広告代理店の未来は明るい!変化に挑む者にこそ開かれる!

「広告代理店の未来は明るい!」その言葉に違和感を覚えるあなたへ

「代理店なんて、もう必要ない」 「AIに仕事を奪われる」 「広告主は自前でやる時代、代理店は終わりだ」

そんな声が、広告業界の周囲でささやかれています。確かに、旧来の“枠売り代理業”だけに頼っていれば、その通りかもしれません。

しかし本当に、広告代理店の未来は閉ざされているのでしょうか?

データが示す“広告業界のリアル”

まず、事実を見てみましょう。

日本の広告市場は2022年以降、7兆円を突破し、2023年には過去最高を記録しました。コロナ禍で一時的に落ち込んだ2020年を除けば、広告費は基本的に右肩上がりです。

つまり、広告市場そのものは決して縮小していません。成長を続けているのです。

にもかかわらず、多くの広告代理店が「厳しい」と感じているのはなぜか?

市場の成長に追いつけない代理店が、変化に取り残されているだけです。

 

日本の広告費

日本の広告市場規模は、年間6兆円を前後を推移し、2022年以降は7兆円を超えています。
前後することはありますが、10年以上の間、この6兆円という市場規模を維持し続けています。

参考に2010年~2023年の日本の広告費についてみてみましょう!

広告費(億円) 前年比(%) 備考
2010 58,427 リーマンショック後、緩やかな回復基調が見られる
2011 57,096 -2.3% 東日本大震災の影響で減少。衛星メディアは大きく成長
2012 58,913 +3.2% 震災後の回復傾向、及びリーマンショックからの回復
2013 59,762 +1.4% デジタル分野の成長が本格化、及びアベノミクス効果が経済を牽引
2014 61,522 +2.9% リマンショック(2008年)以降6年ぶりに6兆円台に回復
2015 61,710 +0.3% 6兆円台の市場規模を維持し、動画広告が市場で注目を集めはじめる
2016 62,880 +1.9% 動画広告やSNS広告の拡大が顕著になる
2017 63,907 +1.6% モバイルの運用型広告、動画広告の成長が本格的に軌道に乗りはじめる
2018 65,300 +2.2% 5年連続でインターネット広告が二桁成長を継続。TV広告の規模に肉薄する
2019 69,381 +6.2% デジタル広告がTV広告を抜き全体の40%を超える
2020 61,998 -10.7% コロナ禍での外出制限などで広告費が大きく減少
2021 67,998 +9.7% 年の後半よりコロナ渦からの緩やかな回復が見られ、前年比で大きく回復
2022 71,021 +4.4% コロナ渦前(2019年)を大きく上回る成長が見られ、7兆円台まで規模が拡大
2023 73,167 +3.0% 2022年に続き、過去最高を更新。プロモーションメディアなどコロナ後を見据えた活動が大幅に増加

広告市場は、右肩下がりではなく、堅調に成長を続けています。

静かに、しかし確実に進んでいる“変化”

ここ数年、広告業界で急速に拡大しているのが「インハウス化(=広告業務の内製化)」の動きです。

かつては大手企業だけが取り組んでいた内製化が、今では中小企業や地方企業にも波及し、「代理店を通さず、自社で運用・制作を行う」という体制が広がっています。

その背景には、次のような要因があります:

  • SNS広告や運用型広告などにおいて、かつては人手が必要だった作業の多くが、いまやAIによって自動化される時代になりつつあります。広告運用・分析・レポート作成・クリエイティブ生成まで、AIが一連の流れを代替し始めているのです
  • 社内にマーケ人材を配置・育成する文化の浸透(実際に多くの企業が、外部に頼らずにSNS運用・広告出稿・LP制作などを社内で完結させるための人材を育成し始めています。背景には、SaaS型広告プラットフォームの普及や、教育コンテンツの充実、さらに広告が経営の中核にあるD2CやEC企業の増加があります)
  • 経費削減やスピード重視の経営判断(この目的を果たすために、多くの企業がAIを活用したインハウス体制の構築を進めています。AIを使えば、人件費や外注費を抑えつつ、スピーディな広告展開が可能になるためです)

いまや、「代理店に頼らなければできなかった」業務が、誰でも実行できる時代になりつつあります。

インハウス化とAI、そのダブルインパクトにどう向き合うか

AIとインハウス化の進展は、広告代理店にとって「終わり」ではなく「再定義のタイミング」です。AIを“危機を生み出す存在”として捉えるのではなく、“武器”として使いこなす姿勢こそが、これからの代理店に求められている考え方です。

  • AIを活用した企画立案やコピー制作
  • 広告運用の自動化とレポート生成
  • 顧客体験の設計と改善提案
  • クライアント社内の教育支援や外部パートナーとしての機能提供

これらはすべて、これからの代理店に期待される新たな役割です。

「枠を売る」のではなく、「売上を創る」存在へ。

広告代理店という職業の“再定義”

今、代理店に求められているのは、以下のような存在です:

  • クライアントのビジネス構造や顧客心理を理解し、
  • テクノロジーを活用して課題を解決し、
  • 成果につながる戦略と実行を提供できるパートナー

つまり、「変化に適応する能力」が、未来を決める鍵なのです。

結論:未来を閉ざすのも、開くのも“選択次第”

変化は誰にでも等しく訪れます。

しかし、その変化を脅威と見るか、可能性と見るかで、進む未来は大きく分かれます。

広告代理店の未来は明るい!そして、 変化に挑む者にとって、かつてないほど明るい

というのが正確な表現でしょう!

ここまで進化の余地がある業界は、他にありません。変わる覚悟さえあれば、広告代理店という仕事は、これからも時代を代表するクリエイティブな職業であることは間違いないでしょう!

 

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