※本記事は2026年1月現在の状況に基づき、2025年8月に公表された確定データを最新の視点で分析・更新したものです。
【この記事の要約】
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2025年の衝撃:全国紙合計で年間約87万部が消失。毎日新聞は15.8%減という壊滅的な数字を記録。
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「実売部数」の闇:公表部数と実売の乖離が拡大。毎日は実売60万部以下、読売・朝日も推定30%の「押し紙」を抱える。
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2026年の展望:「緩やかな減少」は終わり、業界再編が本格化する「決定的局面」へと突入しつつあります。
2026年の年明けを迎え、新聞業界は「緩やかな減少」という段階を通り越し、「全国一律の戸別配達」というビジネスモデルそのものが、維持できるかどうかの瀬戸際に立たされています。1997年のピーク時から部数は半減し、今や紙の新聞は「生活必需品」から、特定の読者が選ぶ「嗜好品」への転換を余儀なくされています。
本記事では、日本ABC協会が2025年に公表した最新の確定データに基づき、全国紙5紙(読売・朝日・毎日・日経・産経)の現状を分析し、「押し紙」を差し引いた本当の影響力を可視化します。
1. 新聞発行部数・実売部数・公称部数の違い
まず、議論を歪めないために「部数」の定義を再確認しておきます。
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発行部数:新聞社が出荷し、日本ABC協会が監査する部数。一般的に「公称部数」として広告主へ提示されます。
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実売部数:実際に読者が購読し、料金を支払っている部数。
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押し紙:販売店に強制的に卸されるが、実際には配達されず廃棄される部数。
つまり、こういうことです⇓
これらを数式に当てはめると、以下のようになります。
「発行部数(公称)」 = 「実売部数(実際に読んでいる人)」 + 「押し紙(配られずに消える分)」本来、新聞社が「500万部発行」と公表していても、そのうち30%が「押し紙」であれば、実際に読者の手元に届いているのは350万部しかありません。この「公表されている数字」と「購読実態」の大きな乖離こそが、新聞業界が抱える最大の不都合な真実です。
2. 全国主要5紙の部数データ推移(2024年→2025年8月)
以下は、2025年に公表された最新データ(8月時点)と、その前年同時期(2024年下半期)を比較した部数推移です。
| 新聞社 | 2024年下半期 平均部数 | 2025年8月 部数 | 対前年変化 | 減少率 |
|---|---|---|---|---|
| 読売新聞 | 5,773,114部 | 5,367,089部 | -406,025部 | -7.0% |
| 朝日新聞 | 3,343,666部 | 3,212,827部 | -130,839部 | -3.9% |
| 毎日新聞 | 1,397,748部 | 1,176,751部 | -220,997部 | -15.8% |
| 日本経済新聞 | 1,350,699部 | 1,277,296部 | -73,403部 | -5.4% |
| 産経新聞 | 835,611部 | 796,577部 | -39,034部 | -4.7% |
| 合計 | 12,700,838部 | 11,830,540部 | -870,298部 | -6.9% |
3. 2026年の視点から見た各紙の現状分析
読売新聞:巨大帝国の防衛戦
年間40万部以上の減少を続けながらも、依然として500万部台を死守しています。しかし、最大勢力である読売の減少は、業界全体の「戸別配達インフラ」の維持を危うくさせます。
朝日新聞:減少ペース鈍化の兆し
334万部から321万部へと減少。落ち込みは続くものの、長年の読者層に支えられ、他紙と比べると相対的な安定感が見られます。
毎日新聞:全国紙モデルの「限界点」
減少率15.8%は、もはや経営的な調整の範囲を超えています。全国の販売店網が維持できなくなり、地方からの事実上の撤退や、押し紙の「膿出し」が一気に進んでいる証拠です。
日本経済新聞:デジタルシフトの先行者
減少率は5.4%と平均的ですが、有料デジタル会員が100万人を超えており、「紙の減少をデジタルで補完できている唯一の成功例」と言えます。
産経新聞:広域地方紙化の進行
84万部から79万部へ。発行地域は都市圏に偏り、全国紙というより「広域地方紙」としての性格を強めています。
4. 押し紙を考慮した「実売部数」の推定(2026年最新推計)
ここが本稿の核心です。裁判資料や現場の証言を参考に、より実態に近い「実売部数」を算出します。
※注意: 押し紙率は各紙の経営状況や過去の係争を基にした筆者独自の推定値であり、公式発表ではありません。
| 新聞社 | 2025年8月 発行部数 | 押し紙率 | 推定実売部数 |
