広告業界と他業種の市場規模比較:広告の本当の価値とは?(2025年度最新版)

広告費・市場データ

広告業界の市場規模を知る意義

広告業界の市場規模は約7.67兆円(2024年度)。

これは、日本国内の主要業界と比較しても決して小さくありません。しかし、多くの人は広告業界の本当の市場規模や影響力を理解していません。

本日は、広告市場の規模を他業種と比較し、その重要性について詳しく説明いたします。

広告市場の現状(2025年度最新データ)

2023年の日本の広告市場は約7.67兆円と推計されており、特にインターネット広告の成長が著しい状況です。

電通の最新の広告費レポートによると、インターネット広告費は3.65兆円を超え、マスコミ4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)を上回る規模となりました。デジタル広告の急成長により、広告業界は今後も大きな影響力を持ち続けると考えられます。

主要業種との市場規模比較(2025年最新データ)

以下は、日本国内の主要業種の市場規模ランキング(2025年)です。

順位 業界 市場規模(億円)
1 卸売(メーカーや生産者から商品を仕入れ、小売業者や企業向けに販売する業態) 1,074,409
2 電気機器 788,670
3 金融 658,885
4 自動車 657,148
5 小売 623,573
6 総合商社 539,456
7 専門商社 471,462
8 自動車部品 345,551
9 生命保険 339,127
10 化学 312,061
11 機械 311,915
12 通信 304,729
13 銀行 279,586
14 サービス 279,021
15 電力 214,141
16 食品 205,977
17 石油 198,052
18 スーパー 178,425
19 建設 169,788
20 IT 164,557
21 鉄鋼 163,221
22 鉄道 156,886
23 不動産 154,708
24 非鉄金属 130,957
25 運送 128,264
26 携帯電話 125,449
27 製薬 124,633
28 電子部品 124,175
29 食品卸 113,408
30 損害保険 106,307
31 医薬品卸 105,287
32 住宅設備 100,529
33 造船重機 93,189
34 リース 92,913
35 建設機械 89,287
36 金属製品 80,073
37 家電 78,316
38 広告 76,730
39 ドラッグストア 68,674
40 ゴム・タイヤ 65,506
41 地方銀行 64,819
42 半導体 63,405
43 OA機器 61,772
44 アパレル 60,379
45 家電量販店 60,235
46 飲食 56,315
47 玩具 55,433
48 インターネット(LINEヤフー、楽天など) 55,366
49 精密機器 54,134
50 ゲーム 53,252

 

※インターネット業界は55,366億円の48位です。意外に感じるかもしれませんが、日本のインターネット関連企業の市場規模は卸売や金融に比べると小さいです。例えば、LINEヤフーの2024年度の売上は約1.8兆円、楽天は約1.9兆円と、それなりに大きいですが、全産業の規模と比べると相対的に低くなります。

 

広告業界の位置づけと意外な規模感

広告業界は市場規模76,730億円で38位に位置しており、地方銀行(41位 64,819億円)よりも大きい規模を誇ります。意外に感じるかもしれませんが、これは広告がほぼすべての業種に関わる重要なビジネスであることを示しています。

例えば、製造業が新しい商品を発売する際、販売促進のために広告を活用します。同様に、飲食業や旅行業も広告を使って集客を図るため、広告業界の市場規模が一定の規模を維持しているのです。

また、日本国内には広告代理店が多数存在しており、2007年時点で約5,000事業所が報告されています(※現在はさらに増加している可能性あり)

このうち、電通や博報堂などの大手広告代理店が市場の大部分を占めており、広告費全体の半数以上を彼らが担っているとも言われています。

他業種と比較しても、広告代理店の存在感は際立っています。たとえば、ドラッグストア業界の市場規模は約6.9兆円、スターバックスのようなカフェチェーンを含む飲食業界は5.6兆円程度とされており、広告業界はそれらを上回る規模感を持ちます。

さらに広告は、その市場規模以上に経済全体へ与える影響力が大きいという特性があります。広告を通じて他業種の売上が伸びる構造があるため、「広告業界=経済の潤滑油」と言えるでしょう。

 

■ なぜ「広告業界=経済の潤滑油」なのか?

    1. 広告は「他業種の売上を間接的に押し上げる力」がある
      広告業界は、自らが何か「モノ」を作って売っているわけではなく、他業種の商品やサービスの「販売促進」を行います。

      たとえば:
      ・自動車メーカーがTVCMを出せば、自動車の売上が増える
      ・飲食チェーンがSNS広告を打てば、来店者数が増える
      ・保険会社がリスティング広告を出せば、資料請求や加入が増える

      → つまり、「広告=売上アップのスイッチ」になる

 

    1. 広告は多くの産業に横断的に関与している
      広告を出す企業は、自動車、食品、金融、不動産、教育、IT、観光、すべての業種にまたがります。
      どんな業界も「誰かに知ってもらう必要」があるため、広告と無縁ではいられません。

      → 広告業界が活発になるほど、経済のあらゆる業種の活動も活発化する

 

  1. 広告は“需要喚起装置”として機能する
    人々が「欲しい」と思うきっかけの多くは、広告が作り出します。

    ・テレビCMで見て「欲しい」と思った
    ・YouTubeのプレロール広告で「知った」
    ・SNSのインフルエンサー投稿で「買ってみた」

    → 消費行動の“火付け役”であるため、消費の総量を押し上げる力がある

 

広告業界と他業種の市場規模比較まとめ

広告業界の市場規模は約7.3兆円で、他業種と比較しても決して小さくありません。広告は企業の成長を支える重要な要素であり、特にデジタル広告の進化により、今後もさらなる発展が期待されます。

広告業界の市場規模を理解することで、よりビジネス戦略に活かせる情報として活用してください!