毎日新聞の発行部数減少が止まらない!2026年最新データで見る危機

全国紙・地方紙

新聞離れはすべての新聞社に共通する課題です。

しかし、その中でも「毎日新聞だけが全国紙の座を失いかけている」という特異な状況が進んでいます。

2026年2月のABC協会速報値によれば、毎日新聞の発行部数は約112万部(前年比▲19.7%)。

わずか1年で22万部以上が消えた計算です。2015年から比べると約320万部から3分の1以下にまで縮小しており、現在のビジネスモデルに残された時間はわずかです。

読者の6割が高齢者に偏り、若年層にはほとんど存在感がありません。

他の全国紙との”決定的な違い”が、この崩壊を加速させています。

本記事では、この危機を広告主の視点から最新データで徹底検証します。

広告主にとって何が問題なのか?

いまや「発行部数」という数字だけでは、新聞の広告価値を正確に測ることはできません。

発行部数には「押し紙」が含まれており、実際にどれだけの部数が読者の手元に届いているのかが不透明だからです。

広告主が判断すべきは2点です。

  • 実配部数の信頼性—どれだけの部数が実際に読者に届いているか
  • 読者属性の見極め—届いている読者がどのような層なのか

毎日新聞は、この両面において深刻な課題を抱えています。

2015年→2026年2月 発行部数の推移

毎日新聞の10年以上にわたる発行部数の推移は以下の通りです。

年月 発行部数 前回比の減少 備考
2015年11月 3,204,566部 10年前の基準値
2024年6月 1,499,571部 ▲1,704,995部 150万部割れ
2024年12月 1,349,731部 ▲149,840部 半年でさらに急減
2025年8月 1,176,751部 ▲172,980部 確定ABC部数
2026年2月 約1,120,000部 ▲約57,000部 ABC協会速報値

この数字から見えるポイントを整理します。

  • 2015年→2024年6月の約9年半で約170万部減少(▲53%
  • 2024年6月→2026年2月のわずか1年8か月で約38万部減少
  • 2026年2月の前年同期比:▲19.7%(全国紙最大の減少率)
  • 10年強で約200万部超の読者を失い、全国紙としての地位が根底から揺らいでいます

数字以上に深刻なのは「減少の加速」です。

母数が少なくなるにつれ、同じ減少部数でも減少率は跳ね上がります。2026年2月の前年比▲19.7%という数字は、その加速を如実に示しています。

ただし、この異常な減少率を「読者離れだけ」で説明するのは難しいという見方もあります。2015〜2022年の減少率が年▲6〜10%だったのに対し、2024年以降は突如として二桁後半に跳ね上がっています。

読者の高齢化は急激に加速するものではなく、他紙も同じ外部環境にさらされています。

そこで浮上するのが、「押し紙の調整フェーズに入っている」という仮説です。

長年にわたり公称部数と実配部数の乖離が積み重なった結果、その是正が数字に表れ始めている可能性があるのです。

公開データだけで断定することはできませんが、減少率の変化の仕方は単なる自然減では説明しきれない側面を持っています。

📎 この仮説をデータで深掘りした専門記事はこちら

👉 毎日新聞は「押し紙調整」に入ったのか?発行部数が示す”減少率の変化”

将来予測:このまま進めばどうなるのか?

毎日新聞は現在、年15〜20%のペースで部数が減少しています。

「毎年一定部数減」の線形予測ではなく、「残存部数に対する割合」で捉える視点が必要です。

以下は、現在のペースの下限である10%の指数関数的減少を想定した予測モデルです。
また、押し紙率は50%を想定していましたが、現在調整に入っていると想定し30%とします。

時期 推定発行部数 押し紙を除く実配部数(推定)
現在(2026年3月) 約110万部 約77万部
1年後(2027年) 約99万部 約69万部
3年後(2029年) 約89万部 約62万部
5年後(2031年) 約80万部 約56万部

減少率を控えめに見積もっても、5年後には実配ベースで50万部の攻防となる可能性があります。

現在の固定費をまかなうことは極めて困難となり、人員削減・記事品質の低下が連鎖的に起こる「負のスパイラル」に陥るリスクが現実味を帯びています。

なぜ毎日新聞だけが”危機”なのか?

