「2,000GRPを目指しましょう」という提案に、「それで、うちのターゲットにはどれだけ届くの?」と疑問を感じたことはありませんか?
視聴者のライフスタイルが激変した現在、広告戦略の核は「世帯(家)」から「個人」へと移り変わりました。
そこで重要になるのが TRP(Target Rating Point) です。
本記事では、TRPの基本から、最新の取引実務の状況、そして「本当にCMは効いたのか?」を可視化する最新の手法までを体系的に解説します。
30秒でわかる!TRPの重要ポイント
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TRP(ターゲット延べ視聴率)とは、特定の層(F1層など)における個人視聴率の合計。
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GRPとの違い:GRPは「広告の量(世帯)」、TRPは「広告の質・効率(ターゲット)」を測ります。
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取引の現状:現在のスポットCM取引の主流は、世帯ベースから個人ベース(TRP)へ移行が進んでいます。
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2026年の必須視点:TRPで「届いたか」を確認し、ブランドリフト等で「効いたか」を測るのがオススメ。
第1章:GRPとTRPの違い|「量」と「質」を使い分ける
「数字は積んだのに売上が動かない」というミスを防ぐため、まずは2つの指標の役割を整理しましょう。
指標の定義と計算式
| 項目 | GRP(Gross Rating Point) | TRP(Target Rating Point) |
| 基準データ | 世帯視聴率 | ターゲット個人視聴率 |
| 示すもの | 市場全体への投下量(プレッシャー) | 狙った層への到達効率 |
| 計算式 |
各枠の世帯視聴率の合計
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各枠のターゲット個人視聴率の合計
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なぜTRPが標準になったのか?
少子高齢化が進む日本において、世帯視聴率(GRP)だけで判断すると、意図せず高齢者層に広告が偏るリスクが高まります。
若年層や特定のターゲットを狙う商材ほど、「誰に見られているか」を可視化するTRPが、広告費の最適化に欠かせない基準となっています。
第2章:テレビCM取引の実務|契約形態と価格の決まり方
TRPを基準にCMを買う際、知っておくべき3つの購入ルートがあります。
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タイムCM:特定番組のスポンサー。ブランドの信頼構築に最適。
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スポットCM:期間とTRP量を指定。キャンペーンの主役。
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SAS(Smart Ad Sales):15秒・1本単位で枠を指定して購入可能。
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注目: 最近では「1本数万円〜」と、Web広告感覚で始められる局も増えています。
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知っておきたい実務の商慣行
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パーコスト(%コスト):視聴率1%(ポイント)を獲得するための単価。
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スポット費用 = 目標TRP✕パーコスト
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メイクグッド(補填):視聴率は予測値で取引されるため、実測が大きく下回った場合、後日別の枠で補填(メイクグッド)されるのが一般的です。
第3章:戦略的なプランニング|GRPとTRPの「二段構え」
現在、最も賢いとされる活用法は、両指標を使い分ける「二段構え」の設計です。
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社内・流通向け(GRP):「2,000GRP投入!」という数字で、プロジェクトの規模感と本気度を共有する。
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効果検証向け(TRP):「F1層に1,200TRP到達」という数字で、ターゲットへの浸透度とコスト効率を評価する。
営業現場での活用例:
「今回のキャンペーンでは、貴店のメイン客層である30-49歳女性に150TRPを集中投下します。放送直後に高い検索山が発生する設計ですので、エンド棚の確保をお願いします!」
第4章:TRPの先へ|「真の効果」を可視化する2つの調査
TRPは「届いたか」を示しますが、「効いたか(心が動いたか)」は別の指標が必要です。
1. ブランドリフト調査
CM接触者と非接触者をアンケートで比較。「認知度」「好意度」「購買意向」がどれだけ向上したかを数値化します。
2. サーチリフト調査
CM放映直後に、ブランド名や商品名の「指名検索」がどれだけ増えたかを測定します。これはテレビとWebを繋ぐ「行動の証拠」として非常に重視されます。
結論:データ主導のCM戦略で成果を最大化する
2026年現在、テレビCMは「勘」で打つものから、「データ」で設計し、効果を「証明」するものへと進化してきています。
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TRPでターゲットへの到達を担保する。
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SASを活用し、少額から検証を始める。
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サーチリフトで消費者の行動を追いかける。
このステップをは把握しておくことが、広告マンの知識として大切です。
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本記事は、下記記事からの続編となっています。

