日本の広告費は10年間でどのように推移したか?

広告費の推移

日本の広告費10年間の推移について

 

2005年~2014年の10年間の日本の広告費の推移を検証してみましょう!

売上

日本の広告費は毎年電通より発表されます。2005年から2014年までの10年間を振り返り、
その推移と傾向をまとめてみました。
時系列で俯瞰することで、広告が時代の流れの中でどのように変化してきたのか把握できます。

 

日本の広告費総額の推移

2005年から2014年の日本の広告費は6兆円が目安になります。
2005年から2007年に掛けては広告費は増加を続けていますが、2008年のリーマンショックで一気に減少します。
2009年には東日本大震災の影響もあり5兆円台まで減少します。

その後、2012年より再度復調傾向となり、2014年に再び6兆円台に復活します。
10年前の規模までは回復はしていませんが緩やかなV字回復傾向と言えます。

 

復調の要因

V字回復の要因はインターネット広告です。
マスメディアを中心とする既存の広告費はV字回復とは無関係であることは認識しておきましょう。
マスメディアの売上が少しずつインターネット広告へと流れる状況が毎年続いています。

 

全体の流れ

  • 2005年~2014年の10年間で日本の広告費は約10%、6,713億円減少しています。
  • マスメディアの減少額は全体の数値を大きく牽引する要因となり、10年間で25%、9,232億円のマイナスを計上しています。
    中でも新聞広告費の比率が大きく50%弱、4,320億円のマイナスで、マスメディアの減少額の約5割を占めています。
    新聞広告より規模の大きいテレビ広告費の減少額が2,064億円ですので、新聞広告はテレビ広告の4倍のスピードで落ち込んでいると推測することができます。
  • インターネット広告費の増加率は280%です。金額にして6,742億円です。
    新聞広告費と雑誌広告費のマイナス分の合計が、6,662億円でほぼ同額となっていることから、
    まさに、紙からインターネットへと広告費が流れていることが判断できます
  • SP関連は全体で19%、4,953億円のマイナスです。
    中でも折込広告のマイナスが26%で1,729億円となり全体の35%を締めています。
    新聞の落ち込みが折込みにも影響していることが分かります。合計すると新聞関連で6,000億円を超える減額となります。

媒体別に検証!

 

テレビ広告費

テレビの広告費は2005年から2014年の10年間で10%、金額にして2,064億円のマイナスです。
一方では、広告費全体に占める割合は平均して25%をキープしています。

テレビ広告が広告プランニングの中心を担っている状況に変わりはありません。

音声と映像で全国に一斉に訴求が出来るメディアではテレビ広告に優る媒体はありません。

インターネットに抜かれる日はくるか?2006年に「 テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0」という本が販売されました。

非常にインパクトがあり本屋ですぐに手に取ったのを覚えています。
「ちょっと大袈裟すぎるな」というのが当時の正直な印象でしたが、予想を上回るスピードで市場は変化しており本の指摘する方向に世の中が向かっているのは間違ありません。

今でも非常に参考になる良書です。インターネット広告がテレビ広告を抜くには確実な状況です。

今後テレビは、インターネットと融合するの自然の流れです。
Youtube、有料のインターネットテレビ、地上波、BS、CSなどが融合されて、動画媒体というジャンルが確立されるのではないかと予想できます。

 

新聞広告

新聞の広告費は10年間で半分の規模にまで縮小しました。

10年前は1兆円を超える市場で、テレビ広告と並ぶ広告業界の雄として君臨していましたが、10年間で4,000億円を超える減額となり、市場は6,000億円まで縮小しました。

まさに広告業界と言うより日本を代表する斜陽産業です。

今後も、新聞広告がV字回復する可能性は100%ありません。

紙媒体の収入に頼らないビジネスモデルへの早急な対応が必要です。
事業規模を縮小するか、数社に淘汰されるか、新しい事業を開始するか?倒産するかの選択肢が待っています。
オリンピックを境に新聞社倒産もしくは吸収合併のニュースが流れる可能性は高いでしょう。

 

ラジオ広告

ラジオ広告は10年間で20%減少しています。
2012年からはほぼ変化がありません。ラジオ広告の売り上げは下げ止まりしたと予想しています。
ポットキャストやラジコの普及、スマートフォンでのラジオ視聴が増加傾向です。

イベントやSNSとの親和性も高く、リスナーとの距離感の近さは新たなビジネスモデルの可能性があります。

地域に密着したイベントなどにも効果的なメディアです。

 

