新聞広告の広告効果測定方法(2025年最新版)

マスメディア研究・分析

はじめに:新聞広告は特定の層で評価されている

デジタル広告が主流となる一方で、「信頼性」「地域性」「熟読性」という独自の強みを持つ新聞広告は、特にミドル・シニア層への訴求や企業のブランド価値向上を目的とした広告手法として、未だに評価されている側面があります。

実際に、日本新聞協会が2024年に実施したJ-READ調査によると、60代以上の新聞閲読率は依然として70%を超え、特に「企業姿勢が伝わる広告」としての評価が高まっています。

また、大手企業や自治体による新聞広告活用の事例もあり、テレビCMやWeb広告との連携によって新たなプロモーション効果にも期待されている動きがあります。

この記事は、10年前に完成させましたが、新たに、新聞広告の最新の効果測定手法や到達率の実態、活用のポイントまでを追加して解説します。10年前とは状況が大きく異なりますので、2025年の最新情報をもとに再構成しています。

新聞広告の効果を「見える化」する方法とは?

2025年現在、新聞広告の効果測定方法は、以下のように多層的に進化しています。

1. 接触率・閲読率の調査(パネル調査)

  • 日本ABC協会やビデオリサーチ社による調査で、閲読率・広告接触率などが定期的に発表されています。
  • 例えば、日本新聞協会が2024年に実施した「全国新聞総合調査(J-READ)」では、
    • 新聞広告の広告接触率:平均34.7%
    • 高齢層(60代以上)では接触率が50%以上

2. Web連携による反応率測定

  • 新聞広告のQRコードやURL経由でのLP遷移数やコンバージョン計測。
  • 特に「新聞広告×デジタル」での反応計測が一般的に。

3. 独自のアンケート調査

  • 広告主自身が実施する事後アンケートや購買者アンケートによる効果検証。

4. コールトラッキング/応募件数の集計

  • 電話番号を広告ごとに変えることで、どの媒体から問い合わせが来たのかを分析。

新聞広告の注目ポイントと最新データ(2024年度調査より)

新聞広告が読者に与える印象として、以下のような結果が報告されています。

項目 割合
情報が信頼できる 45.2%
広告に落ち着いて目を通せる 40.7%
企業の信頼性を感じる 37.5%
社会的責任や姿勢が伝わる 32.9%

特に「信頼できる情報源」としての地位はデジタルにはない強み。新聞に掲載されるという事実自体がブランディング効果を持つ。という考え方は、未だに存在しています。

発行部数と到達率の最新実態

2025年現在、全国紙の発行部数は10年前と比較して約35〜40%減少しています。

公表部数と実売部数のギャップ

  • しかし、日本新聞協会が発表する部数と実際に読者に届いている部数(実売部数)には乖離があるとされ、「押し紙」問題が引き続き指摘されています。
  • 実際の到達率は公表部数の50〜60%程度と見積もるのが妥当です。

効果測定上の注意点

  • 「部数が少ない=効果がない」ではなく、「リーチ精度が高い層に確実に届く」ことが重要。
  • 特定ターゲット(高齢者、経営層、保守層、地方居住者など)にリーチするには、今でも最も効果的なメディアの1つ。

押し紙問題がある以上、発行部数を元に出稿を考えるよりは、特定のターゲットに届く方法として、新聞広告がある。という考えをすることが大切な考え方になるのです。

新聞広告の選び方とメディア戦略

新聞広告を出稿する際は、以下のような観点で選定を行うことが重要です。

新聞の種類と特性

種類 特徴
全国紙(朝日・読売・毎日など) 高い信頼性・社会性、全国リーチ
地方紙(中日新聞、西日本新聞など) 地域密着、ローカル訴求に強い
業界紙・専門紙 BtoB・業界関係者向け訴求に最適
子ども新聞・教育紙 教育関連・家族向けの訴求に有効

出稿戦略のポイント

  • 広告面の選定(記事下、特集面、別刷など)
  • 誌面連動型キャンペーンの活用(例:連続広告+Web誘導)
  • 他媒体との連携による効果最大化(テレビ、ラジオ、OOH、Webなど)

おわりに:新聞広告の効果は「量」から「質」の時代へ

新聞広告は「到達数」というより、「到達する価値」に重きが置かれる時代に入りました。

広告効果を過小評価するのではなく、的確なターゲットに対する深い訴求力を持つ媒体として、適切な活用と測定が鍵となります。

 

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