イノベーター理論とは!
新商品や新サービスを市場に投入する場合、売上に直結するのは市場への浸透率です。
マーケティング戦略において、市場を把握することは非常に重要です。
- 市場をいかに攻略するか?
- どれだけ多くの市場を攻略できるか?
は非常に重要なポイントと言えます。
この市場を攻略する方法として、市場を5つに分割して考える方法が『イノベーター理論』です。
市場を考えると、『流行になってからサービスを利用する層』は多数派です。
一方で、『誰よりも早くサービスを利用する層』や『利用しない層』は少数派ですね。
このように、サービスを利用する段階(レベル)に応じて、ユーザーを分けて考えます。
分け方は下記の様に5つに分かれます。
- イノベーター(革新者):市場占有率2.5%
- アーリーアダプター(初期採用者):市場占有率13.5%
- アーリーマジョリティ(前期追随者):市場占有率34%
- レイトマジョリティ(後期追随者):市場占有率34%
- ラガード(遅滞者):市場占有率16%
上記の様に5つの層に分けて、マーケティング戦略を考えていくことは非常に重要です。
①イノベーター(革新者)
新しいモノやサービスが好きで、発売時に誰よりも先に採用する層です。
どんな新商品やサービスでも必ずいるものです。
情報感度が高く「新しい」ということに最大の価値を感じる為に、価格に左右されることは多くありません。
「最先端」「革新的」「新技術」「世界初」「新登場」「完全フルリニューアル」などのキーワードに敏感に反応します。
割合は少なく2.5%程度。「オタク系」の新しいモノにも大きな興味を示します。
②アーリーアダプター(初期採用者)
イノベーターに続く層です。
「インフルエンサー」や「オピニオンリーダー」はこの層に属すると思っていいでしょう。
最近よくテレビで取り上げられる「ユーチューバー」は完全にこの層を狙っています。
世の中の流行や情報に非常に敏感であり、いち早く新商品を発見し採用するタイプです。
「SNS」での情報発信を誰よりも早く投稿したい為、情報収集は自ら行い、判断する能力があります。
よって、このタイミングにおいて、商品のメリットを正確に伝える能力が求められます。
アーリーアダプターは、この後に続く『多数派であるマジョリティ層』に対する影響力が大きい為に、市場攻略において最も大切な層だと言われています。
③アーリーマジョリティ(前期追随者)
アーリーアダプターのように、流行や情報に敏感ですが、慎重に行動する側面を持っている層です。
「流行がはじまっている」「流行がはじまりそう」という雰囲気に非常に敏感な為、
アーリーアダプターの口コミや投稿に大きな影響を受けます。
「ユーチューバー」や「インスタグラマー」の情報を絶えずチェック、気になる商品をすぐに通販で購入するような層です。
市場の34%を占める為、市場占有率を考える時に非常に大切な層となります。
④レイトマジョリティ(後期追随者)
新しいモノに対して懐疑的な考えを持つ層です。
「新しい」というキーワードだけでの購買行動は期待できません。
「多数の人が採用している」という確信が持てた段階で行動に移します。
多数の方の意見に影響を受けるタイプですので、「多数による安心感」がポイントです。
アーリーマジョリティと同じく市場の34%を占める大切な層です。
レイトマジョリティの攻略としては、
ブランドを浸透させることで、「採用しない=少数派」というイメージ作りも非常に効果的です。
⑤ラガード(遅滞者)
最も保守的な層です。伝統主義者とも言われ市場の16%を占めています。
この層はブランドが浸透したレベルでは行動に移しません。
ラガードを攻略する為には、
提供する商品が、
- 世間では定番であり
- 日本の文化として
- また伝統として定着しているレベル
まで高める必要があります。
ただし、この層を攻略することが重要かといえばそうでもないでしょう。
余程の余力がない限り、無視することも重要です。
どんな商品においても、このような層は必ず存在するからです。
最優先して神経質にならなくてもいいでしょう。
まとめ
上記の「イノベーター理論」から分かることは、
市場の70%を占める「アーリーマジョリティ」と「レイトマジョリティ」を攻略しない限り、市場に浸透したとは言えない。
ということです。
そして、この層は「アーリーアダプター」の影響を受けることが分かっています。
つまり、新商品を市場に投入する場合、最も大切なのは「アーリーアダプター」の攻略ということになります。
各企業が、「PR」「口コミ」「インフルエンサー」対策に必死になるのはこの為です。
「ステルスマーケティング」で失敗し炎上するのは、この戦略に必死になり過ぎた結果といえます。
インフルエンサーの活用には、バランス感覚が非常に大切です。
クライアントの過度の要求をストップすることも広告代理店の重要な役割といえます。
『キャズム理論』とは
『イノベーター理論』において、必ず出てくる理論が『キャズム理論』です。
『キャズム理論』とは、
『イノベーター』『アーリーアダプター』と
『アーリーマジョリティ』から『ラガード』に分ける考え方です。
前者を『初期市場』
後者を『メインストリーム市場』と分け、両者には大きな価値観の違いがあると考えます。
『普及率16%の理論』とも言われます。
市場の多くは後者が占めています(84%)そして、この後者を攻略する為には前者(14%)の攻略が欠かせません。
この価値観の違う両者を攻略する重要性を唱えているのが『キャズム理論』です。
『イノベータ理論』と一緒に覚えておきましょう!
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