広告代理店で働くと、「ネット」と「グロス」と言う言葉が頻繁に使われます。
これらの言葉は広告代理店では要の言葉でもあります。
今回は、これらの言葉の違いと、それらを如何に上手く使いこなすかを解説します。
特に新入社員の皆さん、注目してください!
“ネット”と“グロス”をマスターしよう!
まずは基本から。広告代理店の立場から見ると:
- グロス: これは広告の販売価格です。つまり、広告主に請求する金額。
- ネット: これは広告を掲載する媒体社に支払う金額です。
これらは、広告代理店の売上と原価を表します。
広告代理店の営業マンは、グロスとネットの違いを理解し、適切に管理する必要があります。
間違えると、赤字必死で大変な事になりますので、しっかりと覚えてください。
ネットとグロスの具体例
雑誌を例に具体的に説明します。
ある雑誌の広告には定価が100万円設定されています。
この100万円には広告代理店のマージンとして20%が含まれているとしましょう。
広告代理店は広告主に100万円を請求し、その中から20%のマージンを差し引いた80万円を媒体社に支払います。
これが基本的な流れです。
この時の100万円がグロスで80万円がネットになります。
ネットとグロスの応用編
しかし、全ての取引が定価で行われることはありません。
媒体社が値引きを行うこともあります。
例えば、媒体社から「100万円の広告が50万円でOK!」という提案があったとします。
これは、グロスが50万円になったのか、それともネットが50万円になったのか、明確に確認が必要です。
媒体社に対して、『50万円はグロスですか?ネットですか?という確認は必ずしなければいけません』
間違いを回避する3つのヒント
間違いを回避する為の方法は下記のとおりです。
- 金額の比較: 二つの金額がある場合、大きい方がグロス、小さい方がネットです。
- グロスの場合: 「この料金はグロスです」と言われたら、これが広告主に提案する金額です。
- ネットの場合: 「この金額はネットです」と言われたら、これが媒体社に支払う金額です。
上記3点を覚えておけば間違える可能性は低くなるでしょう。
定価のない媒体
一方で、雑誌や新聞のような定価設定がある広告媒体以外に、定価がない場合もあります。
例えば、屋外広告です。
これらはビルのオーナーや個人が運営することが多く、定価が設定されていない場合があります。
この場合、ビルのオーナーが広告代理店に対して「年間で1000万円払ってくれれば広告スペースを使って良い」といった形で取引されることがあります。
そして、広告代理店がさらに広告主に対してそれを販売する際、マージンを加えた価格(グロス)で提案します。
ただし、ここで注意すべきは、広告代理店ごとに提案価格が異なる場合があるという点です。
これは、広告代理店ごとに乗せるマージン率が異なること。流通する会社の数が異なること、により発生する現象です。
ネットとグロスのまとめ
広告代理店で働く上で、「ネット」と「グロス」は必須の言葉です。
これらを正確に使いこなすことは、広告業界のイロハです。
重要なポイントは:
- グロスは広告主に提案する販売価格。
- ネットは媒体社に支払う金額。
- 常に明確に確認する習慣をつける