マスメディアとインターネット広告の違い
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広告メディアの基本を理解しよう!
広告代理店の仕事の基本は『クライアント(広告主)のメッセージを生活者に届ける』ことです。
その目的達成の為に、広告メディアを活用しています。
しかし、ただ届ければいいと言うことではありません。
ということで、今回は、マスメディアとインターネット広告の違いを中心に、広告メディアの特徴(ポイント)を整理してみましょう。
テレビ広告
最もメジャーな広告メディアと言えば『テレビ広告』です。
2019年度にはインターネット広告に首位の座を抜かれることは確実ですが、多くの生活者に対して一斉にメッセージを届けるパワーは断トツです。
芸能人などによる影響力も絶大ですので、テレビ広告の実施と同時にパブリシティ活動も欠かせません。
地上波
日本全国に瞬間的にメッセージを届けるパワーはNo1です。
「行列」や「品切れ」などの現象を生み出すパワーで、テレビの地上波に敵うメディアはありません。
多くの企業がテレビの取材を求めているのは当然です。
衛星放送:BS&CS
視聴者数は地上波に劣りますが、比較的ターゲットの年齢層が高い場合、また長尺の内容をじっくり見せたい場合、番組内との連動を多く実施したい場合などに効果的です。
地上波に比べると、提供・スポットともに広告費も安価ですので、キャンペーン時には検討するべきメディアとして近年人気が高くなってきました。
良質な視聴者が多いBS&CSは要注目メディアです!
地方局
地域に限定した放映となりますが、特定の地域に店舗がある場合、地域性を重視する場合、市場調査を兼ねる場合などに効果的です。
ラジオ広告
箱型のラジオとしては衰退傾向でしたが、スマートフォンの普及とラジコの利用者が急増したことで再度注目されています。
広告費用も高額では無い為に、今後も要注目のマスメディアです。
AM放送
幅広い年齢層の方に「ながら聴取」されるのが特徴です。また習慣性が強く聴取者と太い繋がりが期待できます。
FM放送
AMラジオと同様に「ながら聴取」が中心ですが、個人聴取傾向の強いメディアです。
身近な存在としてライブ感などの演出に大きな力を発揮します。
ラジオ広告は、AM・FMに限らず、リアル店舗との連動にも大きな効果が期待できます。
親近感を演出できるラジオ広告は有効に活用したいメディアです。
雑誌広告
紙メディアとして部数を減らし続けていますが、ターゲットの嗜好性による絞り込みに優れています。
大きな特徴は『有料メディアとしての購読率の高さ』でしょう。多くの情報が無料化する時代において、有料情報に対する信頼性は非常に高いと言えます。
正確な情報をしっかりと届けたい場合に非常に有効です。
有料メディアは、しっかりとメッセージが届く可能性が高い!
また、純広告(単純な広告)ではなく編集タイアップを活用することで、より深いメッセージを届けることも可能です。
競合他社との比較などは、編集タイアップならではの取り組みです。
新聞広告
「衰退メディア」そして「日本を代表する衰退企業」の代表的な存在ですが、信頼性の高さは健在です。
高齢者に、多くの情報を届けたい場合には大きな効果を発揮することがあります。
企業ブランドの訴求は全国紙、地域に特化したい場合は地方紙、専門的なターゲットのみに訴求したい場合は専門紙などの選択肢も豊富です。
高齢者にもスマートフォンが普及してきましたので、『ネット検索だけでは訴求出来ない層をオンラインに誘導するメディア』として有効です。
『押し紙』により実際の部数は大幅に異なりますので、そのあたりを理解しながら活用することがポイントです。
プロモーションメディア
マスメディアとインターネット広告以外のメディアがプロモーションメディアです。
『屋外広告』『シネアド(映画館の広告』『折込み』『ポスティング』『イベント』『店頭販促』などが代表的な手法です。
屋外広告
屋外広告とは、『屋外看板』『大型ビジョン』『交通広告』などです。
屋外看板
ビルの壁面や屋上などに掲出される広告です。短期の掲出も可能ですが、長期の掲出が基本です。
通勤通学時に『繰り返しの訴求』が可能ですので、認知を広げたい場合などに活用したいメディアです。
大型ビジョン
LEDの普及により急速に普及したのが大型ビジョンです。
渋谷や新宿などが有名です。映像で訴求できる為、テレビとの連動などの短期間のキャンペーンに効果を発揮します。
デメリットとしては、テレビ広告と同様に複数社の広告が同時に放映さることによる1社での占有率の低さでしょう。
この課題をどのように考えるかがポイントでしょう。
交通広告
電車内のデジタルサイネージ、額面広告、中吊り広告、窓上広告。そして駅構内のポスター広告や柱巻き広告など広告の種類は非常に豊富です。
特定の『駅ジャック企画』なども有名です。
安定したサーキュレーションの中で、通勤・通学時の生活者に反復訴求できることが大きな魅力です。
