2018年の世界の広告費成長率の予測
電通イージス・ネットワーク社(ロンドン)より、2018年度の世界の広告費成長率の予測が発表されました。
2018年度は、5,895億ドルとなり、前年比で3.6%の成長と予測しています。
ポイントは3つです。
①2018年は世界の広告費に占めるデジタル広告費の比率がテレビ広告費を上回ると予測
日本では2018年度にデジタル広告費がテレビ広告費を逆転することはありませんが(数年内には逆転します)
日本よりデジタルの普及が進んでいる世界では一歩先に逆転をすることが予想されています。
日本にいると、日本は先進国だと認識してしまいますが、
デジタル分野では、欧米だけでなく、東南アジア・インドなどにも遅れを取っている可能性が非常に高いです。
②GDPの伸び率と広告費の伸び率が比例しなくなっている
広告費の伸び率とGDPの伸び率は比例するのが普通です。
これは、売上や利益に対する広告費の割合が多くの会社で決まっていることが要因です(広告費は売上の10%とか)
広告費の伸び率よりも、
GDPの成長率が高いということは、広告費と売上の関係性が弱くなってきていることを意味しています。
つまり、広告をしなくても売上が上がってしまう現象が起きているとも言えます。
要因としては
- デジタルの普及による広告配信の効率化
- スマートフォンの普及による売り場に直結したプロモーション活動への移行
- 広告から販促の流れ
- アナログメディアの衰退
- 無料で活用できるSNSの台頭
などが考えられます。
従来型の広告展開ではなく、企業独自のマーケティング手法が通用するようになってきているのでしょう。
③業界構図の変化
デジタルの普及と同時に広告業界には新興勢力が台頭してきました。
過去に囚われない全く新しい価値観を持つ勢力の台頭は、広告業界の仕組みを大きく変えています。
広告業界で大きな影響力を持つのは勢力は、テレビ局でもラジオ局でも無くなります。
ましてや新聞社ではありません。今後、影響力を持つのは、GoogleやFacebookなどのプラットフォームです。
特に、企業の検索上位表示を左右するGoogleの経営方針が、広告業界の動きを左右する状況は当面続くことになります。
では、日本では!
日本でも数年以内に(5年掛かりません)デジタル広告費とテレビ広告費は逆転します。
グローバルな流れに沿って早まる可能性もあります。
デジタル広告費が広告業界の中心になるということは、どういうことになるか?というと!
【データ分析能力】と【デジタル分野のコンサルティング能力】を持つ広告代理店のニーズが高まるということです。
しかし、このような能力を持つ広告代理店は少数です。一部の広告代理店に仕事が集中していくでしょう。
完全な人手不足状況が発生することになります。
広告主は、【自社で運用するか】【外注するか】の選択肢の中で混乱することになります。
広告代理店のビジネスチャンスは無限大と言えます。
この状況をピンチと捉えるか?チャンスと捉えるか?で広告代理店の未来は変わります。
全ての広告代理店は、デジタルの普及に備えなければいけません。
やはり、様々な局面で起きている現象は、
【広告代理店の未来は明るい】
ことを示唆していることは間違いありません!