広告代理店の組織はどうなっているのか?

広告代理店の仕組み

広告代理店は多くの部署から構成されています。

 

大手の広告代理店では、
広告営業の他に、
広告の企画を調査・立案・制作するクリエイティブ部門、
広告制作を統括するプロダクション部門、
クライアントのニーズに合わせて仕事を割り振るアカウントマネジメント部門、
広告を掲載するメディアを担当するメディア部門、
調査・分析・マーケティング戦略を担当するマーケティング、
広報、予算編成や経費管理を行う財務部門などがあります。

インターネットの普及に伴い、メディア部門とは別に、
デジタルキャンペーンを行うソーシャルメディア部門、IT部門、その他様々な専門部門も存在します。

 

大手広告代理店の組織(一般例)

 

広告代理店の組織は、本社(社長・会長など)が全てを仕切るトップとして存在し、その下部に枝葉のように各組織が広がっています。
基本形は普通の企業と変わりませんが、広告代理店ならではの部署も存在しています。

 

統括・直轄

総括組織として、

  • 経営企画室
  • 情報システム部
  • グローバル事業統括部
  • 海外統括部

などがあります。
経営者の直轄的な部署です。

 

経営企画室というのは、中小の広告代理店でも存在することがよくあります。
しかし、多くの場合は社長や役員の便利屋的な存在なのが普通です。

なので、優秀な人材ではなく、イエスマンが重宝される部署です。
どの会社でもイエスマンというのは上司から必要とされるものです。

理屈が得意なので、広告代理店の営業マンとしては何の役にも立たないが、
数字の管理だけは出来て、なおかつ自分の意見が無いような無害な人間が配属されます。

経営企画室が力を持つと会社にとって良いことはありませんが、経営者からすると必要な組織ですので
多くの広告代理店には存在しています。

衰退している広告代理店には、このような経営企画室があるのが特徴です。

企画力などは全くありませんが、社内での力はあるのが特徴です。

海外統括部

大手広告代理店ならではの部署です。
最近は、日本の市場に大きな成長が見込めないことから、多くの広告主が海外進出をしています。

結果として、大手の広告会社も海外への進出に積極的で、海外の広告会社の買収なども行われています。

広告代理店の組織

 

海外統括部は、大手広告会社の成長に重要な役割があると言えます。

 

コーポレート

  • 総務局
  • 経理局
  • 人事局
  • 広報局

どんな会社にもありますね。
総務や経理は地味なイメージがありますが、地味なだけに非常に大変な仕事だったりします。
ミスしないのが当たり前の仕事って、結構大変なのです。

 

アカウント

 

広告代理店では、アカウントという言葉が一般的ですが、要は【営業部】です。
売上を獲得してくる部署ということです。
アカウント1部・2部・3部など、
広告代理店によって、名称は異なります。

大手になるほどアカウント局は多くなるのが特徴です。

 

日本のアカウント局の特徴

 

海外の広告代理店では1業種1社が普通です。
例えば、GMの仕事を受注していればフォードの仕事はしない。
メルセデスベンツの仕事をしていればフォルクスワーゲンの仕事はしない。
というのが常識です。

しかし、日本の場合は異なります。

同じ広告代理店の中で、トヨタ、日産、HONDAなどの仕事を普通に受注しています。
広告の仕事ですから、新車の情報などは広告会社は知りえる立場です。
この情報が他部署に漏れたら大変です。

当然、同じフロアーで仕事をすることが無いように部署を分けなければいけません。
日本の広告代理店では、アカウント局を複数に分けて、情報漏洩などが無いように体制を整えています。
守秘義務契約を結ぶことで情報漏洩の対策は徹底していると言われています。

 

なぜ、日本の場合はこのような状況になっているのか?

日本が1業種1社になっていない大きな理由は、
広告業界が構成された理由によると言われています。
海外では広告主が中心となって広告会社を設立しますが、
日本の場合はメディアが中心となって広告会社を設立します。

その結果、メディアを多くの企業に販売しなければいけない為に、
1業種1社制は難しい状況になります。

しかし、グローバル化が進むことにより、今後は日本でも1業種1社制は浸透していくかもしれません。

 

メディア

アカウント(営業)と同じく広告会社にとって、欠かせないのは【メディア】です。

  • テレビ局
  • ラジオ局
  • 新聞局
  • 雑誌局
  • インタラクティブメディア局
  • OOH局

などの部署が中心です。

営業からのクライントニーズを把握して広告メニューの作成をしたり、メディアの新情報を営業に伝達します。
メディアと営業の橋渡し的な存在です。

広告会社の売上の大半は、メディアの販売による収入です。
非常に重要な役割を果たしています。

良く『ラテ』と言う言葉を聞かれると思います。これはテレビ局とラジオ局を担当している部署です。
昔ながらの花形的な部署です。

また、多くの広告代理店では、広告営業ができない人を配属する傾向が多く見受けられますが、
メディアこそ優秀な人を配属すべきです。
メディアから信用されて、より良い情報を得る人間関係を築くには優秀な担当者が必要です。

 

メディア(媒体部)こそ、優秀な人材を配属させよう!

 

また、インタラクティブ・メディアというのは、昔は無かった【インターネット関連】の部署です。
近年では、インタラクティブ・メディアへの増員に伴い、新聞局と雑誌局を同部署にする会社も増えてきています。

 

クリエーティブ(ソリューション)

 

  • クリエーティブ
  • マーケティング
  • プロモーション

クリエーティブに関しては、会社ごとに特徴があります。

クリエーティブでは、コピーライター、CMプランナー、デザイナ-などが在籍し、
広告掲載に使用する広告物の制作を担当します。

マーケティングは、市場調査、データの分析、企画書の作成などのマーケティング全般を担当します。

プロモーションというのは、イベント、店頭プロモーションなどを担当します。
今後は、OtoO(オンラインからオフライン)に注目が集まるようになり、スマホと店頭との連動などが重要視されるようになります。
プロモーションは、今後大きな成長が見込める部署です。

 

広告代理店の組織のまとめ

広告代理店の一般的な組織に関して説明させていただきました。

インタラクティブ・メディアは、
今後も大きな組織になっていくでしょう。

仕事内容が複雑なために別会社として存在させる流れも一般化するはずです。

どの部署に注力すべきなのか?中小の広告代理店では選択と集中が非常に重要になってきています。

 

 

 

 

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