デメリットとしては、高額な料金設定でしょう。新宿・渋谷・東京などのターミナル駅で実施すると、短期間のキャンペーンで数千万の広告予算が必要です。
近年は非常に種類が増えてきましたので、絶えず最新情報を確認することが重要です。空き状況によっては、思わぬ「掘り出し物」がある場合があります。
シネアド
映画館の上映時に放映されるCMが『シネアド』です。
上映前の放映という訴求率の高さが有名です。
『映画館内でのイベント連動』『シネコンなど大型ショッピングセンターとの連動』など、売り場も考慮した立体的な展開も可能です。
複数社のCMが同時に放映されますので、よりインパクトのある映像演出が必要です。
店頭販促
生活者が商品を購入する場合、大きなこだわりがある場合を除き、店頭での販促により購入の判断は左右されるのが普通です。
機能に大きな差が無ければ、生活者は売り場で判断を変更します。
いつも利用している洗剤があっても、同じような機能の洗剤が30円安価であれば、簡単に判断は変更されますね。
228円より198円の方を購入するのが生活者です。ティッシュなども同様です。
どれだけ広告費を投入しても、店頭でのキャンペーンが疎かだと効果は期待できません。それだけ店頭の販促は重要なのです。
POPやサイネージ、スマートフォンとの連動など『きめ細かいプロモーション』を実施できる体制を整える必要があります。
折込広告・ポスティング
新聞の部数減などにより、折込広告は減少を続けています。
大きな広告予算が無く、高齢者をターゲットにした地域限定のキャンペーン時には効果がある場合があります。
ただし、メルマガ等と違い『1通当たりのコスト』が確実に必要になる為、1通当たりの費用対効果を検証する必要があります。
イベント
新商品やサービスの販売時に、街中のイベントスペースで直接生活者にアピールすることは非常に効果的です。
「試飲」「新車の体験」「サンプル提供」などです。生活者に直接触れることで、アンケートを実施して、意見などを聞くことも可能です。
また、イベントはSNSによる拡散が見込めます。SNSの拡散を見込んだ仕込みが重要です。
インターネット広告
2019年にはテレビ広告を抜いてシェアNo1になることが確実なインターネット広告。
莫大な種類の広告メニューが長所でもあり、欠点でもあります。
ということで、必要最低限知っておいた方が良いポイントを下記に整理しました。まずは、下記内容を理解して徐々に知識を広げていきましょう!
インターネット広告の特徴
『インターネット広告』には『バナー広告』『テキスト広告』『リスティング広告』『動画広告』『SNS広告』『ネイティブアド』『インフィード広告』など多くの手法が存在します。
アナログメディアと異なり、掲出される方法から配信される方法、そして課金される方法まで多くの手法が存在します。
広告会社を介さずとも、個人が簡単にクレジットカードで申し込みができる広告も多数存在します。
マスメディアとインターネット広告の基本的な違い
マスメディアの大きな特徴は『幅広いターゲットに対してのリーチ』です。
商品やサービスの認知度を高める為には有効な手法と言えますが、幅広い層に訴求する為に、ピンポイントでの訴求ができずに『無駄が発生』します。
また、広告効果測定が難しいのもマスメディアの欠点と言えます。
一方で、デジタルを活用するインターネット広告にはマスメディアでは実現できない特徴があります。
大きく下記3点が特徴と言えるでしょう。
広告効果測定
インタ-ネット広告の最大のメリットは広告効果測定が可能になったことです。
表示回数、クリック回数、アクション回数、購入回数など様々な効果の測定が可能です。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)などのツールを活用することで、個人でも無料で広告測定ができるのです。
その為、従来型ではキャンペーン終了後にしか実施できなかった広告効果測定がキャンペーン中に可能になりました。(複数素材を同時に表示して、クリック率を測定することでより効果の高いビジュアルを簡単に見分けることが可能なAB調査など)
効果測定が可能になると、広告費を投下しやすくなるのは当然です。
ターゲティング
従来型のメディアは、より多くの生活者に一方的にメッセージを届けるのが基本でした。1人でも多くの生活者に届けることを目標としていたのです。
しかし、番組内容により、ある程度のターゲティングは可能ですが、ターゲット以外の生活者にもメッセージが届いてしまうのが欠点でもありました。
結婚式や不動産購入を全く考えていない人にも、広告を届けてしまうのです。
一方で、インターネット広告は違います。検索キーワード広告など、検索されるキーワードで表示されるPPC広告は確実にターゲットにメッセージが届きます。
購入するであろうと想定できるターゲットの選定、職業、性別、住居、趣味などを指定して訴求をすることも可能なのがインターネット広告です。
