現場の人間はどう生き延びるべきか!天下り構造の中で「壊れない」ために

広告代理店の仕組み・仕事内容

はじめに

前編では、ハウスエージェンシーを中心とした広告代理店における天下り人事という構造問題を取り上げました。

個人の資質ではなく、仕組みとして現場を疲弊させていく・・・その現実に、多くの読者が思い当たる節を感じたのではないでしょうか。

では、その構造の中にいる現場の人間は、どう生き延びるべきなのでしょうか?

声を上げても届かない。 正論ほど通らない。 辞めたくても、簡単には辞められない。

本稿では、理想論や精神論ではなく、壊れずに生き延びるための現実的な視点を整理します。

まず理解すべき現実:「構造」は個人では変えられない

最初に、厳しい現実を確認しておきましょう。

天下り人事を含む組織構造は、一社員・一現場責任者の努力や正論で変えられるものではありません。

内部告発や改革提案が成功するのは、『トップ自身が問題意識を持っている』『親会社の方針転換が起きる』といった外部要因が重なった場合のみです。

「自分が頑張れば変えられるはずだ」と思い込みすぎることは、 精神的な消耗を早めるだけになりかねません。

生き延びるための第一原則:期待値を下げる

ここで言う「期待値を下げる」とは、諦めることではありません。

  • 組織が自分を正しく評価してくれる
  • 正論はいつか通じる
  • 成果を出せば報われる

こうした過度な期待を手放すという意味です。期待が高いほど、裏切られたときのダメージは大きくなります。

まずは、

この組織は「そういう構造なのだ」

と冷静に認識することが、心を壊さない第一歩です。

戦略①:会社に依存しすぎない

天下り構造の強い組織では、

  • 評価制度
  • 昇進
  • ポジション

自分の努力と無関係に動く場面が多くなります。そこで重要になるのが、 会社=自分の価値という考え方から距離を取ることです。

  • 社内評価と市場価値は別物
  • 肩書きは会社の外では通用しないことも多い

こうした現実を理解したうえで、 社外でも通用するスキルや実績を意識的に積み上げていく必要があります。

戦略②:「現場力」を自分の資産として蓄える

皮肉なことに、 天下り役員が理解できない領域こそ、あなたの武器になります。

  • クライアントとの折衝
  • 広告効果の改善
  • 提案の勝ちパターン
  • 現場特有の失敗知

これらは、 会議資料には残らないが、確実に市場で評価される力です。

重要なのは、 「会社のため」ではなく 「自分のキャリアのため」に現場力を磨くという視点です。

戦略③:正面突破を狙わない

多くの真面目な人が陥りがちなのが、

  • 間違っているものは正したい
  • おかしいことには声を上げるべきだ

という正義感です。しかし、構造問題に対して正面から立ち向かうことは、 多くの場合、

  • 評価を下げ
  • 孤立を招き
  • 精神的に消耗する

結果に終わります。勝てない戦いには参加しない。

これは逃げではなく、 長く生き残るための戦略です。

戦略④:静かに準備する

「いつか出るかもしれない」

この可能性を、 常に頭の片隅に置いておくことが重要です。

  • 転職市場の相場を知る
  • 自分の職種・年齢の需要を把握する
  • スキルの棚卸しをする

実際に辞めるかどうかは別として、 選択肢を持っている状態は、 日々のストレス耐性を大きく高めます。

戦略⑤:「壊れる前」に距離を取る

最後に、最も大切な視点です。

  • 不眠
  • 無気力
  • 怒りが抜けない
  • 自分を責め続けてしまう

こうした兆候が出始めたら、 それは構造の問題が、あなたの内面を侵食し始めているサインです。

組織はあなたの人生に責任を取ってくれません。

距離を取ることは、 甘えでも敗北でもなく、 生存戦略です。

おわりに:生き延びることは、負けではない

理不尽な構造の中で、 「辞めない」「戦わない」という選択は、 しばしば弱さのように見られます。しかし、長いキャリアを考えれば、 壊れずに生き延びることこそが、最も合理的な判断である場合も多いのです。

この会社に未来があるのか。 自分は、ここで消耗し続けるべきなのか?

次回は、 「辞めるべき会社の見分け方」について、 より具体的な視点で掘り下げていきます。

今いる場所が「耐える価値のある環境」なのか、それとも「離れるべき構造」なのか?

見極めるためのヒントを整理します。

 

生き延びるための考え方が分かっても、次に必ず出てくる疑問があります。

「この会社は、まだ耐える価値があるのか?」
「それとも、構造的に見切るべきなのか?」

感情ではなく、構造として判断するための視点を、次章で整理します。

天下り構造に潜む、辞めるべき会社の見分け方
👉天下り構造に潜む、辞めるべき会社の見分け方ー広告代理店・ハウスエージェンシー編