広告用語「STP」とは?

広告豆知識

今日は広告やマーケティングの世界で使われる「STP」という広告用語について考えてみましょう。
事例や使い方について、極力簡単に説明してみます。

STPって何の略?

STPは「Segmentation(セグメンテーション)」、「Targeting(ターゲティング)」、「Positioning(ポジショニング)」の頭文字を取ったものです。
この3つのステップを使って、効果的なマーケティング戦略を立てる方法を指しています。

こ野ステップを上手に活用することで、企業は自社の新製品や新サービスなどを効率よく市場に届けることができるようになります。

では、順を追って説明します。

 

1. Segmentation(セグメンテーション)って何?

セグメンテーションは、市場をいくつかのグループに分ける作業のことです。
それぞれのグループは、似たようなニーズや特性を持つ人々で構成されなければいけません。

例えば:

  • 年齢で分ける:子供、若者、大人、高齢者
  • 趣味で分ける:スポーツ好き、音楽好き、料理好き
  • 地域で分ける:都市部、郊外、地方
  • 行動パターンで分ける:頻繁に買い物をする人、一度に大量に買う人、オンラインで買い物をする人

と、こんな感じです。

セグメンテ―ションの例:

おもちゃメーカーが、子供向け、ティーン向け、大人向けといったグループに市場を分けること。

セグメンテーションを行うことで、
企業は異なる顧客層の特性やニーズを理解しやすくなり、各セグメントに合わせた製品開発やマーケティング戦略を構築できます。

 

2. Targeting(ターゲティング)って何?

ターゲティングは、セグメンテーションで分けたグループの中から、
特に魅力的なグループを選んで、そのグループに向けてマーケティングを行う作業になります。

  • 利益率の高いセグメントを選ぶ
  • 成長が期待できるセグメントを選ぶ
  • 競合が少ないセグメントを選ぶ

などです。

ターゲティングの例:

おもちゃメーカーが「子供向け」に焦点を当てることに決め、
そのグループに合わせた広告やマーケティング活動を考える作業です。

ターゲティングにより、
企業はマーケティング資源を集中させることができ、効果的かつ効率的に顧客にアプローチすることが可能になります。

3. Positioning(ポジショニング)って何?

ポジショニングは、選んだターゲットに対して、自社の製品やサービスをどのように見せるかを決めることです。
他の競合製品と比べて、自社製品がどのように優れているのか、何が特徴なのかを明確にします。

  • 価格で差別化する:高級品、手頃な価格
  • 品質で差別化する:高品質、標準品質
  • 機能で差別化する:多機能、シンプル

などです。

ポジショニングの例:

おもちゃメーカーが「教育的価値が高いおもちゃ」として自社製品の開発を決めること。

ポジショニングをしっかり行うことで、企業は消費者の心に明確なイメージを訴求することができるようになります。

STPの具体的な使い方

STPを使うことで、企業はより効果的にマーケティングを行うことができます。具体的なシチュエーションをいくつか見てみましょう。

  1. 新製品の導入:

    • セグメンテーション:新しいスポーツ用品を発売する場合、まず市場を「初心者向け」、「中級者向け」、「上級者向け」に分けます。
    • ターゲティング:次に「中級者向け」をターゲットに選びます。
    • ポジショニング:最後に「中級者向けの高品質でコストパフォーマンスが良い商品」としてポジショニングします。
  2. 広告キャンペーンの設計:

    • セグメンテーション:健康食品を販売する企業が、市場を「健康志向の若者」、「健康維持に関心のある中年」、「健康管理が必要な高齢者」に分けます。
    • ターゲティング:次に「健康志向の若者」をターゲットに選びます。
    • ポジショニング:最後に「若者向けで手軽に栄養補給できる商品」としてポジショニングします。
  3. 地域別戦略の立案:

    • セグメンテーション:衣料品メーカーが市場を「都市部」、「郊外」、「地方」に分けます。
    • ターゲティング:次に「都市部」をターゲットに選びます。
    • ポジショニング:最後に「都市生活に適したファッショナブルな衣料品」としてポジショニングします。

STPを活用した成功事例

次にSTPを活用した成功事例と言われている(想定されている)例を上げてみます。

スターバックスとアップルがその代表例だと言われています。

  • スターバックス:

    • セグメンテーション:スターバックスは市場を「コーヒー愛好者」、「ビジネスマン」、「学生」に分けました。
    • ターゲティング:ビジネスマンと学生をターゲットにしました。
    • ポジショニング:おしゃれで快適な空間を提供し、コーヒーだけでなく、仕事や勉強ができる場所としてポジショニングしました。
  • アップル:

    • セグメンテーション:市場を「一般消費者」、「クリエイティブプロフェッショナル」、「ビジネスユーザー」に分けました。
    • ターゲティング:クリエイティブプロフェッショナルをターゲットにしました。
    • ポジショニング:デザイン性と機能性に優れたプレミアム製品としてポジショニングしました。

STPのまとめ

STPは、マーケティング戦略を立てる際の基本的なステップです。
市場を細かく分け、最適なターゲットを選び、そのターゲットに合った製品やサービスを提供することで、より効果的な広告やマーケティングが実現できると言われています。

3ステップと分かりやすい考え方ですので、覚えておくといいです。

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