売場を活用した『リテールメディア』の成長が続く中、新たな切り口として、『香り』を活用した
仕組みが発表されました。
『香りリテールメディア』という仕組みです。
劇場やライブ会場での香りの演出では、かなり前から、
株式会社SceneryScent(シーナリーセント)という会社が実施をしています。
個人的に提案をしましたが、会場側の都合で実現はしなかった経緯はありますが、
この手の手法では元祖で、ノウハウを持っています。
本日は、新たな手法として、『香り』の可能性について考えてみましょう。
香りリテールメディアとは?
「香りリテールメディア」とは、東芝テックとScopeが開発した技術で、店頭の棚に香り拡散装置を設置し、消費者に商品に関連する香りを体験させる仕組みです。
AIカメラやPOSデータを用いて、消費者の行動を分析し、購買意欲を高める新しいマーケティング手法とううことです。
視覚と嗅覚を組み合わせることで、より効果的な広告体験の提供を目指しています。
実際に導入された成果
すでに一部の店舗で導入され、香水や食品といった香りが重要なカテゴリでは、売上が1.66倍に増加する成果が出ていると報告されています。
コーヒーや香水、芳香剤など、実際に商品の匂いを嗅ぐ必要があっても、中々実際に体験できない売り場が多い状況では、ビジネスチャンスを逃していますので、売上がアップするのは当然の結果かもしれません。
サイネージとのセットでさらなる効果
香りリテールメディアは、デジタルサイネージと組み合わせることでさらなる効果を発揮する可能性が高いでしょう。
視覚と嗅覚を同時に刺激することで、ブランドへの強い印象を残し、購買行動の促進が可能です。
例えば、映像で商品を紹介しながら香りを拡散することで、消費者によりリアルな体験を提供できます。つまり、想像力がより現実的になるということです。
広がる可能性:新たな用途を想像する
この技術は、香水や食品に限らず多様な用途が考えられます。
たとえば、自動車ショールームでは新車の香りを再現し、訪問者を引きつけることができるでしょう。
さらに、旅行代理店では観光地の香りを体験させることで旅行の魅力をアピールしたりも良いかもしれません。
不動産展示会で物件の香りをシミュレーションして訪問者にリアルな体験を提供することも可能です。
香りが持つ力は、幅広いビジネスに応用できる可能性を秘めています。
加えて、次のような応用も考えられます:
- 映画館: 映画のシーンに合わせた香り体験。アクションや冒険映画で、さらに臨場感を高める演出が可能ですが、密室で香りが苦手な人への配慮が必要です。
映画館にはちょっと詳しいですが、実施の方法は色々と考えられます。
- 車の芳香剤: 店頭での体験を通じて消費者が実際の使用感を確かめることができる場を提供。
直接嗅ぐと強烈すぎる場合が多いですので、それとなく香りを出す方法はより効果的でしょう。 - 脱臭機(オゾン): オゾン特有の香りは独特です。消臭効果として、効果をその場で実感させるデモンストレーションに適しています。
- ペットやトイレの消臭剤: 消臭効果を体験させ、消費者にその効果を直感的に伝えることができます。
上記は一例です。
その他にも色々な展開があるでしょう。
広告会社にとってのビジネスチャンス
広告会社にとって、この新しいメディアは大きなビジネスチャンスがあるかもしれまえん。
特に、体験型広告を提供する企業にとっては、香りを利用することで、競合との差別化を図ることができる強力なツールとなるでしょう。
さらに、クライアントに対して、より多感覚的で記憶に残る広告体験を提案できるため、新たな収益モデルの構築も期待されます。
特に、イベント関連の部署にとってはこの技術が大きな武器となるでしょう。
イベント会場やプロモーションにおいて、香りを活用した体験型の広告を提供することで、来場者の心に強く刻まれる体験を生み出すことが可能です。
会場の大きな場合は、株式会社SceneryScentとの併用などが必要です。
イベントプロモーションでは、このような新技術を知っておくことが、もはや必須のスキルとなる可能性もあります。
特に香りメディアは、サイネージやディスプレイだけでは伝えきれない深い印象を与えられるため、広告業界にとっては今後大きな注目を集めることは間違いありません。
結論
香りリテールメディアは、広告の新たな手法になりえます。
サイネージと組み合わせた多感覚的な広告体験や、新たな応用の可能性を広げることで、広告業界にとって大きなビジネスチャンスをもたらすでしょう。
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