テレビの視聴率測定方法について!
テレビ局の収益を大きく左右するのは『視聴率』です。
多くの方が耳にする視聴率ですが、一体テレビの視聴率はどのように測定しているのでしょうか?
視聴率の調査方法
視聴率の測定方法は、無作為に抽出した家庭に調査用の機器を設置してデータを集計するのがベースとなり3通り実施されています。
調査は、株式会社ビデオリサーチにより実施されます。
①ピープルメータによる視聴率調査
調査対象となる家庭内にピープルメータという機材を設置し視聴率の調査を実施します。
調査対象となる家庭では、テレビの視聴開始時と終了時にボタンを押す作業をすることでデータが蓄積されていきます。
このデータはビデオリサーチにて即日に集計。
翌日に発表されます。
②オンラインメータシステムによる視聴率調査
調査対象となる家庭内のテレビに設置されたチャンネルセンサーから、
オンラインメータにデータが転送されデータが蓄積されます。
データはビデオリサーチにて即日に集計。翌日に発表されます。
①、②ともに視聴率は1分単位で集計されます。
③アンケート調査
視聴率の調査には、アナログ手法も実施されています。
ビデオリサーチの調査員が調査票を配布。調査対象者は視聴状況を調査票に記載。
1週間単位で調査員が回収していきます。
この調査による視聴率は約1か月後に、個人のテレビ視聴状況として発表されます。
以上の3パターンが、テレビの視聴率調査の方法となります。
調査する世帯数
視聴率調査する世帯数は、
関東地区900世帯・関西地区&名古屋地区600世帯・その他の主要地区(24地区)で各200世帯です。
全国では4900世帯にて実施されていることになります。
調査世帯の調査期間
視聴率の調査対象となる家庭の協力期間は、関東、関西、名古屋地区で2年間、その他の地区では3年間となります。
年末などのある特定の日程にて開始するのではなく、各家庭は順番で変更になります。
例えば、関東地区であれが、毎月37~38世帯平均で変更することで、2年間で900世帯が入れ替わる計算となります。
視聴率の調査区分
テレビの視聴率は、世帯視聴率と個人視聴率の2通りの方法で集計されます。
世帯視聴率
テレビを所有している世帯のどれくらいの比率がテレビのスイッチを入れているのか?の視聴割合を示します。
普段テレビで使用される視聴率の数値は世帯視聴率となります。
個人視聴率
家庭の中の個人に注目をします。その個人がどのくらいテレビを見ていたか?の視聴割合を示します。
年齢、性別、職業など、より詳細なデータが必要な場合に活用します。
家庭内で家族全員で同じ番組を視聴する機会が減少している近代社会では、世帯視聴率より個人視聴率の方が注目されるようになってきています。
録画による視聴も加味されます
テレビの視聴は生だけではありません。録画による視聴も相当数あります。
この為、2016年の10月より、録画によるテレビ視聴も【タイムシフト視聴】として測定されるようになりました。
タイムシフト視聴とは?
タイムシフト視聴とは、テレビが放映されてから、録画されて1週間以内に見られた番組を「視聴された」とカウントします。
しかし、生で見て、再度録画で見るという方もいますので、ダブルでのカウントを防ぐためにこのような場合は、重複扱いとなります。
つまり、総合の視聴率は!
総合視聴率=リアルタイム視聴+タイムシフト視聴-重複データとなります。
視聴率の計算方法
では、上記により測定されたデータから、どのように、「テレビ視聴率」「テレビ局の視聴率」が測定されるのか?
簡単に説明します(実際はかなり複雑ですが、概要のみ把握していれば問題ありません)
総世帯視聴率
各テレビ局の視聴率を測定するには、前提として一般的なテレビの視聴率が必要です(各世帯の何割がテレビを見ているのか?)
例えば、5世帯をピックアップしてみます。
- A家:テレビ5台(2台ON、2台ともにフジテレビ)
- B家:テレビ3台(すべてOFF)
- C家:テレビ2台(1台ON、フジテレビを視聴)
- D家:テレビ1台(1台ON、日本テレビを視聴)
- E家:テレビ5台(2台ON、日本テレビとTBSを視聴)だとしましょう。
総世帯視聴率は?
総世帯視聴率は、5世帯の中で3世帯が視聴していますので、4/5=80%となります。
※テレビの保有台数の16台に対して、5台がONで、5/16=31%とはなりません。世帯で計算します。
各テレビ局の視聴率は?
各テレビ局の視聴率は、
- フジテレビ:2/5=40%
- 日本テレビ:2/5=40%
- TBS:1/5=20%となります。
総世帯視聴率ですので、フジテレビも日本テレビも視聴率は同様になります。
よく目にする視聴率は、上記のように計算された関東地区の視聴率が使用されています。
視聴率を正確に理解するのは難しい・・・
上記のように測定される視聴率ですが、国民全体で、『どの程度』が見ていたか?となると測定は難しい側面もあります。
よく、視聴率50%だから、国民の半数がみていた。という表現をする人はいますが、実際は違いますね。
「紅白歌合戦の視聴率は50%!国民の半分が見ていました!」は実際とはちがう!
厳密には調査をした世帯の50%がその時間にNHKのスイッチを入れていた。という状況です。
世帯数の人数を4人と想定したとして、そのうち何人が見ていたかは調査からは分かりません。
2人は外出していたかもしれません。
そして、テレビを持っていない世帯は想定されていません。
そもそも、国民全員がテレビの前にいるわけではありませんね。
また、パソコンによる視聴は測定の範囲になりますが、携帯端末によるワンセグ視聴は測定外となっています。
視聴率調査の報酬は?
では、視聴率調査に協力すると報酬はもらえるのか?疑問に思われると思います。
結論から言いますと、報酬はあります。
一切公表されていませんが、月に数千円程度が中心です。年間で1万強とい感じでしょう。
まとめ
- テレビの視聴率は3通りの方法にて測定
- 調査対象は全国で4900世帯
- 視聴率には、【世帯視聴率】と【個人視聴率】がある。一般的に利用されるのは【世帯視聴率】
- 2016年度より、録画視聴も【タイムシフト視聴】として視聴率に加味
- 総世帯視聴率は、各家庭内のテレビ台数に関係なく、1台でも視聴されていれば視聴とされる
- 視聴率の測定対象は、テレビとパソコン。携帯端末によるワンセグ視聴は測定外
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