災害時の活用

ラジオの特性として災害時の活用があります。東日本大震災時に改めてラジオの重要性が再認識されました。

小型であり、充電するだけで長時間視聴することが出来る為に、多くの被災者の方が助かったと言われています。
今後も被災時の緊急情報などには欠かせない媒体です。災害時での各ラジオ局の役割分担などの取り組みも積極的に実施しています。

 

 

雑誌広告

雑誌の広告費は10年間で約半減となりました。
2012年からは下げ幅が減少しています。
10代から20代の若年層は雑誌を読まない傾向にありますが、30代から50代のコアなファンに支えられています。

この年代では部数が増えた雑誌もあります。
同じ紙媒体でも、明るい材料が皆無の新聞社とは異なります。
雑誌と比較すると書籍は比較的減少のスピードが遅く、今後は書籍が出版社において重要なポジションを占めることになります。

 

電子書籍や電子雑誌は救世主となるか?

電子書籍や電子雑誌の普及は出版業界の大きな課題です。
しかし、電子書籍が紙媒体の代替として普及することは広告収入が減少することを意味しています。

紙媒体の場合、女性誌でカラー1ページの広告料金が平均して200万円レベルになりますが、スマートフォンのバナーでは料金を大幅に下げる必要があります。

出版社としては紙媒体の販売と電子雑誌・電子書籍への移行の狭間で苦慮している状況です。

広告のプランニングの時に雑誌広告を活用する場面は数年前より大きく減りましたが、雑誌に掲載したことで来店客が増加している例は多々あります。ターゲットがはっきりしている商品やサービスの場合は有効的な広告メディアです。

 

インターネット広告

インターネット広告は順調に成長を続けています。2006年には雑誌広告を抜き2009年には新聞広告を抜きました。
2014年も前年比112%で1兆円の大台に乗せました。新聞広告にダブルスコアをつけるのも時間の問題です。

まさに、10年間で新聞広告と立場が入れ替わった状態です。
スマートフォン市場の拡大や動画を中心とした新たなビジネスモデルの導入、SNSの普及など、明るい材料が多く、市場の拡大は今後も継続します。

 

インターネット広告の未来


10年前にスマートフォンの普及を予想出来なかったように、インターネットがこの先どこまで発展していくのかは誰にも想像は出来ません。
予想出来る方向性としては、その人にとって興味のあるターゲティング広告が、より良いタイミングで提供されるようになり、瞬時にその人が興味のある商品の在庫状況までが把握出来るようになるはずです。

その人の趣味趣向の変化まで敏感に把握出来るようになるのではないかと思います。

人工知能も積極的に活用されるでしょう。

24時間いつでもどこでもスマートフォンを起点にその人の情報が、近隣の店舗にまで提供されるようになります。
テキストから動画へのシフトも続きます。いずれは動画の情報がテキストを抜きます。

車のナビゲーションや家電製品とスマートフォンの連動も始まります。医療や介護、警備もスマートフォンで全て管理出来るようになります。

インターネット広告以外の広告媒体の申込みもインターネットを介して完了するようになります。
入札方式で金額の交渉も可能ですので、広告媒体の申込みに広告代理店が介在する必要が無くなっても不思議ではありません。

インターネットにできないことはありません。広告業界はインターネットの発展と比例して大きく変化を遂げていくことになります。

SP関連

SP関連は平均してマイナス傾向が続いています。
これからは、スマートフォンとの連動など、新たなビジネスモデルを構築することが必要となってきます。
OtoO(オンラインtoオフライン)が今後のポイントになります。

 

まとめ

広告業界はインターネットを中心としたビジネスモデルが確立されてきました。
マスメディアやSP関連のプランニングもインターネットを連動した方法で機能するようになります。Webマーケティングが今後の広告業界の流れになることは間違いありません。

日本の広告費2015年度版はこちら

 

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コメント

  1. ドルジ より:

    堅調なネット広告ですがPC広告に限って見ると、
    実は2016年は2012年比でマイナス1700億円と激減してるんですよね
    だから正確には「スマホ広告」と表現するのが正しいのかも知れません
    特にYouTubeと言った動画広告はますます伸びそうです

    • koukokuman より:

      なるほど。そうですね。PCからスマホへ。そして動画が当たり前のように
      生活の一部になってきています。
      しかし、仕事などではパワポなど必需品なのに不思議ではありますね。

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