雑誌の転換点か?アイドル誌休刊から見える“紙”の行方とは?

マスメディア研究・分析

相次ぐ休刊が示す時代の変化

2025年、老舗アイドル誌が次々と休刊を発表しました。

『WiNK UP』『POTATO』『Duet』——ファンにとってはおなじみのタイトルが姿を消し、残るアイドル誌は『Myojo』のみという状況です。

※『Duet』は、2025年12月で休刊

この出来事は「紙の雑誌」という存在の未来に、大きな疑問を突きつけています。新聞に続き、雑誌もまた“紙の役割”を再定義せざるを得ない局面に来ているのです。

 

※本記事は、2025年に報じられた複数のアイドル誌休刊ニュース(『WiNK UP』『POTATO』『Duet』など)を参考に構成し分かりやすく解説することを目的としています。

アイドル誌の休刊相次ぐ 要因は? https://news.yahoo.co.jp/pickup/6556085

アイドル誌休刊の背景

高コスト構造

  • スタイリスト、カメラマン、ライター…少数ページでも制作費が高額
  • 紙代・印刷代の上昇で採算割れ
  • 出すだけ赤字」という構造的問題
  • かつては発行部数と広告収入が順調で、複数誌を同時に出しても利益が出るほど“雑誌の黄金期”だったが、その構造は完全に崩れ去ったのです。

 

デジタル流出

  • 発売直後にSNSへスキャン画像が拡散
  • 紙を買わずとも“無料で見られる”環境が浸透

購買行動の変化

  • 若年層にとって「紙を買う」行為自体が非日常化
  • 推し活の中心は「ライブ」「グッズ」「ファンクラブ」へシフト
  • つまり、押し活という比較的大きな金額が動く世界においても、紙というメディアは厳しくなってきた現実がある

推し活と紙の関係の変化

かつては「推しの写真を紙で保存=応援の証」でした。しかし現在は、

  • データ保存やSNS発信が当たり前
  • 紙に残すことは“一部コレクター”の行為に限定

「紙が必須」から「紙はオプション」へと変わったのです。

新聞との共通点と相違点

  • 共通点:固定費の高さ、購読減少、デジタル台頭
  • 相違点
    • 新聞=日常的接触(速報・ニュース)
    • 雑誌=非日常的接触(特集・保存性)

👉 雑誌は新聞以上に「保存価値」「世界観」で勝負しなければ生き残れない。

生き残る雑誌の条件

  1. 紙ならではの価値:高品質ビジュアル、触れる喜び
  2. 付加価値:カード、小冊子、限定特典
  3. ブランド拡張
    • ファンクラブやイベント連動
    • デジタル配信と組み合わせた“体験の設計”

紙単体ではなく「体験の一部」として生き残る道が見えてきます。

まとめ:紙の再定義へ

アイドル誌休刊は“紙の再定義”を考えるタイミングかもしれません。「紙をどう生かすか」を再度考えなければいけません。

  • 紙×デジタルの接触設計
  • 紙の「保存性」「体験価値」の再定義

これこそが、次世代のメディアに必要な戦略だといえるでしょう。

つまり、紙は単なる媒体ではなく“ファンとブランドをつなぐ装置”として機能しなければ生き残れません。休刊ラッシュはその転換点を示しており、ここをどう乗り越えるかが雑誌業界の未来を左右するのです。