広告業界で実践する“ギブ&ギブ”戦略とは?

ビジネススキル・仕事術

広告業界では「ギブ&テイク」という言葉がよく使われますが、実際の現場ではギブしてもすぐにテイクが返ってくるとは限りませんし、仮に返ってきたとしてもプラスマイナス0で何も残らない場合もあります。

つまり、「ギブ&テイク=プラスマイナス0」の行為なのです。一見良いことをしたと思う方がいますが、当たり前の行為で将来的に多くの見返りは生まれません。

むしろ、短期的な見返りを求めない“ギブ&ギブ”の方が、長期的に大きな成果を生むケースが多いのです。

この記事では、広告業界で実践できる“ギブ&ギブ”戦略の具体例と、損をしないための見切りの判断軸を解説します。

なぜ“ギブ&ギブ”が広告業界で効くのか?

広告業界の本質は“信頼ビジネス”です。クライアントからの信頼がなければ、提案も採用されず、長期的な取引にはつながりません。

  • 短期的な売上至上主義 → 信頼が積み上がらず、一度きりの取引で終わる
  • 先に価値を提供し続ける → 「この代理店は頼れる」と認知され、継続案件が増える

 

つまり、短期の損は“信頼の投資”と考えると、ギブ&ギブは非常に合理的な戦略になります。

広告業界で実践できる“ギブ&ギブ”戦略の具体例

では、ギブアンドギブとは、どんな行為をいうのでしょうか?広告代理店での例を考えてみましょう。下記5つ分かりやすい例を記載します。

1. 無料の市場調査・分析レポートの提供

クライアントが興味を持ちそうな競合調査・市場分析をまとめ提供する。繰り返し提供し続けるのがベストです。

  • 「この業界は今こう動いています」というデータを無料で共有
  • クライアントの意思決定をサポートし、信頼を得る

2. 無償でのクリエイティブ提案

正式な依頼の前段階でも、簡易コンセプト案やラフ案を用意する。

  • 「御社ならこういうアプローチが効果的です」とイメージを見せる
  • その場での契約にならなくても、“この代理店は本気で考えてくれる”という印象を残せる

3. ノウハウ共有型セミナーや勉強会

広告運用やSNS活用の無料セミナーやウェビナーを定期開催。

  • すぐに売り込みはせず、純粋に役立つ情報を提供
  • 参加者が「頼れるパートナー」と認識することで後から相談が来る

4. クライアントのPRをSNSで拡散・支援

契約外でも、クライアントのキャンペーンをSNSで紹介するなど、小さなサポートを惜しまない。

  • 無償のサポートが「この代理店は本当に味方だ」と感じさせる
  • 長期的な関係性の強化につながる

5. 失注後のフォローアップ

コンペで負けた案件でも、フォローの連絡や追加の提案を続ける。

  • 「あの時は採用しなかったけど、やっぱり相談してみよう」と思わせる
  • 未来の案件につながる“信頼貯金”になる

ただし、ギブ&ギブでも損しないためには“見切り”が必要

但し、ギブ&ギブは強力な戦略ですが、いつまでも提供し続けるのは正解ではありません。誰にでも無限に与えるとリソースが枯渇し疲労を蓄積するからです。そこで、次の判断軸を持つことが重要です。

見切りの判断軸

  1. リアクションがゼロの相手は早めに見切る
    • 価値を提供しても「ありがとう」すらないなら、関係構築の見込みは薄い
  2. 決裁権のない相手にギブしすぎない
    • 末端担当者にだけ与えても、最終的な意思決定につながらないことが多い
  3. 5回程度ギブしても動きがない場合はストップ
    • 5回程度の価値提供で、相手の本気度が見える
  4. 相手のスタンスを見極める質問をする
    • 「この情報、役に立ちましたか?」「次に進めるならどうしますか?」と聞き、反応で判断
  5. 同じ業界内での評判をリサーチ
    • 「返報性のない相手」と業界で知られているなら、深追いしない

ビジネスにおいて、不要な顧客を見切ることは大切な作業です。このギブ&ギブは、誰が本当に価値を理解し長期的なパートナーになり得るかを見極めるための“試金石”としても有効なのです。

まとめ:ギブ&ギブは“信頼投資”だが、相手選びが鍵

広告業界では、短期的なリターンを求めないギブが、長期的な大きなリターンにつながることが多いです。特に信頼構築が重要な業界では、

  • 価値ある情報や提案を無料で提供する
  • クライアントの成功を優先する姿勢を見せる

ことで、他社との差別化が可能です。

ただし、すべての相手に無限にギブするのはNG。 判断軸を持ち、見切る相手を選別することで、ギブ&ギブは最強の戦略になります。

  • まずは小さなギブから始める
  • 同時に見切りラインを設定する

この2つを意識するだけで、信頼貯金が着実に増えていくはずです。さっそく試してみてください。