同じ新聞離れの時代に、なぜ毎日新聞だけがこれほどの急落を見せているのでしょうか。主な理由は3つあります。

① 読者の高齢化が限界に近い

読者の6割以上が60歳以上で、最多は70代(33.2%)です。団塊世代が後期高齢者へ移行した2025年以降、新聞購読からの一斉離脱が加速しています。基盤の小さい毎日新聞は、同じ減少部数でも経営インパクトが格段に大きくなります。

② 若年層にブランドが届いていない

アプリやSNS上での存在感はほぼ皆無です。読売は家庭への接触、朝日は文化層、日経は就活・ビジネス、産経は保守系論調と、各紙には「残っている理由」があります。対して毎日新聞には、その軸が見当たりません。

③ デジタル収益化に失敗している

日経は有料会員102万人超(2025年12月時点)で紙の減少を補完しています。毎日はPV頼みの外部流入が多く、コンテンツ課金が機能していません。無料キャンペーンの継続率も極端に低く、コストだけが増大する構造が続いています。

他紙との比較:同じ全国紙でも明暗が分かれている

新聞社 発行部数(2026年2月速報) 前年比 補足
読売 約525万部 ▲8.5% 家庭向け接触軸あり
朝日 約315万部 ▲4.9% リベラル・文化層に残存支持
日経 約120万部 ▲6.7% デジタル有料課金で独自モデル
毎日 約112万部 ▲19.7% 高齢者のみ。若年層接触ほぼ皆無
産経 約75万部 ▲5.2% 保守層に支持。発行エリア限定

この比較表から見えるのは「部数の大小」だけでなく、減少幅と接触構造の違いです。

読売・朝日は大きな発行規模を持ちながらも一定の接触軸を確保し、日経はデジタル課金モデルで紙の減少を補完しています。対して毎日新聞は、部数・接触構造ともに脆弱なまま、減少率だけが突出しています。

広告主にとってのインパクト

  • 実配ベースでは、5年後に「50万部」へと縮小が続く
  • 広告単価が同じでも、実際に届く読者数は激減し続けている
  • 特に「地方向け折込」「接触率」を重視する広告主には、出稿の根拠が薄れつつある

※ 公称部数ではなく、「届く部数・届く層」が最重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 毎日新聞の2026年最新発行部数はいくつですか?

A. 2026年2月のABC協会速報値によると約112万部です。前年同期比で▲19.7%(約22.2万部減)となっており、全国紙の中で最大の減少率となっています。

Q. 毎日新聞の押し紙率はどのくらいですか?

A. 過去の裁判の証言を検証していくと推定では約50%とされています。公称112万部の場合、実配部数は約56万部程度と試算されます。しかし2026年度以降は30%が目安になると想定できます。

Q. 毎日新聞はいつまで存続できますか?

A. 現在の減少ペースが続いた場合、5年後には現在のビジネスモデルでの存続は不可能です。その前の段階で自社ビル(パレスサイドビル)の売却による延命を図ることは間違いありません。それしか手段は考えられません。

まとめ:広告主は”部数”ではなく”未来”を見るべき

毎日新聞の発行部数は公称で約112万部ですが、実態としてはその半分程度です。全国紙としての広告価値は大きく揺らいでおり、この傾向はさらに加速していくでしょう。

広告主は「過去の実績」ではなく、「未来の実配と接触層」で出稿判断を行う時代に入っています。

シリーズ次回

👉 シリーズ②:読売・朝日・日経との比較でわかる毎日新聞の脆弱性と転落の現実

部数の危機を確認したところで、次は全国紙5紙を横並びで比較します。押し紙を補正した「実質的な順位」は衝撃的です。

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※本記事は広告主・メディアプランナー向けに、メディア選定の判断軸としてデータと分析をもとに構成されています。

広田 誠一