ハウスエージェンシーとは

投稿者: | 2021年10月17日

『ハウスエージェンシー』とはどんな会社なのか?

 

『ハウスエージェンシー』は広告業界で良く聞かれる用語です。
良く理解できないという方が多いようですので整理してみましょう。

親会社の子会社として広告の仕事をする会社が『ハウスエージェンシー』です。

『ハウスエージェンシー』は、大きく2つのカテゴリーに分かれます。

 

  1. 媒体社(鉄道会社やマスコミ)系:親会社の広告枠の販売を主要業務とする広告会社
  2. メーカー系:親会社の宣伝部のような立場で仕事をする広告。親会社の広告発注の窓口にもなります。
  3. その他:流通系などマスコミやメーカーと異なる広告会社

 

メディアから発生したハウスエージェンシーは、
海外では珍しく【日本特有のビジネスモデル】と言えます。

広告業の先進国である欧米では、メディアが広告代理店を所有するようなビジネスモデルは存在しません。
日本ならではの商習慣と言えるでしょう。

 

①媒体系

媒体社系であるハウスエージェンシーは、大きく『鉄道系』『新聞系』に分かれます。
順を追って説明しましょう。

 

鉄道系

 

最も規模の大きいハウスエージェンシーが存在するのは【鉄道系】です。

  • 東日本旅客鉄道:ジェイアール東日本企画
  • 東海旅客鉄道:ジェイアール東海エージェンシー
  • 西日本旅客鉄道:JR西日本コミュニケーションズ
  • 東京急行電鉄:東急エージェンシー
  • 小田急電鉄:小田急エージェンシー
  • 京浜急行電鉄:京急アドエンタープライズ
  • 九州旅客鉄道:JR九州エージェンシー
  • 阪急電鉄:阪急アドエージェンシー
  • 東京メトロ:メトロ・アドエージェンシー
  • 京王電鉄:京王エージェンシー
  • 東京モノレール:モノレールエージェンシー

など。
親会社である鉄道会社が運営する「交通広告の販売と管理」をメインの業務としています。
『JR東日本企画』と『東急エージェンシー』は、交通系の広告以外も扱う総合広告会社としても有名です。

 

車両と駅のメディアを中心としていますが、鉄道会社が開発する街中の広告メディアの管理もしています。

 

新聞系

 

鉄道系に続き有名なのは新聞系でしょう。
新聞の発行部数の減少により存在感が薄くなってきていますが、新聞以外の売上もあり、それなりに大きな売り上げ規模を持しています。

  • 読売新聞社:読売エージェンシー
  • 朝日新聞社:朝日広告社
  • 日本経済新聞社:日本経済広告社、日本経済社
  • 毎日新聞社:毎日広告社、毎日エージェンシー

 

上記で最も規模が大きいのは朝日広告社です。
朝日新聞以外にもテレビ朝日や他企業の仕事も多く担当しています。
また、良く勘違いされるのは読売広告社です。読売広告社は読売新聞社の子会社でもハウスエージェンシーでもありません。

 

②メーカー系

日本ではメーカー系のハウスエージェンシーも多く存在します。
広告主であるメーカーの広告費の多くを担当する為、媒体社に対しても大きな影響力を持っています。

 

  • トヨタ自動車:トヨタマーケティングジャパン、デルフィス
  • 本田技研交渉:ホンダコムテック
  • ソニー:フロンテッジ
  • 三菱電機:アイプラネット
  • サントリー:電通アドギア
  • 東京ガス:東京ガスコミュニケーションズ
  • 味の素:味の素エージェンシー

 

広告の100%全てを管理しているとは限りませんが、親会社の広告費の多くを担当しています。

また、大手企業の広告を担当している為に、そのノウハウに魅力を感じる企業も多く、
他の企業からも多くの仕事を受注しているのが特徴です。

 

 

④その他のハウスエージェンシー

 

流通系

流通系の企業にもハウスエージェン-が存在します。
店舗作りなど、店舗に関する様々な業務も担当しています。

  • イオン:イオンビスティー
  • 高島屋:エー・ティ・エー
  • 三井不動産グループ:ららぽーとエージェンシー

 

 

通信系

 

通信系で有名なのは、NTTアドです。
日本国内でも多くの広告予算を持つ、NTTDOCOMOやNTT東日本、NTTコミュニケーションズなどの広告窓口を担当しています。
大きな広告予算を持つ企業の中心的な役割を持っている為広告業界での存在感は大きいと言えます。

  • NTT:NTTアド

 

 

ハウスエージャンシーのまとめ

 

媒体系のハウスエージェンシーは、自社メディアを積極的に販売促進する広告代理店として存在しています。
(実際は親会社のメディア以外の販売もしています)

また、多くのハウスエージェンシーは、親会社の天下り先としての役割があり、
社長などの上層部は親会社からの天下りが中心となる傾向があります。

しかし、ハウスエージェンシーの意義はそれだけではありません。
特にメーカー系では絶対的に必要ではありません。

普通のメーカーであれば、キャンペーン時に広告代理店を読んでコンペを繰り返して発注していればリスクは無いからです。

では、なぜ、これだけ多くのハウスエージェンシーがあるのでしょうか?
その理由の1つが、広告の出稿時に発生する広告マージンの内部留保です。

 

 

簡単に表にしてみました。
広告代理店が介在する場合に発生する広告マージンは20%が中心です。
通常であればその20%は他社の利益で全く関係がありません。

しかし、それが子会社であれば違ってきます。
利益が連結対象の子会社で計上されますので、親会社としてはグループ内に留保されることになります。
結果として、その代理店マージンも企業全体としての利益に貢献することになります。

ハウスエージェンシーには様々な存在理由があるのです。

広告業界で『ハウスエージェンシー』は頻繁に登場してきますので、しっかり覚えておきましょう。

 

 

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