はじめに
テレビCMは依然としてマスメディア広告の中心的存在ですが、その発注から放映に至る流れや評価指標、さらに制作・運用の手法は大きく変化しています。
本日は、従来の基本フローを整理しつつ、2025年現在の最新トレンドもあわせて解説します。
広告主や広告業界関係者にとって、実務に役立つ視点をまとめました。
テレビCM発注の基本フロー
テレビCMの制作と放映に関わる主要なプレイヤーは以下の三者です。
- クライアント(広告主)
- 広告代理店
- テレビ局/メディアレップ
三者の間での調整と合意がCMの成否を左右します。代表的な流れは次の通りです。
- オリエンテーション:広告主が新商品の特徴、ターゲット層、予算をもとに代理店へ依頼。
- 企画・プレゼンテーション:代理店が放送局や時間帯、演出プランを含む企画を提案。
- 広告主による発注:広告主がフィードバックを加え、代理店に正式発注。
- テレビ局/メディアレップへの発注:代理店が枠を確保し、放映条件を調整。
- 調整・再提案:審査や編成状況に応じて再調整を行い、広告主に報告。
- 最終発注・放映:最終合意のもと、代理店がテレビ局へ発注し放映開始。
※実際には「スポットCM(単発での買付)」と「タイムCM(番組提供付き)」に分かれ、それぞれ契約や調整の仕組みが異なります。
最新の評価指標とバイイング手法
従来の「世帯視聴率」だけでは広告効果を測れない時代になっています。近年のトレンドは以下の通りです。
- 個人全体視聴率:世帯単位ではなく、個人の視聴行動を測定。
- コア視聴率(13〜49歳など):広告主が重視するターゲット層の視聴率にフォーカス。
- GRPからTRPへ:単なる露出量(GRP)から、ターゲット層への到達度(TRP)を重視するバイイングへ移行(世帯視聴率から個人視聴率重視へ!)
- 到達率とフリークエンシー:どれだけ多くの人に届いたか、どれだけ繰り返し見せられたかをセットで評価。
クロスメディア戦略の進化
テレビ単体でのCM投下は減少傾向にあり、デジタルとの統合運用が当たり前になっています。
- TVer・ABEMA・YouTubeなど配信プラットフォームとの同時展開。
- SNS広告との連動により、テレビをきっかけにネットでの深掘り接触を誘発。
- 統合運用ダッシュボードによる横断的な効果測定。
これにより、従来の「マス+デジタル」から「マス×デジタル(統合)」へと進化しています。

テレビCM単体でキャンペーンを終了させる手法は皆無と言っていいでしょう!
制作面の変化
制作現場にも大きな変革が起きています。
- AI活用:絵コンテ、コピー、ナレーションなどの生成AI利用が一般化。
- マルチフォーマット同時制作:テレビ用15秒に加え、6秒バンパー広告や縦型SNS動画を並行制作。
- 体験型演出:AR・インタラクティブ要素を組み込む事例も増加。
広告主は「一つのCMを流す」から「多様な接点を設計する」方向にシフトしています。
まとめ
- テレビCMの基本フローは今も「広告主→代理店→テレビ局/メディアレップ」の三者調整が中心。
- 評価軸は「GRP」から「TRP」「到達率」「コア視聴率」へと進化。
- 放映はテレビ単体で完結せず、TVerやSNSを含むクロスメディア展開が必須。
- 制作現場ではAIとマルチフォーマット対応が常識化。
テレビCMは衰退傾向ですが、他の動画メディアも含めて「再定義」の段階にあると言えます。、マスメディアとしての強みを活かしつつ、デジタルとの統合によって新たな価値を生み出しています。広告主にとっては、テレビを軸にした統合戦略をどう設計するかが問われています。

