新聞広告の料金構造を読み解くシリーズ【第6話】

新聞広告特集

第6話:掲載できない広告と新聞独自の表現規制

新聞広告は、テレビやWeb広告とは異なり、公共性・信頼性を重視する媒体です。

テレビも比較的厳格な審査基準を持ちますが、新聞はそれ以上に厳しく、掲載できる広告には明確なガイドラインがあり、事前審査を通過しないと紙面に掲載できません。

ここでは、新聞広告における“出せない広告”と“気をつけたい表現規制”について紹介します。

新聞広告の掲載不可の広告例とは!

新聞社によって細かな基準は異なりますが、以下のような広告はほぼすべての新聞で掲載を断られます。

  • 法律・条例に違反する商品やサービス
  • 詐欺的な商法、ねずみ講、過度な投資勧誘
  • アダルト系商品(性関連サービス、出会い系など)
  • 差別的・攻撃的・暴力的な表現を含むもの
  • 虚偽表示・誇大広告と思われる内容
  • 医療系・健康食品で、科学的根拠が不十分な効果効能の断定表現
  • 虚偽・不正確な表現:事実を誤認させるような表現や不正確な情報の掲載
  • 違法行為の助長・推奨:犯罪や暴力を肯定・示唆するような内容
  • 不快感を与える表現:露骨な性表現、差別的・醜悪・残虐・猟奇的な表現
  • 科学的根拠の乏しい誇大広告:医薬品や健康食品などで、効果を誇張して記載する内容
  • 売名行為の禁止:選挙活動や売名を目的とした内容を出版広告の形式で掲載すること

注意が必要な表現・業種

以下のジャンルは、表現内容に細心の注意が必要です。新聞社側で校正や表現修正が入る場合もあります。

  • 不動産広告:宅地建物取引業法などに準拠。最寄駅からの徒歩分数や価格表示の正確性が必須。
  • 医薬・健康関連:効果・効能の記載に科学的根拠が求められる。医薬品と誤認させる表現は禁止。
  • 教育機関:誤解を招く合格実績や偏差値表現、煽りコピーは避ける必要あり。
  • 美容・エステ:ビフォーアフター写真の掲載、過度な美的表現に制限あり。

これら4つの業種に関しては、広告主側と新聞社側で表現の捉え方や基準の違いからトラブルに発展するケースも少なくありません。特に誇大表現や文言の解釈を巡って、掲載可否が問題になることがあります。広告代理店の担当者や広告主は、審査通過を前提とした慎重な原稿設計と、新聞社との丁寧な事前確認を行うことが不可欠です。

 

原稿審査と事前確認の重要性

新聞広告は、掲載前に新聞社による事前審査(内容・レイアウト・表現など)があります。これを通過しなければ、掲載確約ができないため、広告主・代理店は次の点を理解しておく必要があります。

  • 掲載基準は新聞社ごとに異なる(全国紙・地方紙でルールが異なる)
  • 「審査落ち」を防ぐには、過去掲載事例の確認が有効
  • 記事体広告やタイアップ広告は特に審査が厳しい

表記・レイアウトの制限事項

新聞広告では、以下のような「紙面設計上の制約」があります。

  • 他の記事と紛らわしい体裁は禁止(広告マークの明示が必須)
  • 特定の政治・宗教団体への偏った表現は制限対象
  • 上下段・左右の広告配置にも一定のルールがある

このように、新聞広告は「信頼されるメディア」であるがゆえに、審査や表現のルールが厳格に定められています。

広告主としては、「何を・どこまで」表現できるかを理解し、代理店や新聞社と協力して最適な原稿作りを行うことが求められます。

 

次回は「新聞広告を成功に導く戦略的な設計方法」について深掘りしていきます。(掲載できない広告、考慮すべき表現規制など)

 

シリーズを最初から読む

第7話:新聞広告を成功に導く設計―戦略・タイミング・内容設計の三本柱に進む