【2026年最新】世界の広告代理店ランキング|日本勢の存在感は?

広告費・市場データ

「世界一の広告会社はどこ?」と聞かれて、すぐに社名が出てくる人は意外と少ないと思います。

トヨタやソニーは言えても、広告会社となると一気にあやふやになる。

それくらい、ふだん表に出てこない世界です。

ところが2025年、その世界で地味だけれど歴史的な出来事が起きました。

長年「6強」と呼ばれてきた巨大広告グループが、ついに「5強」に減ったのです。

しかも、トップの顔ぶれまで入れ替わりました。

この記事では、世界の広告代理店ランキングの最新版(2026年度/2025年通期決算ベース)を、できるだけ専門用語を使わずに整理します。

世界で何が起きているのか、日本の電通・博報堂はどこにいるのか、そしてそれが私たち現場の代理店にどう関係してくるのか。順番に見ていきましょう。

そもそも「世界の広告会社」って何の会社?

最初に、ひとつだけ押さえておくと、この先がぐっと読みやすくなります。

ランキングに出てくる会社は、正確には「広告持ち株会社(ホールディングス)」です。

1つの広告会社というより、世界中の何十・何百という広告会社をまとめて傘下に抱える“連合艦隊”のような存在だと思ってください。

たとえばイギリスのWPPの下には、オグルヴィ(Ogilvy)やGroupMといった有名な広告会社がぶら下がっています。

だから1グループの規模が数千億円〜数兆円にもなるわけです。

ここだけ押さえればOK

世界ランキングの上位=「たくさんの広告会社を束ねた巨大グループ(持ち株会社)」。1社の話ではなく“連合”の話、とイメージすると一気にわかりやすくなります。

【2026年最新】世界の広告代理店ランキングTOP5

まずは結論から。各社の2025年通期決算をもとにした、世界ランキングがこちらです。

順位 グループ 本社 2025年の規模(純収益ベース) ひとことで言うと
1 Omnicom(IPG統合後) アメリカ 約250億ドル超(およそ4兆円規模/統合後) ライバルを買収して一気に世界一へ
2 Publicis(ピュブリシス) フランス 約145億ユーロ(およそ2.5兆円規模) AI活用で“ひとり勝ち”の好調
3 WPP イギリス 約102億ポンド(およそ2兆円規模) 名門だが苦戦、経営再建の真っ最中
4 電通グループ 日本 収益 約1兆4,352億円 本業は粘るも、海外で大きくつまずく
5 Havas(アヴァス) フランス 約28億ユーロ(およそ4,700億円規模) 小粒ながら堅実に成長中

※円換算はおおよその規模感です(為替で変動します)。Omnicomの数字はIPGとの統合後の合算値です。

ここで「純収益」という言葉が出てきました。これも簡単です。

広告会社は、テレビ枠やネット広告枠をいったん“仕入れて”クライアントに売ります。

この仕入れ値まで売上に含めると、実態よりずっと大きく見えてしまう。

だから世界では、手数料・サービス料にあたる「純収益」で各社を比べるのが常識になっています。

ちなみに、仕入れ込みの「総収益」で見ると、Publicisは約174億ユーロ、WPPは約135億ポンドと数字が膨らみます。

でも、それだと“実力”が見えにくい。この記事では実力に近い純収益で並べています。

なぜオムニコムは“世界一”になれたのか

今回いちばんのニュースが、首位の交代です。

2025年11月26日、アメリカのOmnicomが、同じくアメリカの大手IPG(インターパブリック)を買収し、統合を完了しました。

広告業界の歴史で最大級の合併です。これで売上規模は250億ドル超となり、長年トップだったPublicisを抜いて世界最大になりました。

項目 内容
発表 2024年12月
統合完了 2025年11月26日
統合後の売上規模 約250億ドル超(およそ4兆円規模)
結果 「ビッグ6」が「ビッグ5」へ。Omnicomが世界一に

