新聞業界に根付く「押し紙問題」とは!
『 押し紙』は新聞業界の販売部数に関する社会問題です。
「押し紙問題」については、新潮社などの一部の雑誌では報道された経緯がありますが、
新聞社自体がマスコミでテレビ局とも関係が深い為にほとんど報道されません。
テレビ局が、親会社や子会社の不祥事を積極的に報道することは無いんです。
しかし、インターネットの普及に伴い、SNS上などで徐々に表面化されるようになってきました。
生活者が自由に発信できるメディアの存在は無視できないということです。
押し紙とは
では、『押し紙』について詳しく説明していきましょう!
「押し紙」とは、各家庭などに届かずに販売店で破棄される新聞のことです。
新聞を各家庭に配達するのは、新聞の販売店です。
販売店は、配達先が500件あれば、新聞社から500部の新聞を買い取れば仕事が成り立ちます。
実際は汚れなどを考慮して、多少の上乗せはありますが、必要な部数は微々たるものです。
しかし、新聞社は、販売店が各家庭に配布する為に必要とする部数よりも多くの部数を、
販売店に買い取らせます。
上記の例でみると、販売店に500部送れば済むにも関わらず、1000部送りつけるんですね。
この様に、「販売店に対して無理やりに押し付けて買い取らせる」ことから
『押し紙』と言われています。
押し紙発生の流れ
では、なぜこのような行為が行われているのでしょうか?
「押し紙」はどのように、そして、なぜ実施されているのでしょうか?
その理由は下記の2点が考えられます。
押し紙が実施される理由
新聞社の収入は大きく『販売収入』と『広告収入』に分かれます。
そして、広告収入は販売部数に大きく左右されます。
販売部数が多ければ広告収入も多くなります。
1000万部発行の新聞と100万部発行の新聞では、広告単価は異ならないといけませんね。
つまり、新聞社は部数が減少していることを言いたくないのです。
新聞は大きく部数を減らしていることを秘密にしたい!
販売部数が減ったことを隠すために生み出された手法が『押し紙』となるんです。
上記の例でいうと、販売店が必要な部数は500部です。
そして、新聞社が販売店に買い取らせる部数が1000部です。
販売店は、毎日500部の新聞を破棄することになり、
「押し紙率は」50%となります。
600部破棄していれば、「押し紙率」は60%、400部破棄していれば40%です。
販売店が押し紙を受け付ける理由
では、なぜ販売店はこのような理不尽な要求を受け付けるのでしょうか。
500部の配達先しかないのに1000部を仕入れていたら赤字になってしまいます。
しかし、ここには販売店側のメリットも隠されています。
販売店の収入は、大きく「新聞販売」の収入と「折込チラシ」の収入に分かれます。
「折込チラシ」の収入は、新聞社の広告収入同様に販売部数により左右されます。
新聞社同様に販売店も販売部数が減少したことは公表したくありません。
その為に、新聞社から必要以上の部数を買い取ることになるんです。
このバランスが崩れずに、販売店側の収支が成り立っている間は、このシステムは崩壊しないかもしれません。
しかし、このバランスが崩れ、販売店側の収支が悪化した場合、状況は違ってきます。
実際に、販売店が新聞社を訴える訴訟も過去には起きています。
押し紙の率は
では、「押し紙」はどのくらいの規模で実施されているでしょうか?
「押し紙」に関する様々な情報から平均値を想定してみます。
すべての情報を平均すると、
押し紙率は、読売新聞・日本経済新聞で30%、朝日新聞・産経新聞で40%、毎日新聞で50%になると推測できます。
つまり、
読売新聞では印刷された部数の30%が、毎日新聞社では印刷された部数の50%が配布されずに破棄されていることになります。
毎日新聞社倒産の噂があるのもうなずける数値です。
押し紙による実際の販売部数は?