ターゲティング力はインターネット広告を成長させている大きな要因と言えます。
低予算
テレビCMや新聞広告は、一度のキャンペーンで数百万~数千万の広告費が必要です。
新聞の全国紙に広告を掲載すれば、5段で500万、15段で1500万というレべㇽの予算が必要です(しかも1日だけです)
テレビ広告では億単位の予算が掛かることも珍しくありません。
一方でインターネット広告は違います。ヤフーなどメジャーサイトのTOPページでは数千万の予算が必要ですが、マス広告に比べてれば圧倒的に少ない費用で広告運用を始めることが可能です。
代表的なインターネット広告
では、インターネット広告には、どのような手法があるでしょうか?その種類は多く完全に理解することは不可能です。
ということで、代表的なインターネット広告を説明いたします。
インターネット広告を活用する為に重要なポイントは、多くの広告メニューの中から目的に合致した広告を選定する能力です。
下記内容に関しては最低限覚えておきましょう。
純広告
マスメディアに近い考え方が『純広告』です。
ターゲットの行動を想定して、特定のメディアの広告枠を購入する手法です。ヤフーやGooなどのポータルサイトのバナー広告が代表的な広告です。
インプレッション数(表示回数)を重視したブランディング戦略に適しています。
PPC広告(リスティング広告)
純広告同様になメジャーなのがPPC広告です。ヤフーやGoogleなどで生活者が入力する検索キーワードに連動して広告が掲出されます。
「結婚式場」と入力した生活者に「結婚式場の広告」を掲出するイメージです。検索キーワードに連動しますので、潜在層への訴求でなはく顕在層(いわゆる今すぐ客)へのアプローチ手法です。
アドネットワーク
近年、最も多い手法と言えるのが『アドネットワーク』です。
複数のWebサイトを媒体として集めて広告を配信する手法です。アドサーバーを介してネットワークしている広告媒体に広告を掲載します。
中小のWebサイトや個人ブログを配信メディアに含むことで、多くのトラフィックを期待できるのが特徴です。
純広告のように掲出するメディア中心ではなく、ターゲットの行動を中心に考える手法と考えればいいでしょう。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、Webサイトに訪問した生活者に対して再アプローチする手法です。
あなたも、一度検索したキーワードに対する広告が繰り返し掲出される経験をされていると思います。
いわゆる追跡型の広告です。
生活者は購入に際し、複数の企業を比較検討するのが普通です。PPC広告でも数社をクリックするのが普通です。
その場で決定しない生活者も多数存在します。。そのような生活者を逃さない為に追跡して繰り返し訴求をするのです。
SNS広告
Facebook・インスタグラム・TwitterなどのSNS上に配信される広告が『SNS広告』です。
SNS広告の最大のメリットはターゲティングの正確さです。
Facebookなどは実名での個人情報入力が条件です。卒業した学校、性別、職業、趣味、年齢、既婚・未婚、住居、勤務先までFacebookは把握しています。
Facebook広告のターゲティング力の正確さは大きな魅力です。
ネイティブ広告
ネイティブ広告は近年注目されている広告手法です。掲出されるメディアに溶け込むような形で配信される広告です。
Facebookの投稿欄、ニュースを閲覧している時に、ニュースの間に掲載される記事形式のテキスト広告などです。
ごく自然な形で掲載されるのが特徴です。
動画広告
インターネット回線の普及やパケットフリーなどのインフラ環境に比例して急増しているのが『動画広告』です。
普及当時は、Youtubeが中心でしたが、最近では動画サイト以外でも珍しくなくなりました。
5Gの普及に伴い、今後も成長することは間違いありません。SEO効果の点からも要注目でしょう。
タイアップ広告
タイアップ広告とは、純広告と異なり編集記事の体裁で掲載される広告です。
雑誌のタイアップ広告と同様です。広告主とメディアが連携して広告を掲載します。訴求したい情報量が多い場合などに効果的です。
他にも多くの広告メニューがありますが、上記メニューは最低限覚えておきましょう。
まとめ
マスメディアとインターネット広告の違いを簡単にまとめると『メディア選定から始まり、多くの生活者に一方的に訴求するのがマスメディア広告』、『ターゲット主導で掲載するメディアを選定するのがインターネット広告』と言えるでしょう。
『潜在層も含めた不特定多数に訴求したいのであればマスメディア』、インプレッション重視の手法もありますが『ターゲットを絞って無駄なく配信できるのがインターネット広告』です。
それぞれの特徴をより活かすために、マスメディアとインターネット広告を連動させるもメジャーな方法です。
キャンペーン内容に合わせて効率的な展開を考えましょう。