出版社のビジネスモデル

広告業界の基礎知識

出版社のビジネスモデルとは

 

流行の情報発信メディアとして、またマスメディアの中心的な広告媒体として広告業界をけん引してきた出版社。

しかし、そのビジネスモデルはあまり知られていません。

集英社などの大手出版社が有名ですが、実際の出版業界は多くの中小企業により構成されています。

 

 

出版社の企業構成

日本国内の出版社は多くの中小企業で構成されています。
全ての企業数を合算すると、3500社を超える企業が存在します。

出版社を構成するのは中小企業であり、資本金5000万以下の出版社が約90%を占めています。

1000万円~5000万円規模が最も多く約57%、次に多いのが1000万円以下で約32%。
資本金が5000万円を超える出版社は全体の10%程度しかありません。

 

 

出版社の従業員構成

 

従業員数も企業規模同様に少人数の出版社が大多数です。
最も多いのが4人以下の出版社で全体の約49%を占めています。
なんと半数の出版社は社員数が4名以下です。

続いて5人から9人の規模の出版社が約25%、10人から29人規模が約16%となっています。
結果として、全体の90%の出版社の社員数が50人以下となっています。

 

 

出版社の売上規模構成

では、出版社の売上規模はどうなっているでしょうか?

年間売上高で最も多いのは、3000万円~1億円で約33%。
1千万円~3000万円が約25%。1億円~10億円が約21%、そして1千万円以下が約14%を占めています。
年間売上規模が10億円を超える出版社は全体の10%未満しかありません。

 

 

出版社の収入内訳

出版社の収入の多くは、

  • 『書籍販売収入』
  • 『雑誌販売収入』で構成されています。

書籍販売収入で約48%、雑誌販売収入で約27%となり全体の75%と占めています。
続いて広告収入となり約13%となります。

思ったより広告収入に依存していないことが分かります。

その他の売上としては、出版社はアニメなどで多くの版権を持っています。

そのロイヤリティ収入もビジネスモデルとして存在しています。

 

 

創刊誌と休刊誌の割合

 

出版社は創刊と休刊を繰り返して成長してきました。

2005年以前は休刊誌よりも創刊誌の割合が多くありましたが、
2006年以降は休刊誌の割合が多くなっています。

2005年と2014年を比較すると、2005年は、創刊201誌、休刊140誌となり、2014年では、創刊87誌、休刊169誌と逆転しています。
10年間で創刊誌が43%に減り、休刊誌が120%に増えたことになります。

 

 

電子雑誌の成長

紙媒体の減少に伴い、電子雑誌の部数は成長を続けています。
2011年時では17誌(9045部)しかありませんでしたが、
2015年には62誌(144139部)まで増加しています。

出版社におけるデジタル化も2011年以降急速に進んでいると言えます。

電子雑誌の最も多いのはNHK出版です。
KADOKAWA、日経BPなども積極的です。小学館、集英社、講談社などはNHK出版と比較するとかなり遅れています。

 

今後の展開

 

出版業界をけん引しているのは2大グループです。

 

2大グループとは、

 

  • 音羽グループ(講談社、光文社、キングレコード、星海社など)
  • 一ツ橋グループ(小学館、集英社、祥伝社、白泉社など)です。

 

当面は資金力のある2大グループが出版業界をけん引すると予測されます。

デジタル化が進むことで、印刷費用や販売ルートの確保などの費用が大きく軽減されるようになります。

今後は資金力の少ない中小の出版社でも今まで以上に大きなビジネスチャンスをつかむことが可能となってきました。

今後の出版業界は、資金力が全てでは無くなります。
ネット販売というルートが開拓されたことで、生活者に受け入れられるコンテンツがあれば、
会社の規模に関わらずチャンスをつかむことができる業界に変貌を遂げていくことになるでしょう。

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