広告内容がメディア間で統一される『メディアミックス』、複数のメディアを横断して情報を発信する『クロスメディア』
一見似ているように思える『メディアミックス』と『クロスメディア』ですが、考え方は大きく異なります。
今日は、それぞれの例も記載し、それぞれの違いを分かりやすくお伝えいたします。
メディアミックスとクロスメディアの違い
『メディアミックス』は、多くの人々に広告メッセージを届けることを重視し、そのために複数のメディアを活用します。
その際、広告内容はメディア間で統一され、各メディアが独立してメッセージを完結させることを目指します。
一方で、『クロスメディア』は、ユーザーが複数のメディアを横断して情報を得る現代の行動パターンを前提としています。
メディア間での相互補完性を重視し、異なるメディアが連携してユーザーを行動に誘導することを目指します。
インターネットの普及とスマートフォンの浸透により、広告メッセージから購入に至るユーザーの行動パターンは大きく変わりました。
その結果、広告戦略も『メディアミックス』から『クロスメディア』へとシフトしていると言えます。
それでは、それぞれの具体的な例をお伝えします。
メディアミックス:マスメディア時代の広告戦略
新製品のリリースを控えた飲料会社がメディアミックス戦略を採用したとします。
会社は同時に「テレビCM」「新聞広告」「雑誌広告」「ラジオ広告」そして「交通広告」などを展開し、
新製品の情報を一貫したメッセージで伝えます。
この時、各メディアでの広告はそれ自体で完結しており、
見聞きした人々が新製品について知るために他のメディアを必要としません。
上記のように、メディアミックス戦略は、伝統的なマスメディアが主流であった時代に効果的でした。
しかし、今日では消費者は情報を取得するためにさまざまなデバイスとプラットフォームを使い分けています。
そのため、広告メッセージは一貫性を保ちつつも、各メディアの特性やユーザーの行動パターンに合わせた形で訴求されるべきです。
この考えに準じて登場したのが、『クロスメディア戦略』です。
クロスメディア:デジタル時代への対応
同じく新製品のリリースを控えた別の飲料会社がクロスメディア戦略を採用した場合、
異なるメディア間で連携した広告活動を行います。
初めに、テレビCMで新製品を紹介し、視聴者の関心を引きます。
そのCMの中で、詳細な情報や特別なプロモーションについては会社のウェブサイトやソーシャルメディアページを訪れるよう促します。
視聴者や読者がその指示に従うと、
ウェブサイトやソーシャルメディア上で詳細な製品情報、レビュー、または特別な割引コードなどを提供します。
さらに、これらのオンラインプラットフォームから直接製品を購入するためのリンクが提供されるかもしれません。
クロスメディア戦略では、
上記のようにウェブサイトやEコマースプラットフォームで購入につなげるといった連携が主流になってきています。
これにより、消費者は『自身の情報探求行動に合わせて、必要な情報を得る』ことができます。
上記のこれらの例は、メディアミックスとクロスメディアがいかに異なる広告戦略を提供するかを示しています。
どちらの戦略を選択するかは、企業の目標、ターゲットの消費者行動、そして利用可能な広告チャンネルなどによります。
メディアミックスとクロスメディアのまとめ
消費者が情報を得る為の行動が変化し続ける今日、広告戦略もまたその変化に対応するために進化し続ける必要があります。
メディアミックスからクロスメディアへの移行はその一例であり、
これからも新たなメディアの台頭や消費者の行動変化に対応した戦略の変化が求められるかもしれません。
しかし、現時点において、『クロスメディア戦略』は王道であり、効果の高い戦略です。
広告はメッセージを伝える手段であり、その手段が効果的に機能するためには、
その時代のメディア環境と消費者の行動に適した戦略を選択することが重要です。
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「クロスメディア」と同時に「トリプルメディア」という考え方も覚えておきましょう。
また、『4P理論』と『4C理論』の違いに関しても、一緒に覚えておきましょう!
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