シネアドとは何か?映画館広告の魅力と活用法!

OOH・屋外広告

シネアドとは?

シネアド(Cinema Advertising)とは、映画館で上映されるコマーシャル(CM)広告のことです。映画本編が始まる前に上映されるこの広告は、視聴者の集中力が高まっているタイミングで放映されるため、非常に高い視認性と印象効果を持つメディアとされています。

屋外広告(OOH:Out of Home広告)の一種として、交通広告や街頭ビジョンと並ぶメディアでありながら、シネアドは特に”閉じられた空間での集中視聴”という独自の特性を活かした訴求が可能です。

 

 

OOHとしては、“閉じられた空間”という特殊なメディアと言えます。

シネアドの主なメリット

シネアドのメリットを考えてみましょう。下記の9点が考えられます。

  1. 視認率の高さ:映画本編への期待感が高まるタイミングで放映され、観客の集中を確実にキャッチできます。
  2. 高品質な映像・音響:映画館の設備を活かし、視覚・聴覚に訴える迫力ある表現が可能。
  3. ターゲットセグメントが明確:上映作品や映画館の立地により、広告を届けたいターゲット層を精緻に設定可能。
  4. 地域密着型にも対応:1館単位で出稿可能なため、地域の店舗や中小企業にも適しています。
  5. プロモーション展開との相性が良い:サンプリングやチラシ配布、施設内イベントと連動可能。
  6. ティーン層へのリーチ:テレビ離れが進む10代、とくに女性層にもリーチ可能な貴重なメディア。
  7. スキップされない長尺CM:YouTubeやテレビと違い、じっくりと見せたいブランドストーリーにも対応。
  8. 補完メディアとしての活用:テレビ広告では届きにくい層への補完的なメディアとして活用可能。
  9. 多様な周辺メディア:ドリンクカップ、トイレ内サイン、肘掛けステッカー、パンフレット広告などと組み合わせ可能。

シネアドのデメリット・注意点

一方で、どのメディアにもあるようにデメリットが無いことはありません。下記のようなデメリットが6点考えられます。

  • 観客の不満につながる場合も:映画本編の前に長時間CMが続くと、観客が「早く映画を始めてほしい」と感じることがあり、広告に対する印象が悪化するリスクもある。
  • 出稿タイミングの柔軟性が低い:上映スケジュールが事前に決まっているため、緊急性の高い広告には不向き。
  • 上映映画とのイメージのギャップ:作品と広告の内容がミスマッチだと印象を損ねる可能性がある。
  • 費用対効果の測定が難しい:視聴はされるが、行動変容や売上との直接的な紐づけが難しい。
  • 館数・期間によっては高コスト:全国規模で出稿する場合や長期展開を想定するとコストが想像以上に膨らむ。
  • サンプルやチラシ設置の調整が必要:館ごとのルールや施設運営との調整が必要なため、手間がかかる。

 

シネアドは強制視認性が最大のメリットではありますが、その強制視認性が来館者には不満に感じることは否定できないでしょう!

シネアドと他メディアの比較

シネアドは、以下のような特徴を持つOOHメディアと比較して検討されます:

メディア種別 特徴 適している目的
シネアド 映像+音の高品質訴求/閉鎖空間 集中視聴・ブランド体験訴求
街頭ビジョン 通行者への視認/屋外露出 認知拡大・回遊導線の形成
交通広告 移動時に繰り返し接触 通勤層への刷り込み

他のOOHと比較した場合、シネアドは、見せたい映像をじっくり届けるのに向いており、イメージ訴求やブランド価値の醸成に強みを発揮します。

活用に適したケース

  • 商品やサービスの世界観を映像でしっかり伝えたい場合
  • 商業施設・店舗と連動した販促企画
  • 新ブランド・新商品ローンチの第一印象づくり
  • 特定の映画作品に関連したタイアッププロモーション

映画館チェーンの概況(2025年時点の目安)

(※以下はおおよその目安)

  • TOHOシネマズ:70館超/スクリーン数 約700
  • イオンシネマ:90館前後/スクリーン数 約750
  • ユナイテッド・シネマ:40館前後/スクリーン数 約350
  • 109シネマズ、T・ジョイ、MOVIXなど:それぞれ10〜30館程度

合計で全国には約300館・3,000スクリーン前後が存在すると推定され、シネコン(複数スクリーンを持つ映画館)の比率が高いことが特徴です。

まとめ:なぜ今シネアドなのか?

シネアドは、OOHメディアの中でも”没入感”と”集中視聴”に特化したユニークな存在です。

テレビやSNS、YouTubeとは異なり、広告がスキップされることなく、明確なターゲットに向けて確実に届けられます。

一方で、映画館という空間の性質上、タイアップやプロモーションとの親和性も高く、目的に応じて柔軟な企画展開が可能です。

「広告をじっくりと見てもらいたい」「ブランドの世界観を体験してほしい」そんなニーズを持つ広告主にとって、シネアドは今なお有効な選択肢となり得るでしょう。

関連記事: