「デジタル広告全盛の今、なぜまだGRPの話をするのか?」
広告業界や企業のマーケティング会議で必ずと言っていいほど登場するGRP(Gross Rating Point:延べ視聴率)。
「もう古い指標では?」という声もありますが、実はテレビとWebを横断して広告効果を測る「共通言語」として、その重要性はむしろ増しています。
本記事では、GRPの基礎知識から、TRPとの違い、そして現代の「テレビ×Web」統合マーケティングでの活用法までを徹底解説します。
30秒でわかる!GRPのポイント
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GRP(延べ視聴率)とは、広告の「総接触量」を表す指標です。
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計算式:実務では「各CM枠の視聴率の単純合計」で算出されます。
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TRPとの違い:GRPは「世帯」、TRPは「特定の個人(性年代など)」を対象とします。
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最新トレンド:Web広告のリーチをGRPに換算し、テレビとの「統合リーチ」を測る手法が主流になっています。
第1章:GRPの計算方法|2つの定義を使い分ける
GRPには「考え方(概念)」と「実務(取引)」の2つの側面があります。ここを混同しないことが最初の一歩です。
1. 概念としてのGRP(広告の届き方)
広告が「どれだけ広く(リーチ)」届き、「どれだけ深く(頻度)」接触したかを評価します。
例: 視聴者の40%に届き、1人あたり平均3回見た場合:40✕3 = 120 GRP
2. 実務上のGRP(取引の基準)
日本のテレビCM取引では、放送した枠の「世帯視聴率」を単純に足し算します。
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10%の番組に5回放送 = 50 GRP
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8%の番組に3回放送 = 24 GRP
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合計:74 GRP
第2章:GRPとTRPの違い|「世帯」から「個人」へ
近年、GRPに代わって主流になりつつあるのが、TRP(Target Rating Point)です。
| 指標 | 対象 | 単位 | 主な用途 |
| GRP | 世帯 | 世帯視聴率 | 認知の規模感・流通対策 |
| TRP | 個人(ターゲット) | 個人視聴率 | ターゲットへの効率・購買予測 |
なぜTRPが重視されるのか?
共働き世帯の増加やスマホの普及により、「世帯(テレビがついていること)」よりも「誰が(実際に誰が見ているか)」が重要視されるようになったためです。特に「コアターゲット(13〜49歳など)」への到達を重視する企業では、TRPが共通言語となっています。
第3章:テレビ×Web時代のGRP活用法
現在のマーケティングでは、テレビCMとYouTube・TVerなどのWeb広告を組み合わせて評価する必要が出てきています。そこで「統合GRP(Total GRP)」という考え方が必須になってきています。
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WebをGRP換算する:インプレッション数をターゲット人口で割り、GRP(TRP)に変換。
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重複を排除する:「テレビだけで見た人」「Webだけで見た人」「両方で見た人」を可視化。
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最適配分を見つける:予算をテレビとWebにどう振り分ければ、最も効率よく認知が広がるかをシミュレーションします。
第4章:実務で役立つ!GRPを使った営業トーク
GRPは、社内報告や取引先(バイヤー)との商談で強力な武器になります。
商談での活用例:
「今回の新商品は、発売1ヶ月で1,500 GRPを投入します。これはターゲット層の約8割に3回以上接触する計算です。店頭での指名買いが確実に増えるため、ぜひ棚割り2段分の確保をお願いします!」
このように、「気合が入っています」という抽象的な言葉を、「1,500 GRP」という客観的な数字に変えることで、投資の本気度を伝えられます。
第5章:GRPの限界と注意点
とは言っても、GRPは万能ではありません。以下の3点には注意が必要です。
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「質」は測れない:CMを見て「好きになったか」「買いたくなったか」は別途調査が必要です。
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「偏り」に注意:1,000 GRPあっても、一部のテレビ好きの高齢者だけに何度も届いているかもしれません。
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「エリア差」:関東の100GRPと地方の100GRPでは、コストも届く人数も全く異なります。
結論|GRPは“古くて新しい”共通指標
デジタル広告の運用型指標(CPMやCPC)が増える中で、GRPは、「キャンペーン全体のインパクト」を測る指標として、2026年現在もその価値を失っていません。
GRPを正しく理解し、TRPやWeb指標と組み合わせることで、より精度の高いマーケティング戦略が立てられるようになります。
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