X(旧Twitter)が広告主の信頼を失っている。
という話題が増えています。
本日は、Xを取り巻く状況について、整理してみましょう。
Xが信頼を失ってきている背景
かつては多くの広告主にとって欠かせないプラットフォームだったX(Twitter)・・・
しかし、2022年にイーロン・マスク氏がTwitterを買収し、Xと名前を変えてから、その雲行きは怪しくなってきました。
広告主の信頼が大きく揺らぎ始めたのです。
様々な要因がありますが、最たるはイーロン・マスク氏の個性でしょう。
過激なリーダーシップは頻繁に物議を醸し、
プラットフォーム上でのヘイトスピーチや不適切なコンテンツの増加を許してしまったのです。
これにより、多くの広告主が広告を停止する事態が発生しました。
最近では、韓国のヒュンダイが、反ユなダヤ主義的なコンテンツの隣に広告が表示されたと、広告を一時停止しました。
また、マスク氏の発言や行動が広告主に対して無礼と受け取られ、信頼が失われる事態も少なくありません。
信頼の回復に向けた努力
信頼を取り戻すため、Xは何もしていない訳ではありません。多くの努力を重ねてきました。
この信頼回復に受けて、重要な役割を果たしているのが、ダブルベリファイ(DoubleVerify)とIntegral Ad Science(IAS)という2つの企業と言われています。
一方、
Xはこれらの企業と提携することで、広告の安全性を確保し、広告主が安心して広告を出稿できる環境を整えようと努力をしました。
具体的には、広告が不適切なコンテンツと一緒に表示されないようにするための、
フィルタリングシステムを導入し、広告主がどこに広告が表示されるかを細かく管理できるようにしたのです。
Xの努力はどの程度効果ができているか?
しかし、これらの努力が十分かと言えば、そうとは言えない状況です。
多くの広告主は依然として慎重な姿勢を崩していない様な状況です。
特に大手広告主の中では、Xへの信頼を完全に失い、他のプラットフォームに移行する動きが広がっていると言えます。一度失った信頼を取り戻すのは非常に大変なのです。
例えば、グッドアップル(Good Apple)のエリック・ハミルトン氏は、
「今年は、どこにもキャンペンに“X”を含めていない。それをやろうかと思い始めると、とにかく毎回何かしら問題が発生するからだ」と述べています。
広告主のXに対する考え方
広告主たちは、Xをリスクが高いプラットフォームと見なしていると思われます。
要因は、信頼していたデータ提供者が誤ったデータを提供したことや、
プラットフォーム上で不適切なコンテンツが増えたことが影響しています。
Xを利用している人であれば、最近コンテンツの低下を感じているでしょう。
その結果、広告主はXを避ける傾向が強まっているのです。
確かに品の良くない広告を良く見かけます。
また、広告主がXでの広告出稿を避ける理由は、
単に安全性の問題だけでなく、ROIの低下やオーディエンスの変化も一因と言われています。
では、広告主はXに何を求めてるのでしょうか?
広告主がXに求めること
広告主がXに求めるのは、確かな安全性と信頼性の担保です。
広告主は、「自分たちの広告が適切なコンテンツと共に表示されること」
そして、プラットフォームが「不適切なコンテンツを徹底的に排除すること」
を望んでいると言えます。
また、広告ですので、『ROI※』の向上も重要なポイントです。
広告主は、投資した広告費用に見合ったリターンを期待しています。
Xが広告主の信頼を取り戻すための課題の整理
Xが広告主の信頼を取り戻すための課題は1つではありません。
まず、プラットフォーム上のコンテンツ管理を強化し、
ヘイトスピーチや不適切なコンテンツを排除することは不可欠でしょう。
また、信頼性の高いデータ提供者と提携し、広告主に正確なデータを提供する必要があります。
さらに、ROIを向上させるための施策を講じることも重要です。
Xの競合の登場
Xが信頼を失っている間にライバルも出現しています。
競合プラットフォームの台頭も見逃せません。
Metaの『Threads』はその良い例でしょう。
急速に勢いを増しています。
『Threads』は月間アクティブユーザー数が1億5000万人に達しており、
広告の世界でも無視はできません。
Xの全世界の月間アクティブユーザー数は5億5000万人と言われていますので、
まだ差はありますが、このような状況が続けばどうなるか?分かりません。
Xのまとめ
Xは広告主の信頼を失っている側面があるとはいえ、
一部の広告主やユーザーからの支持は健在です。その拡散性も魅力です。ユーザーからの支持がある限り、広告主も無視できません。
今後のXの動向には引き続き要注目です。
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