テレビ東京の好調が続く
若者のテレビ離れなど、暗い話題が続くテレビ局ですが、テレビ東京の好調が続いています。
2017年12月の業績を中心に、好調な理由を探ってみます。
テレビ東京2017年12月の業績
売上:110億9100万円(前年同期比5.7%プラス)
(内訳)
・タイム収入:42億6000万円(0.4%マイナス)
・スポット収入:29億5400万円(4.7%プラス)
(参考)
〇BSジャパン:15億2800万円(8.2%プラス)
〇テレビ東京コミュニケーションズ:10億1200万円(10.6%プラス)
※テレビ東京コミュニケーションズとは、テレビ東京のデジタル事業を担当する会社です。
「厳選いい宿」「虎の門市場」などが有名です。
テレビ東京の好調理由
テレビ東京の好調は下記5点に集約されます。
- 独自の番組制作路線の堅持
- ターゲットの絞り込みによる番組制作を徹底
- 安定した人気番組
- 好調なアニメ事業(NARUTO・BLEACH・ポケットモンスターなど)
- 独自のニュース番組
各テレビ局が家族全員を取り込む戦略に傾倒する状況の中、
テレビ東京は、独自路線を堅持、ターゲットを絞り込んだ番組作りを徹底してきました。
結果として、
『ガイヤの夜明け』『カンブリア宮殿』『YOUは何しに日本へ』『家、ついて行っていいですか?』『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』『池の水全部抜く』など多くの人気番組を抱えることになりました。
※池の水は、直近の特番で12.8%を達成しています(関東地区)
特に『ガイヤの夜明け』『カンブリア宮殿』のような人気長寿番組は大きな存在です。
安定した提供スポンサー収入が見込めます。
また、親会社が日本経済新聞社の為、他局とは違うニュースを放映、安定した視聴率を維持しています。
全体的に好調を維持
テレビ東京は全時間帯において好調といえます。
〇2017年12月度平均数値
- ゴールデンタイム視聴率&占拠率:6.6%(+0.1pt) / 10.0%(+0.3pt)
- プライムタイム視聴率&占拠率:6.1%(+0.0pt) / 9.6%(+0.1pt)
- 全日時間帯視聴率&占拠率:2.9%(-0.1pt) / 6.8%(-0.1pt)
ゴールデンの時間帯で7%近い視聴率を維持、占有率でも10%ですので、
テレビ東京という立場から考えると非常に好調だといえます。
また、他のテレビ局をみると、テレビ朝日の看板ドラマ『科捜研の女』『相棒』『ドクターX』が好調です。
このような状況を考えると、アイドルやお笑い芸人一辺倒の番組編成では、生活者から支持が得られなくなっているのかもしれません。
テレビを付ければ、『お笑い芸人』か『ジャニーズ』が出演している状況には、うんざりしている視聴者も多いということでしょう。
出演者に比重を置くのではなく、番組内容で勝負しなければテレビ局も生きていけなくなる。ということです。。
テレビ用語説明
上記テレビ用語を簡単に説明します。
- タイム収入:番組提供スポンサーによる収入です。提供する番組内でCMが放映されます。枠は30秒~。タイムの提供は原則競合不可というメリットがあります。また提供クレジットにも差別化がされています。
30秒枠(ごらんのスポンサー)60秒(社名又は商品名を告知)90秒(社名及び商品名+キャッチフレーズ)
ブランドイメージなどのPR効果が期待できます。 - スポット収入:特定の番組に関係なく放映されるCM収入です。番組提供と異なりCM枠は15秒となります。
新商品のキャンペーンなど短期的な放映が中心です。 - ゴールデンタイム:最も視聴者が多い19時~22時の時間帯のこと
- プライムタイム:ゴールデンタイムに1時間がプラスされた19時~23時のこと。22時~23時は大人向けの番組が放映されるのが普通です。
- 全日:6時~24時の時間帯のこと。生活者が起きていると想定される時間帯のこと。