毎年成長を繰り返してきた『インターネット広告』
過去20年を振り返って、成長してきた過程の振り返りと、今後の予測をしてみましょう。
インターネット広告の推移(2003年から2024年)
インターネット広告は、過去20年間で急速に成長しました。
2003年から2023年までの市場規模の変化を振り返ってみます。
(広告費の計算方法は定期的に変更になります。見方によって若干数字は異なることはご了解ください)
- 2003年: 20年前の2003年。日本のインターネット広告市場規模は約2000億円でした。
インターネットが一般的な存在となり始め、企業がその広告効果を認識し始めた時期です。 - 2005年: 市場規模は約3500億円に拡大しました。2年間で倍に近い成長をしています。
この拡大要因は、『Google AdWords』や『Yahoo!の検索連動型広告』の登場です。
「どっちがいいんだ?」と二択で迷われていた記憶のある方も多いでしょう。 - 2010年: 市場規模は約1兆円に成長しました。
この頃からSNSの普及が始まり、『Facebook』や『Twitter』などのプラットフォームが広告市場に参入しました。 - 2015年: 市場規模は約1兆兆000億円に達しました。テレビCMを抜くのも時間の問題かと言われ始めたのもこの時期です。
この頃の大きな成長要因は、モバイルデバイスの普及です。モバイル広告が大きな成長を遂げました。
また、ビデオ広告やプログラマティック広告などの新しい広告形態が登場しました。 - 2019年:インターネット広告費は2兆048億円になり、
テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)の1兆8612億円を超える節目の年となります。 - 2020年: 市場規模は約2兆4000億円になりました。
コロナ渦の影響で、オンライン消費が増加し、企業がデジタル広告への投資を増やしまし。
コロナ渦で各メディアがマイナスとなる中、インターネット広告に大きなダメージはありませんでした。 - 2022年: インターネット広告費は3兆9120億円に達し、
日本の総広告費全体の43.5%を占めています。50%が目前となってきています。
インターネット広告市場の拡大要因を整理すると下記の通りです。
- インターネット利用者数の増加:
インターネットが普及し、利用者数が増加することで、企業はオンライン上での広告活動を重視するようになりました。 - スマートフォンの普及: スマートフォンが世界中で普及し、モバイルデバイスを通じた広告が増加しました。
これにより、広告主はモバイルユーザーにターゲットを絞った広告を配信することが可能になりました。 - ソーシャルメディアの台頭: Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォームが広告市場に参入し、
広告主に新しいターゲティング手法を提供しました。 - オンライン消費の増加: オンラインショッピングやデジタルサービスの利用が増えることで、
企業はオンライン広告によって消費者にアプローチする必要性が高まりました。 - 広告技術の進化: プログラマティック広告や検索連動型広告など、新しい広告技術が開発されたことで、
広告主は効果的な広告キャンペーンを展開することが容易になりました。 - データ分析の活用: 広告効果の測定や消費者の行動分析が容易になり、
広告主はターゲットに合った効果的な広告を配信できるようになりました。
では、最後に今後10年間の予測をしてみましょう。
今後10年間の市場規模の予測
AI(人工知能)はインターネット広告業界に大きな変革をもたらしており、
今後の成長にも多くの影響を与えると考えられます。
AIを中心に、インターネット広告の成長に及ぼす主な影響をいくつか挙げます。
ターゲティングの向上
AIは、消費者のオンライン行動や属性データを分析することで、より正確なターゲティングを実現します。
これにより、広告主は、効果的な広告キャンペーンを展開することができ、広告のコンバージョン率が向上すると予想されます。
広告コンテンツの最適化
AIは広告コンテンツの生成や最適化にも活用されます。
AIを用いた広告コンテンツは、消費者の関心に合わせて動的に変化し、より魅力的な広告を提供することを可能にします。
効果測定と最適化
AIは広告効果の測定や最適化にも大きな役割を果たします。
リアルタイムで広告効果を分析し、最適な広告戦略や配信方法を自動的に選択することが可能になります。
プログラマティック広告の進化
AIはプログラマティック広告の進化を加速させます。
プログラマティック広告は、広告枠の自動売買を行うことで、効率的な広告配信を実現する仕組みです。
AIを活用することで、プログラマティック広告の精度や効率がさらに向上することが予想されます。
顧客対応の向上
AIは、チャットボットや自動応答システムを通じて、消費者とのコミュニケーションを効率化します。
既に多くの場面で使用されるようになっていますが、今後は普通に活用されるようになります。
プライバシーと倫理問題への対応
個人情報の保護はインターネット広告においてマイナス要因だと考えられていますが、
AIは、プライバシーの規制が厳しくなる中、
AIは、個人情報の保護を確保しながら効果的な広告配信方法を実現する可能性があります。
クリエイティブプロセスの効率化
AIは、広告制作のクリエイティブプロセスを効率化することが予想されています。
AIを用いたデザインやコピーライティングツールは、広告制作の時間とコストを削減し、
より多くのクリエイティブを生成するようになります。
AIはインターネット広告業界においても、効率化を実現し、効果測定の向上、プライバシー問題への対応など、
多くの変革をもたらします。このような状況により、インターネット広告市場は今後もさらなる成長が見込まれるでしょう!
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