惑かな」と思って連絡をやめることです。
しかし、沈黙=断りではありません。
単純に「タイミングが合っていない」か「優先度が下がっている」だけのケースが大半です。
沈黙が続くときの再アプローチ法
「その後いかがでしょうか?」だけの連絡は、相手に「返事しないといけない」という負荷をかけます。
代わりに、「何か一つ価値を添えて連絡する」スタイルにします。
- 「先日のご提案に関連して、同業他社の事例をまとめた資料ができましたのでお送りします。」
- 「◯◯のトレンドが最近変わってきましたので、情報共有を兼ねてご連絡しました。」
- 「前回ご関心をいただいていた◯◯について、新しい事例が出ましたのでご共有します。」
「連絡 = 追い込む」ではなく「連絡 = 情報提供する」という姿勢が、関係性を守ります。
やってはいけないクロージングのNG行動
NG① 「いつまでに決めていただけますか?」と期限を迫る
プレッシャーをかけた瞬間、相手は防御に入ります。
期限は、提案側の都合(キャンペーン締め切りなど)として伝えるのが自然です。
NG② 商談中に何度もクロージングを試みる
「どうでしょう?」「いかがですか?」を繰り返すと、「急かされている」印象になります。
クロージングは1回。それで動かなければ、フォローの設計に切り替えます。
NG③ 「検討します=断り」と決めつけてフォローをやめる
前述のパターンAやBを、パターンCと誤判断して諦めるのは機会損失です。
「前向き保留」の案件をどれだけ拾えるかが、受注率の差になります。
よくある質問|クロージングQ&A
Q. 値引き交渉をされた場合はどうする?
A. すぐに応じるのではなく、「何と何を合わせてこの金額です」という価値の説明を先に行います。値引きの前に、価値の再確認が必要です。どうしても価格調整が必要な場合は、仕様の変更や掲載期間の調整など「同額で別の提案」を検討します。
Q. 担当者はOKだが、上司に確認が必要と言われた場合は?
A. これは「前向き保留」の典型です。担当者が社内で説明しやすい形を一緒に作ることが最優先です。決裁者攻略ガイドも参照してください。
Q. 複数社で比較検討されている場合は?
A. 「比較されること」は当然のことと受け止めた上で、「他社と何が違うか」を自分の言葉で整理しておくことが重要です。価格ではなく、担当者の対応力・提案の解像度・アフターフォローの差を言語化できると強いです。
まとめ|「検討します」は終わりではなく、フォローの始まり
「検討します」という言葉は、案件の終わりではありません。
その場で次のアクションを確定させ、フォローの設計をすることで、ほとんどの「検討します」は前に進められます。
- 「検討します」の3パターンを見極める
- 確認質問で温度感を測る
- 次のアクション・期限・担当をその場で決める
- 沈黙が続いたら「価値を添えて」連絡する
この設計を整えるだけで、クロージングの成功率は大きく変わります。
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