「世帯視聴率」から「個人視聴率」への移行とその意義

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今日はテレビの視聴率について考えてみます。

テレビ番組の評価を測る尺度として「視聴率」が一般的な用語として使われているのはご承知の通りです。

しかし、昨今その測定基準が「世帯視聴率」から「個人視聴率」へと、段々とシフトしています。
ダウンタウンの松本氏もテレビで時々発言しているので何となくご存知の方も多いでしょう。
今回はこの二つの視聴率の違いについて、そしてなぜ「個人視聴率」が重要になってきているのかについて考えてみます。

世帯視聴率と個人視聴率の違い

まず、「世帯視聴率」とは何でしょう?
これは『テレビを視聴している全ての世帯の中で、特定の番組を視聴している世帯の割合』を表します。

 

世帯視聴率とは

例えば、“世帯視聴率が20%”という場合、
この数値は、視聴可能な全ての世帯のうち、その番組を視聴している世帯が全体の20%であることを示しています。
これは簡単ですね。
この「世帯視聴率」は長い間、番組の人気や影響力を測る主要な指標として使われてきました。

一家皆で食卓を囲んで、テレビを見るのが普通だった昔の習慣に準じています。


ゴールデンタイムやプライムタイムが高額な広告料金が設定されいるのも、この考えが根底にあります。
(ゴールデンタイムとプライムタイムの詳細は最後に説明します)

しかし、今の世の中では「世帯視聴率には限界がある」という考えが主流になってみました。

例えば、1つの世帯に4人の家族がいて、そのうち1人だけが特定の番組を視聴しているとしましょう。
この場合、その番組の視聴者は実際には世帯全体の25%にすぎません。
しかし、「世帯視聴率」で計算すると、この場合の視聴率は100%と計測されてしまいます。
このような理由から、より正確な視聴者数を把握するための新しい指標が求められてきました。

それが「個人視聴率」です。

個人視聴率とは

「個人視聴率」は、
個々の視聴者を対象とし、特定の番組を視聴している人々の割合を計算することを目的とします。

つまり、個人視聴率が20%であれば、全視聴可能な人口の20%がその番組を視聴していることを意味します。

前述(世帯視聴率)の例で言えば、1つの世帯で1人だけが特定の番組を視聴している場合、
その「個人視聴率」は、4人家族の中の1人が視聴しているので、25%となり、実際の視聴状況をより正確に反映していると言えます。

この数値を膨大な調査数を積み重ね全体の個人視聴率を算出します。

上記のように、近年、視聴状況が多様化し、一つの世帯内でもテレビ視聴の嗜好が分かれる傾向にあります。
そのため、各々の視聴者の行動を把握する「個人視聴率」の方が、番組制作者や広告主にとって有益な情報を提供できます。
このことで、特定のターゲット層へのアピールや、広告の投下戦略など、より細かな視聴者分析が可能となります。

また、デジタル技術の進化により、個々の視聴者の視聴行動をより正確に追跡する技術も開発が進んでいます。
これにより、「個人視聴率」の測定がより実現可能になり、以前よりも正確な視聴者数の把握が可能となってきています。

しかし、世帯視聴率もまだ指標としては重視されています。

 

世帯視聴率が重要視される例

特定の番組が、広範な視聴者層にアピールしているかを測るためには、
依然として世帯視聴率は有用と言われています。

世帯視聴率は、その番組が家庭ごとにどれくらいの割合で視聴されているかを示す指標です。
番組の視聴率が高ければ、多くの家庭で視聴されていることがわかります。
広範な視聴者層にアピールする番組は、多くの家庭で視聴されるため、世帯視聴率は依然として重要な数値となっているのです。

例えば、ある番組が、
さまざまな年齢層、性別、職業、趣味・興味など、多様な視聴者に対して見られるようになっている状態です。
幅広い層の視聴者から視聴されている場合、その番組は「広範な視聴者層にアピールしている」状況と言えます。

つまり、幅広い年齢層や性別、職業、趣味・興味を持つ視聴者がその番組を見るようになっている場合、
その番組は社会全体での共通の関心を引き起こしていると言えます。

世帯視聴率は、ある番組が家庭ごとにどれくらいの割合で視聴されているかを示す指標です。
番組の視聴率が高いということは、多くの家庭がその番組を視聴しているということを意味します。

広告主は広告費をかけて多くの人々にアピールしたいと思っています。
広範な視聴者層にアピールする番組は、多くの家庭で視聴されるため、
広告主はその番組に広告を出すことで多くの視聴者にアプローチできる可能性が高まると考えるからです。

広範な視聴者層にアピールする番組は、異なる年齢や性別、職業などを持つ人々に対して商品やサービスを訴求する機会を提供してくれます。

したがって、特定の番組が広範な視聴者層にアピールしている場合、
その番組の世帯視聴率が重要な役割を果たすのです。
世帯視聴率が高い番組は、多くの家庭で視聴されるため、広告主はより多くの人々にアピールできる機会を得ることができます。

世帯視聴率と個人視聴率のまとめ

上記のように、「個人視聴率」が重要視される中で「世帯視聴率」も引き続き重要な役割を果たしています。

まとめると、「世帯視聴率」から「個人視聴率」へと視聴率の考え方が変わってきたのは、
社会の多様化とデジタル技術の進化が大きな要因となっています。

これら2つの視聴率は、それぞれ異なる視点から番組の影響力を測るための重要な指標であると言えるでしょう。

 

ゴールデンタイムとプライムタイム

 

テレビのゴールデンタイムとプライムタイムは、視聴者数が最も多く、人気のある番組が放送される時間帯を指しています。た

ゴールデンタイムは、通常、夕方から夜にかけての時間帯です。
具体的な時間帯は地域や放送局によって異なりますが、
一般的には午後7時から午後10時までです。
この時間帯は、仕事や学校が終わり、多くの人が家に帰り、テレビを視聴する時間帯とされています。

ゴールデンタイムの特徴は、幅広い視聴者層をターゲットにしたバラエティ番組やドラマ、ニュース番組などが放送されることです。
これは、家族やカップル、友人などが集まり、一緒にテレビを楽しむ時間帯とされています。

一方、プライムタイムは、ゴールデンタイムよりもさらに視聴者数が集中する時間帯です。
通常、午後8時から午後11時までの時間帯を指します。
この時間帯は、特に人気番組や大型イベントが放送されることが多く、視聴者の関心が高まる時間帯とされています。

ゴールデンタイムとプライムタイムは、テレビ番組の放送時間帯としての特徴と人気のある番組の放送が集中する時間帯としての特徴を持っています。
地域や放送局によって若干の違いがある場合もありますが、一般的にはテレビの中でも特に注目される時間帯です。

よって、この時間帯のCM料金は他の時間帯より高額で人気の高い広告枠となっています。

テレビ視聴の新しい考え方(マルチスクリーン)に続きます。

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