はじめに
「広告代理店」と「PR会社」
名前はよく聞くものの、具体的に何が違うのか分からない、という方は少なくありません。
特に広告業界未経験者や就職活動中の方にとって、この違いを理解することは業界研究の第一歩になります。
本記事では、「広告代理店」と「PR会社」の違いを、立ち位置・仕事内容・売上構造の3つの視点から整理し、初心者にも分かりやすく解説します。
1. 両社の立ち位置の違い
広告代理店の立ち位置
広告代理店は、主に企業の宣伝部・マーケティング部と連携し、商品やサービスの認知拡大・売上向上を目的とした広告活動を担います。
役割は明確で、
- どの媒体で
- 誰に
- どのように伝えるか
を設計し、広告を通じて、短期〜中期の成果(売上・指名検索・来店など)を生み出すことが求められます。
PR会社の立ち位置
一方PR会社は、企業の広報部・コーポレートコミュニケーション部と連携し、企業やブランドの「評判」「信頼」「社会的評価」を高める役割を担います。
直接的に売り込むのではなく、
- 第三者(メディア・有識者)からどう見られるか
- 社会との関係性をどう築くか
といった視点で、中長期的なブランド価値の形成を支援します。
立ち位置の違いを一言でまとめると
- 広告代理店:売上アップに直結する「宣伝の専門家」
- PR会社:信頼性や企業イメージを育てる「評判管理の専門家」
※近年は両者の領域が重なり合うケースも増えており、プロジェクトや企業フェーズによって役割は柔軟に変化しています。
2. 仕事内容の違い
広告代理店の主な仕事内容
① 広告企画・制作
ターゲットを惹きつけるコンセプトを設計し、テレビCM・Web広告・動画・グラフィックなどの広告表現を制作します。
例:テレビCMやYouTube広告で、商品の魅力やストーリーを伝え、購買意欲を喚起する。
② 媒体選定・購入(バイイング)
テレビ・新聞・Web・SNSなどから最適な媒体を選び、広告枠を確保します。
「誰に・どこで・何回見せるのが最も効果的か?」を設計するのが重要な役割です。
③ 効果測定・改善
広告の成果をデータで検証し、次回施策への改善提案を行います。広告運用とPDCAは、現在の広告代理店業務の中核です。
PR会社の主な仕事内容
① コミュニケーション戦略の設計
企業やブランドの評判を高めるため、長期的なコミュニケーション方針を設計します。
広告のように直接売り込むのではなく、「どう語られるか」「どう理解されるか」を重視します。
② メディアリレーションズ
記者発表会やプレスリリースを通じて、報道関係者との関係を構築します。
第三者であるメディアに取り上げられることで、広告よりも客観性・信頼性が高い情報として伝わります。
③ イベント企画・運営
新製品発表会、記者会見、体験イベントなどを企画・運営し、直接的なコミュニケーションの場をつくります。
※PR活動は直接的な売り込みではありませんが、結果として売上や企業価値の向上に間接的に貢献するケースが多くあります。
3. 売上・利益構造の違い
広告代理店の収益構造
- 媒体手数料:広告枠購入に伴う手数料
- 広告制作費:企画・デザイン・映像制作費
- 媒体割引(キャッシュバック):大量発注による割引
- その他:イベント企画、デジタルマーケティング、コンサルティング収益
PR会社の収益構造
- コンサルティング料:戦略立案・助言に対する報酬
- プロジェクト費用:イベント運営、メディア対応などの実務費
- 成果報酬:掲載数や集客成果に応じた報酬
- その他:SNS運用、トレーニング、コンテンツ制作
👉 広告代理店は「広告枠や制作で稼ぐ」モデル、PR会社は「人の活動や戦略提案で稼ぐ」モデルと考えると理解しやすいでしょう。
4. 両社を組み合わせるメリット
実際のマーケティング現場では、広告代理店とPR会社の業務は重なり合うことも多く、併用されるケースが一般的です。
新製品ローンチの例
- 広告代理店:大規模広告で一気に認知を拡大
- PR会社:記者発表やSNSで信頼性・話題性を醸成
広告で「知ってもらい」、PRで「語られる理由」をつくることで、より強力なマーケティング効果が生まれます。
5. どちらに何を頼む?使い分けの目安
- 売上を短期で伸ばしたい/指名検索を増やしたい場合
→ 広告代理店の出番。リーチ拡大と需要喚起を設計。
例:発売直後のTVCM、YouTube+交通広告で一気に露出
- ブランドの信頼を高めたい/評判を整えたい場合
→ PR会社の出番。第三者評価や文脈づくりを重視。
例:記者発表、体験会、有識者コメントの獲得
- 新製品のローンチを成功させたい場合
→ 両者の併用が最適。
例:広告(認知拡大)→ PR(記事化・SNS波及)→ 広告(追いリターゲティング)
まとめ
- 広告代理店:売上アップに直結する「宣伝の専門家」
- PR会社:企業イメージや信頼を育てる「評判管理の専門家」
どちらも企業の成長に欠かせない存在です。
目的が「売上」なのか、「信頼」なのか、あるいはその両方なのかによって、広告代理店とPR会社を戦略的に使い分け、組み合わせることが重要です。
では、どちらの業種に就職・転職をしたらいいのか?を判断したい方は下記記事を参照ください。