では、「押し紙」を抜いた実際の販売部数を、2023年12月度の新聞社の公表部数を元に計算してみましょう。
2023年12月の主要全国紙の発行部数は以下の通りです。
- 読売新聞: 6,270,000部
- 朝日新聞: 3,680,000部
- 毎日新聞: 1,610,000部
- 日本経済新聞: 2,240,000部
- 産経新聞: 1,160,000部
上記は、日本ABC協会が発表した部数であり、『押し紙』は考慮していません。
『押し紙率』を考慮すると下記の様になります。
『押し紙率』は、毎日新聞社が50%、他社は30%と想定します。
- 読売新聞: 6,270,000部→4,389,000部
- 朝日新聞: 3,680,000部→2,576,000部
- 毎日新聞: 1,610,000部→805,000部
- 日本経済新聞: 2,240,000部→1,568,000部
- 産経新聞: 1,160,000部→812,000部
毎日新聞と産経新聞に関しては、100万部を大きく下回っていますので、
既に全国紙レベルの発行部数では無くなっています。
近い将来には、地方から撤退、配布先は主要地区だけに限定されていくことになるでしょう。
『押し紙』報道の信用性
では、インターネットを中心に情報が提供される『押し紙問題』ですが、
その信憑性はどうでしょうか?
それぞれの主張を比較してみましょう。
新聞社の発表部数
新聞社は過去の10年間で減少した部数は平均で1割だと発表しています。
つまり、10年間で10人の内1人しか新聞の購読を止めていないというのが新聞社の発表数値です。
1年間で1%ずつしか減少していない。というのが新聞社の主張です。
しかし、以前は電車の中でよく見かけた「新聞を購読する通勤者」が最近では皆無です。
10年間で10%の減少というのは、無理がある数値です。
「押し紙」の一番の問題とは
では、「押し紙」は何が問題なのでしょうか?
広告収入を維持する為に部数をごまかしている時点で大問題ですが、大きな問題は2点あります。
①政府広報などの税金を使用した広告費が使われている
新聞広告には、政府による広報が広告として掲出されます。
当然その広告費は税金です。
実際と異なるの部数で掲出されますので、読まれずに破棄された部数分は、税金が破棄されたことと同様になります。
1000万円の広告費で「押し紙率」が70%だと、税金が700万円分破棄されたことになります。
ここが裁判でも大きな争点となる問題です。
国民の大事な税金が700万円ゴミとして燃やされた上に、民間の新聞社の収益になっていることが大問題です。
税金の無駄使いを報道する権利が新聞社にあるのか!という話しになってくるのです。
選挙の時などは、候補者に宣伝用の公費が支給されます。
この公費のある程度は新聞広告に使われます。
選挙時に、各新聞社がこの公費を取る為に必死になるのは有名です。
選挙がある年に、広告収入をアップして予算を組むのは新聞社、及び新聞社の系列の広告代理店では当たり前になっています。
このように、新聞広告には多くの税金が投入されているというのが一番大きな問題といえます。
②折込みチラシや新聞に広告を掲出する企業を騙している
次に問題となるのは、新聞に差し込まれる『チラシ広告』です。
地域の店舗などを経営している方は集客の為に折込みチラシを活用します。
個人商店の方が多いので、折込み費用を捻出するのは大変です。
チラシの制作費用も大きな負担です。
しかし、1000枚配布されたと思っていても実際は300枚しか配布されていないとなると、
納品した700枚は新聞販売店に破棄されたことになります。
しかし、チラシを依頼した方はこのことを知りません。非常に大きな問題です。
1000枚配られたと思っているんです。
これは、詐欺行為と言われても文句は言えません。
最近、新聞広告や折り込みチラシの効果が激減しているという話しを良く聞きますが、
「押し紙」により、配達される枚数が少なくなっていますので当然です。
「押し紙」という存在を知らずに「広告効果がない!」とデザインの修正を繰り返しても意味は無いのです。
上記のように「押し紙」は様々な点において、大きな問題になると考えられます。
いつまで、この仕組みが続くのか?
注視しなければいけません。
2024年度版:押し紙訴訟の解説はこちら!
過去の訴訟から、現状を分析しています。
Web上の「押し紙」のニュース
最後に、「押し紙」のニュースをいくつかまとめてみました。
「押し紙」報道はなぜか削除されることが多いので、リンク切れにはご注意ください。
①毎日新聞「押し紙」の決定的証拠 大阪の販売店主が調停申し立て
②市議会議員の方によるブログ
③ 「押し紙」率7割!老舗販売店経営者が直言「毎日新聞は癌末末期」
④安倍首相も知っていた押し紙問題
⑤新潮社の裁判結果を受けての会見内容
会見の模様
⑦押し紙 今朝の新聞が数時間後には只の新聞紙(古紙)になるまでの様子
⑧配達されずに破棄される折込チラシ
「2024年度版!押し紙の真相」について解説しています!
「押し紙(残紙)」のキャンペーンサイトが立ち上がりました!
様々な動きが出てきています。要注目です!
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