広告豆知識

日本の広告費2016年度検証!

日本の広告費2016年度を検証します!

日本の広告費2016年度が電通より発表されました。
広告メディアの成長と衰退の状況は、単年ではなく長期的視点での検証が必要です。

今回も、2005年から2016年まで12年間の長期的視点で検証しています。

 

日本の広告費2016年度のポイント(前年比較)

 

  1. 前年比(2015年度比)は101.9%となり、2012年度(東日本大震災の翌年)より5年連続でプラス成長となっています。2011年度比では110%となり5年間で5,784億円のプラスです。
    リオデジャネイロオリンピック・伊勢志摩サミット・参議院議員選挙・都知事選などの大きなイベントがプラス要因の一部として考えられます。
  2. マスメディアの4媒体は合計で99.6%。テレビ・ラジオはプラス成長となり、紙媒体の新聞・雑誌はマイナス成長となっています。
  3. インターネット広告は113%と前年の110%を上回る2桁成長を維持しています。
  4. プロモーションメディアは屋外広告、展示・映像がプラス成長、その他のメディアはマイナスとなっています。
    展示などのイベントはスマートフォンとの連動(インタラクティブ・プロモーション)の成長が関係しているのかもしれません。

 

広告媒体別の推移

では、
テレビ広告、新聞広告、雑誌広告、ラジオ広告、インターネット広告、プロモーションメディアの6分野に分けて、それぞれ検証してみましょう。

 

テレビ広告

テレビ広告は地上波、衛星メディア関連ともにプラス成長。
地上波は2015年度にマイナス成長となりましたが、巻き返した状況となり、2014年度よりも売上を伸ばしています。
衛星メディア関連は前年比104%と例年通り順調に成長を続けています。

 

新聞広告

新聞広告は前年比95.6%となりました。
オリンピック、サミット、選挙など、新聞と相性の良いイベントがありましたが、マイナス成長を止めることはできませんでした。
イベントが無かったら90%を切っていたでしょう。前年比-4.4%は大健闘です。
しかしながら、2017年度以降もプラス成長に転じることは100%ありません。

 

雑誌広告

雑誌広告は前年比91%と非常に厳し状況に変わりはありません。
電子雑誌などの成長はありますが紙メディアのマイナスには追い付かない状況です。
電子書籍と紙媒体の連動などの課題は2017年度以降も続く長期的な課題です。

 

ラジオ広告

本ブログでもマイナス成長は終了したと予想していましたが、前年比102.5%と成長しています。
今後も多少のマイナス期はあるかもしれませんが、新聞のようなマイナス成長に戻ることはありません。
PCやスマホとの連動など期待できる要素が多いのが魅力です。

 

インターネット広告

今年度も2桁成長を維持しています。市場規模は1兆3100億円にまで成長しました。
対テレビでは、テレビ広告の1兆8374億円に対して70%の市場規模にまで成長しています。
テレビ広告と並ぶのも現実となってきました。今の成長が継続すると4年後にはテレビ広告を抜く可能性があります。
2009年に新聞広告を抜きましたが、対新聞では、その後の7年間で2.4倍にまで成長しています。

 

プロモーションメディア関連

屋外広告、展示・映像関連は多少の成長。電話帳や折込みは厳しい状況が続いています。



日本の広告費2016年度のポイント(2005年度比較)

前年との比較に続いて、2005年と2016年を比較してみます。
この12年間を比較すると日本の広告市場は92.2%にまで縮小しています。

しかし、リーマンショックから東日本大震災にかけてのマイナス時からはプラス成長を続けています。
当面は目安となる年間6兆円台を維持していくでしょう。

この期間の広告市場の成長を支えているのは、インターネット広告です。
2005年当時3777億円規模だった売上が12年間で約1兆円売り上げを伸ばしています。

一方で、2005年当時1兆円を超え、テレビ広告と広告業界をけん引してきた新聞広告は2005年度比で52.3%と5000億円近い売上げが減少しています。
2017年には新聞広告の規模は5000億円を下回る可能性があります。
販売部数の減少に歯止めが掛かる理由は見当たりませんので、今後も広告費はマイナス成長を続けることは確実です。

雑誌広告は2005年度比で45.9%となり、市場は半分以下にまで縮小しています。
電子雑誌・電子書籍などの成長と紙メディアとバランスをどのようにしていくのか?業界としての方向性を早急に決定させる必要があります。

屋外広告、交通広告も12年間で約20%市場を減らしています。
電話帳は12年間で75%以上のマイナスとなっています。
防災に関する情報提供などで媒体の価値はアップしていますが、Web版の普及が進まないと媒体自体の存続が厳しいかもしれません。
スマートフォンとの連動が必須です。

 

まとめ

マスメディアを中心とした既存のメディアの売上は横ばいからマイナスの傾向が続きます。
インターネット広告が成長する流れは今後も続きます。

しかし、単純にインターネット広告だけでは生活者に確実に商品やサービスを訴求することはできません。

インターネット広告とアナログメディア、売り場の連動などの“オンラインtoオフライン”のキャンペーンの重要性も再認識されるようになります。
いかに費用対効果よくメディアを組み合わせるべきなのか?試行錯誤が続くでしょう。

この課題に対して、柔軟な対応ができるかが既存の広告メディアの課題です。
インターネットの成長は既存のアナログメディアのチャンスでもあります。成長する分野をどのように組み入れるかが重要です。

広告メディアの未来は、2020年までの3年間ではっきりとしてくると推測しています。

 

※最新!日本の広告費2017年度はこちら

 

 

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