企業間取引における本質
本日は、「BtoB取引」について考えてみます。
なぜなら、この記事の読者には広告代理店などの広告業界の人が多く、そのほとんどがBtoB取引だからです。そして、BtoBビジネスにおいても変わらない原則があります。
- 新規顧客の獲得
- リピーターの確保
- 過去に取引のあった企業への再アプローチ
この3つの課題は、どの企業にとっても永遠のテーマです。
特に、莫大なコストがかかる新規顧客の獲得は、多くの企業が頭を悩ませています。
しかし、多くのビジネスマンが見落としている大きなチャンスがあります。
本日は、企業が見落としがちな『③過去に取引のあった企業への再アプローチ』について、より詳しく考えてみます。
顧客はすぐ近くにいる
現在取引がない取引先を、もう顧客ではないと思っていませんか?
実は、過去に一度でも取引があった企業には、再アプローチできる可能性が十分にあります。もっとも高いとも言えます。

「過去にきっとトラブルでもあった」「もうこの会社とは取引できない」と勝手に決めつけていませんか?
顧客が離れる理由はさまざまです。
- サービスのニーズが変わった
- 競合に乗り換えた
- フォローが不十分だった
- 価格面で競争に負けた
- なんとなく自然消滅した
- 企業の経営方針が変わった
- 予算が削減され、一時的に取引を見送った
- 前任の担当者が他社との関係を重視していた
など、理由は様々でしょう。
しかし、このような状況を気にする必要はありません。

重要なのは、「今何が提供できるか?」 です。
過去に何があったか?過去の営業担当がどうだったのか?は関係ありません。なぜなら顧客の担当も変わっている可能性が十分にありますし、顧客の悩みも日々変わっているからです。
「あの会社、悪くなかったけど…」
こう思っているクライアントは意外と多いのです。
再アプローチの価値
新規開拓に比べ、過去に取引のあった企業へのアプローチは圧倒的にコストパフォーマンスが良いです。
- 企業情報の説明が不要
- 相手のビジネスモデルを理解している
- 信頼関係の再構築のスタート地点に立てている可能性がある
もし大きなトラブルを起こしていないのであれば、再アプローチしない理由はありません。

再アプローチで失うものは何もありません!
ダメだったらダメということです!
では、効果的な再アプローチ方法を検証してみましょう!
効果的な再アプローチ方法
過去の取引先リストを整理する
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- 経理や営業データから取引履歴を洗い出す
- 3年以上前の取引先でもリストアップする
- 取引量・取引期間・取引停止理由を分析する
- 現在のニーズとマッチしそうな企業を優先順位付けする
本音で接触する
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- 「ご無沙汰しております。長いこと気にかけていましたが、ご挨拶できずに申し訳ありません。」
- クライアントの業界最新情報を共有する。レポートなど先方の知りたそうな事を提供できるのは非常に良い方法です。
- 自社の新サービス・ソリューションを簡潔に伝える
- 取引停止時の理由を踏まえた上で、新たな提案を行う
- 過去の取引時の成功体験を思い出させるような話題を用意する
接触方法を工夫する
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- BtoBなら電話や直接訪問が効果的
- メール・手紙を併用し、継続的にアプローチ
- SNSやビジネスプラットフォーム(LinkedInなど)でつながる
- オンラインミーティングで気軽に話せる機会をつくる
- 手紙・ダイレクトメールを活用し、印象に残るメッセージを送る
上記のようなアプローチをそれぞれ検証し、何が適切なのか?良く考えてアプローチしましょう。きっと効果が出るはずです。
では、次に今の時代に合わせた最新のアプローチ方法も考えてみます!
最新のアプローチ手法
従来の「どぶ板営業」だけではなく、デジタルを活用したスマートなアプローチも大切です。
マーケティングオートメーション(MA)を活用
過去の取引先に対して定期的に情報提供。ただし、どのように情報提供すれば良いか分からないという声も多いでしょう。
特に、担当者が変わっていたり、連絡先のメールアドレスが不明な場合、どう接触すればいいのか悩むこともあります。
しかし、最新のテクノロジーを活用すれば、この問題を解決できる可能性が出てきます。
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- ビジネスデータベースやSNS(LinkedIn、企業公式サイト)を活用し、新しい担当者の情報を探す
- 過去に名刺交換した情報や、業界イベントの参加履歴をリサーチし、担当者への接触方法を模索する
- ウェビナーやホワイトペーパーのダウンロードをトリガーにし、見込み客としてアプローチできる仕組みを構築する
- パーソナライズされたメールやコンテンツを活用し、関係を再構築する
ウェビナーや業界イベントを企画し、興味を持つ企業が自発的に参加できる場を作る。
業界展示会・見本市(例:CES、Interop、FOODEXなど)で最新の業界動向を把握し、関係を築く。今はこのような催事が多数あります。活用するべきでしょう。
- 業界団体主催のカンファレンス(例:広告業界ならAd:tech、製造業ならJIMTOFなど)に参加し、新しい担当者の情報を収集する。
- 専門メディア主催のセミナー(日経、東洋経済、IT系メディアなど)を活用して、ターゲット企業の関心に沿った情報を提供する。
- 企業主催のウェビナー・カンファレンス(Salesforce、Google、Microsoftなど)に参加し、最新技術や市場トレンドを学びながらネットワーキングを行う。
- 業界別ネットワーキングイベント(LinkedInやPeatixなどで見つかる)を活用し、直接担当者と交流する機会を作る。
上記のようなウェビナーやイベントは調べればすぐに分かります。
積極的に活用すべきでしょう!
コンテンツマーケティングの強化
上記のような即効性のあるアプローチと比例して、長期的なアプローチの重要です。その方法として「コンテンツマーケティング」は欠かせません。
下記のような内容を考え、積極的に発信しましょう。
- 過去取引のあった企業にとって有益な情報を発信
- 業界トレンド・成功事例などを定期的に提供
- ニュースレターやブログを活用して、継続的にアプローチ
ただし、コンテンツマーケティングは即効性のある施策ではないため、上記の直接的なアプローチと並行して進めることが重要です。
長期的な関係構築やブランド認知向上を目的として運用し、将来的なビジネス機会を生み出す手段として考えましょう!
BtoB営業のまとめ
新規開拓も重要ですが、「過去の取引先」への再アプローチはコストを抑えつつ、高い成果を期待できます。
もし売上が伸び悩んでいるなら、「眠っている顧客リスト」 を活用してみてください。
今すぐ試してみましょう!
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