では、なぜわざわざ巨額を投じてまで大きくなる必要があったのか。

ひとことで言えば、「GAFAに対抗するため」です。

いま、企業の広告費はGoogle・Meta・Amazonといった巨大プラットフォームにどんどん集中しています。

広告会社は本来その間に立つ存在ですが、相手が巨大すぎて、交渉する立場がだんだん弱くなっている。

そこで「こちらも巨大化して、データと交渉力でプラットフォームに対抗する」

これがオムニコムの狙いです。

ただ、統合したばかりなので、世界中でクライアントの見直しや組織の再編、人員整理など、しばらくは混乱も続くと見られます。

大きくなることは、そのまま強くなることとイコールではないからです。

日本勢はどこにいる?|電通と博報堂DYの現在地

では、日本の二強はどうなっているのか。

世界ランキングで電通は4位につけていますが、中身を見ると2社はかなり対照的です。

会社 2025年の業績 状況をひとことで
電通グループ 収益 1兆4,352億円(前年比+1.7%)
最終損益 3,276億円の赤字
本業は黒字を維持。だが過去の海外買収のツケで巨額の“評価減”が直撃
博報堂DYホールディングス 売上高 1兆5,804億円(前年比-2.0%)
純利益 167億円(前年比+55.8%)
売上は微減でも、利益はしっかり改善。堅実型

電通の2025年は、ひとことで言うと“大やけどの年”でした。

過去に海外で買った会社の価値を見直し、4,025億円もの減損(帳簿上の評価の引き下げ)を計上。

その結果、最終損益は3,276億円の赤字に沈みました。

ただし誤解してはいけないのは、これは「海外買収の後始末」が主因だという点です。

本業のもうけにあたる調整後営業利益は1,725億円の黒字で、足元のビジネスそのものが崩れているわけではありません。

一方の博報堂DYは、売上こそ微減ですが、コスト管理を効かせて純利益を5割以上伸ばす増益決算。派手さはありませんが、堅実さが光ります。

日本勢の存在感は?

電通は規模では今も世界トップ5ですが、海外でのつまずきが続いています。

世界が“巨大化レース”に走るなか、日本勢は「大きさ」よりも「中身(利益・専門性)」で勝負する局面に入っている、と私は見ています。

※電通は国際会計基準、博報堂DYは日本基準と物差しが違うため、トップの数字を単純には比べられません。ここでは“勢い”を見てください。

この再編は、中小・地方の代理店にどう効くのか

「5強の話なんて、自分たちには関係ない」

そう思われるかもしれません。でも、実は逆です。

巨大化した5強は、これから大手クライアントやグローバル案件をさらに囲い込んでいきます。

規模と価格と効率で、彼らに正面から勝つのはまず不可能です。

だからこそ、中小・地方の代理店には「規模では測れない価値」が残ります。

  • その地域の事情を肌で知っている
  • 意思決定が速い
  • 社長と直接、本音で話せる
  • 特定の業種・テーマにとことん詳しい

私は、これからの代理店の勝ち筋は「大きさ」ではなく「役割」だと考えています。

5強がプラットフォームのように巨大化していくほど、その隙間で“顔の見える代理店”の価値はむしろ上がっていく。世界の再編は、そのことを裏側から教えてくれています。

まとめ|「大きさ」から「役割」の時代へ

2025年、世界の広告業界は「6強」から「5強」へ。

オムニコムがIPGを統合して世界一になり、好調なPublicis、再建中のWPP、海外でつまずいた電通、堅実なHavasと、各社の明暗がくっきり分かれました。

共通しているのは、もはや「大きいから強い」とは限らないということです。

大きくても苦戦する会社があり、小さくても伸びる会社がある。

問われているのは規模ではなく、「自分はクライアントにとってどんな役割を果たせるのか」。

それは、世界の5強にとっても、日本の二強にとっても、そして私たち現場の代理店にとっても、まったく同じ問いなのだと思います。

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