|---|---|---|---|
| 読売新聞 | 5,367,089部 | 30% | 約3,757,000部 |
| 朝日新聞 | 3,212,827部 | 30% | 約2,249,000部 |
| 毎日新聞 | 1,176,751部 | 50% | 約588,000部 |
| 日本経済新聞 | 1,277,296部 | 30% | 約894,000部 |
| 産経新聞 | 796,577部 | 30% | 約557,000部 |
このデータから分かるのは、毎日新聞と産経新聞は、実売ベースでは有力地方紙と同等か、それ以下の規模まで縮小しているという冷徹な事実です。
5. デジタルシフトの進展と「紙」の後退
部数減少の裏側で進むデジタル化ですが、その成果には決定的な「格差」が生じています。
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日本経済新聞:有料デジタル会員100万人超。 印刷部数の約8割に相当するデジタル会員を抱え、唯一デジタルへの移行が見えています。
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朝日新聞:有料会員約30万人。 依然として紙への依存度が大きく、デジタル収益が紙の減収を補えていません。
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読売新聞: 会員数こそ多いものの、多くは紙の購読者向け無料特典。有料単体での収益化は不透明です。
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毎日新聞: 有料会員は数万人規模に留まり、紙の激減をデジタルでカバーできていない深刻な状況です。
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産経新聞: 課金モデルはあるものの、有料会員数は限定的です。
今後は「発行部数」以上に、「有料デジタル会員数」がメディアの存続を決める指標となります。
6. 今後3年間の予測(2028年への展望)
現在の減少ペースに基づくと、3年後の2028年には、全国紙の勢力図は劇的に塗り替えられるでしょう。
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読売新聞: 約431万部
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朝日新聞: 約285万部(300万部割れ)
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毎日新聞: 約70万部(全国紙のインフラ維持不可)
| 新聞社 | 2025年8月 発行部数 | 年間減少率 | 3年後の推計部数 |
|---|---|---|---|
| 読売新聞 | 5,367,089部 | -7.0% | 約4,317,000部 |
| 朝日新聞 | 3,212,827部 | -3.9% | 約2,851,000部 |
| 毎日新聞 | 1,176,751部 | -15.8% | 約702,000部 |
| 日本経済新聞 | 1,277,296部 | -5.4% | 約1,081,000部 |
| 産経新聞 | 796,577部 | -4.7% | 約689,000部 |
ここが衝撃のポイント:これらはあくまで「押し紙」を含んだ公称部数の推計です。もし毎日新聞の公称が70万部まで落ち込めば、実売ベースではわずか35万部程度(押し紙率50%と仮定)になる計算です。これはもはや全国紙ではなく、地方の一県紙(静岡新聞や熊本日日新聞など)と同等か、それ以下の規模で全国展開を強行しているという、極めて歪な状態を意味します。
7. よくある質問(新聞発行部数Q&A)
Q. 新聞の発行部数は今後も減り続けますか? A. 減少は止まりません。若年層の新聞離れに加え、高齢層の解約が加速しており、2026年以降も厳しい状況が続きます。
Q. 発行部数が減っても新聞社が倒産しない理由は? A. 多くの社が不動産資産で利益を上げているからです。しかし、今のままでは、販売店網という「配達インフラ」が先に崩壊するため、紙を届けたくても届けられない地域が急増します。販売店の再構築が必須です。
(販売店戦略については別記事にて検証予定です
Q. 広告効果はどう評価すべきですか? A. 従来の発行部数ベースの評価は実態と乖離しています。今後は「実売部数」と「デジタル接触者数」を合わせた、実質的なリーチ力で評価すべきです。
まとめ:データが示すメディアの質の転換
2026年現在、新聞の価値は「刷った部数」ではなく、「実売とデジタルをどう組み合わせ、信頼を収益に変えられるか」にかかっています。
読者や広告主は、公称部数という「数字」の魔法に惑わされず、メディアの真の影響力を見極める必要があるでしょう。
【編集後記】 この記事は、新聞発行部数(2025年版)を維持したまま、2026年の最新情勢に合わせて内容を大幅にリライトしました。今後も正確なデータに基づき、メディアの変遷を追い続けていきます。
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