コラム

儲かっている飲食店のコスト構造とは!

飲食店のコスト構造はどうなっているのか?

簡単そうで非常に難しいのが飲食店の経営です。

勤務先や家の周りに多くの飲食店がある為に、
『飲食店の経営は簡単だ』と思われがちですが、商売の中でも難しい部類に入るのが【飲食店の経営】です。

飲食店の倒産率は【開店後から10年以内に90%以上が倒産する】と言われているレベルです。

「料理が好き」「料理が得意」「人と話すのが好き」というだけで起業する方がいますが、それだけでは確実に失敗します。
「好きなこと」は大事ですが「経営」は別問題です。

料理を作るのが好きな人に、料理を御馳走されて『まずい』という人はいません。
誰もが『美味しいですね!』『めちゃくちゃ美味しかったです!』と言います。これを真に受けて起業すると、痛い目に合います。

素人に毛の生えたレベルの料理で金儲けはできません。

飲食店を始めるためには、初期投資の負担(数百万~1千万以上)が必要です。

開店後にはランニングコストが必要になります。
電気代・人件費・借り入れの返済・家賃・リース代の返済・メンテナンス費用などが毎月の負担になります。
毎月走り続けなければいけない、孤独で厳しいビジネスモデルです。

しかも、広告で集客しようとしても、多くの店舗が「同じ戦略」で「同じプラットフォーム」に広告を出している為に、差別化が難しく集客に結び付きません。
儲かっているのは、「一部の飲食店」と「広告のプラットフォーム」を提供している会社だけです。

広告での差別化が難しい時代において、飲食店を経営していく為には、味は当然として、コスト管理をしっかりとしなければいけません。

 

では、儲かっている一部の飲食店の利益構造はどうなっているのでしょうか?検証してみましょう。

 

 

儲かってる飲食店の利益構造の特徴

 

飲食店のコストの中心は『人件費』と『食材費』です。この合計が全体の売り上げの70%を占めているのが平均的なコスト構造です。
この70%を下回るコスト管理ができている店舗は利益構造が良い状況だと判断できます。

つまり、

 

人件費と食材費の合計が60%以内に管理できれば儲かる可能性が高まる!

 

と言うことが分かります。

 

儲かってる店舗の利益構造

人件費と食材費の理想的な割合は半々を目安とするといいでしょう(食材費:30%&人件費:30%)

この「2つのコストの合計を60%に抑える」つまり60%を下回るような計画で事業を開始しなければ安定した経営はできません。
※フランチャイズの場合は40%~50%が主流となります。しかし、その分本部への上納金がありますのでコスト構造は別になります。

 

人件費と食材費を60%以内に抑える理由

飲食店では、中心となる人件費と食材費以外でも必要となるコストがあります。

  • 家賃:7%~10%以内(飲食店の場合は家賃の10倍から15倍の売り上げが目標)
  • 水道光熱費:7%
  • 減価償却費:5%から10%
  • 消耗品:3%
  • 雑費:10%
  • その他初期投資の返済

この費用だけでも30%程度は必要になります。
食材費と人件費が70%で収支はトントンです。
ちょっとしたロスや急な支出が発生するだけで赤字になります。

飲食店の経営で営業利益を10%出すのは大変だと分かりますね。
機材のメンテナンスが入ったり、人件費の高騰などで赤字になる店舗がほとんどです。

1カ月赤字を出すと、回収する為には翌月以降2か月分の黒字を継続しなければいけません。
日々の多忙に追われていると、6か月間はあっという間です。
6ヶ月分の赤字を返済するには1年間以上の黒字が必要です。
それでトントンです。銀行融資も追加で必要となってくるでしょう。

しかし、初期投資の返済も滞っている会社に追加融資は出ません。結果として資金繰りの悪化から倒産となります。

 

利益を出す為には、コストの中で大きな割合を占める食材費と人件費を下げる努力は絶えずしなければいけません!

 

利益を出す考え方

利益を出すために人件費と食材費の対策が必要です。コストを下げるのは簡単ではありませんが、対策を考えてみましょう。

 

原材料費を下げる

食材費のコストを下げるときに最初に考えるのは、大量仕入れによるコスト減です。
しかし、チェーン展開をしていない個人経営の小さな店舗では難しい問題です。

「宣伝費を増やすことで客数を増やし、仕入れのコストを下げる」ことも一時的な効果であり体力が持ちません。
宣伝費用が掛かる上に、顧客対応の為の人件費が増えるだけで、結果として収支は悪化することになるでしょう。

このような計画性の無いコスト減は顧客離れを招くことになります。
メニューの単一化、季節の材料に特化したメニューによるキャンペーンの実施など小さな努力の積み重ねによるコスト減が大事になってきます。

 

人件費を減らす

単純に人件費を減らすことはサービスの低下を引き起こします。

サービスの低下を起こさずに、人件費用を減らす方法としては、『メニューの統一化によるオーダーの簡素化』があります。
食材費の削減とセットで効果が見込めます。

メニューの多さが最も大事だと思っている方がよくいますが、経営の足を引っ張るようなメニューは減らすべきです。
思い切って減らすことで食材費と人件費の削減が可能になります。
同じ食材を使用したメニューの多角化も検討すべきでしょう。

また、思い切った営業時間の短縮も重要です。

味やサービスが悪くなると客足は悪くなりますが、味やサービスに問題が無ければ多少の時間短縮はお客の理解は得られます。
営業時間が短いが為に人気のある店舗は多数存在します。売り切れなどのプレミアム感を出せれば成功です。

 

■広告宣伝費は?

 

上記数値では広告費は雑費(10%)の中に含まれます。
1日の売上平均が10万円の飲食店の場合、広告費を5%とすると毎月15万円しか宣伝費用はありません。
食べログに広告を出したら、宣伝費は全てなくなります。

PPC広告なども充分な露出は不可能でしょう。
人件費もギリギリですので自社のホームページを充実させることもできません。

毎日食べログからの来店を期待しますが競合他社に埋もれて効果はありません。
しかし、食べログへの広告出稿は不安でやめられません。
自社での戦略がない飲食店にとって「食べログは麻薬と一緒」でやめる決断ができず、結果として赤字から脱出できないのです。

 

では宣伝はどうすればいいか?

少ない広告予算で効果を出すには自社でコントロールできるWebページとSNSの構築に戦略的に取り組むことが重要です。
思い切って「食べログ」への広告出稿はやめる方向も検討するべきです。
食べログに支払う資金で自社での運営体制を整えることも検討しなければなりません。

食べログへの広告出稿は投資ではなく消費です。1年たっても資産は何も残りません。
しかし、同じ金額でも自社のホームページの構築は自社の資産を構築する為の投資となります。
1年後、2年後と資産は育ち続けます。

年間150万~200万の広告予算があれば、Webページの構築から更新、そしてSNSの運用まで相当のことが可能です。


SNS戦略では、Facebookページもしくは、無料で始められるLINE@は必ず取り組むべき施策です。
無料で顧客とコミュニケーションが図れるSNSはやらない理由は見つかりません。

 

Webページのもう1つの重要性

充実したWebページが重要な理由は他社との差別化です。
理由は「多くの飲食店の経営者はインターネットが不得意」ということです。

その為に高額な外注をすることになり、
更新費用が出せずにWebページが充実していません。

Webページというのは更新を繰り返すことで、検索上位表示が可能になり集客に結びつくのです。

つまり、自社でWebページを構築することで競合他社と差別化を図ることが容易なのが飲食業界です。
『口コミ』も食べログに頼るだけではいけません。
自社のWebページで紹介することが必要です。

そして、自社Webページには『動画マーケティング』を積極的に取り入れることを忘れてはいけません。

今の時代、動画マーケティングを取り入れたWebサイトの構築は安価で対応してくれる会社は多く存在します。
20万も出せば、それなりのWebサイトは完成します。
月々10万円で更新を頼めば、1年後には大きな財産になります。

自社で集客する努力をすることは絶対に必要です。

 

まとめ

 

  • 飲食店の運営には、初期投資を出来るだけ自己負担にする。自己資金が無い場合は余程の勝算が必要です。
  • ランニングコストをどれだけ抑えることができるか?事前にしっかりと検討する。
  • 開店後数か月は赤字でも耐えられる収支計画が必要
  • 無料で出来るSNSは必須(リピーターの確保に重要)
  • 自社でコントロールできるWebページを構築する(高額な業者には発注しない、動画マーケティングが必要)
  • Webページの更新は自社で実施する(業者に頼むとランニングコストが増える)
  • 新規顧客だけでなくリピーターの確保を重視する

 

飲食店の多くは『食べログ』などのサイトに広告費を投入しています。

これは、会社の経営を他社のプラットフォームに全て握られているのと同様です。
Webの世界は自社が中心となって戦略を構築することが重要です。

サービスや味がよければWebページさえしっかりと構築しておけばSNSで情報が拡散する時代です。

固定概念は無くすことが重要です。

売上を上げる為の方法は下記を参照してください。より具体的になっています。

 

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