“大手と中小!広告代理店の内側から見た仕事の全容とは?”

広告代理店の仕組み

大手広告店と中小広告代理店の違いをリアルに解説!

広告代理店の仕事に興味がある方、あるいは広告業界に就職・転職を考えている方へ。

まず理解しておくべきなのは、「広告代理店の仕事は、会社の規模によって大きく異なる」という事実です。

本日は、大手と中小の広告代理店の仕事内容を比較しながら、それぞれの働き方や特徴をわかりやすく紹介します。

「広告業界に入りたいなら、まず“会社の規模”による仕事の違いを知らなければ始まりません!」

 

 

1. 広告代理店ってどんな会社?

広告代理店は、広告主とメディアの間に立ち、広告企画・制作・出稿などを行う企業です。

国内には約5,000社以上の広告代理店が存在し、電通・博報堂などの大手から、地元密着の中小企業までさまざまです。

ウェブ上でよく見る「タレント起用」や「五輪のスポンサー業務」などは、大手広告代理店に限られた仕事であり、全体のほんの一部です。

 

🔍 図解:広告代理店の全体像

[広告主] → [広告代理店] → [メディア(TV/Web/OOHなど)]
                           ↘ [制作会社/印刷会社など] ↘ [生活者]

2. 大手広告代理店の仕事内容

大手広告代理店の仕事は非常に幅が広くなります。その範囲は「広告」という範囲に留まりません。

■ 特徴

  • 総合的なマーケティング支援から広告立案、メディアの手配まで仕事の範囲は多岐に。
  • 多くの部署が連携して大規模な広告キャンペーンを実施します。

■ 主な業務フロー

  1. 営業部:クライアントから情報を入手し、広告提案を主導。
  2. 制作部(マーケティング):市場調査やターゲット分析、企画立案などを実施。
  3. 媒体部:広告メディア(テレビ、Web、屋外広告など)を選定・交渉、手配までを実施。
  4. プレゼンテーション:各部門が協力して提案書を作成し、クライアントに提案。
  5. 実施・調整:提案後、実務段階で発生する問題への対応や進行管理、結果報告までを実施。

■ ケーススタディ:化粧品メーカーの新製品PR

[営業部] 新商品の発売情報を入手
   ↓
[制作部] 市場調査・競合調査・ターゲティング・クリエイティブなど
   ↓
[媒体部] テレビ・Web・交通広告などのメディアを組み合わせて設計
   ↓
[提案] 「30〜40代女性」などターゲットに向けた効率的な複数案を提示
   ↓
[実施] タレント起用の調整・広告出稿・効果測定など

■ ポイント

  • オリエンテーションなどで、顧客のニーズの本質を聞き出す。
  • プレゼン段階で複数案を準備するのが基本。
  • 法規制やROIも意識した戦略立案を構築。
  • テレビCMの制作など、一流企業のキャンペーンに関われるチャンスあり

3. 中小広告代理店の仕事内容

一方で、中小規模の広告代理店では、上記のような仕事は無いと思って間違いありません。

■ 特徴

  • 大手広告店のような機能やノウハウを持たない為に、広告主の規模も中小に
  • 広告主が「大手などの広告代理店である」ケースが多く、下請け・協業型のビジネスが中心。
  • 地域密着型や専門特化型など、多様なスタイルで運営。

■ 主な業務内容

  • クライアントの主体は、会社の規模と同様に中小企業の広告主が対象。
  • 必然的に、提案内容もテレビCMなどの大きな予算ではない小規模に。
  • チラシ、サンプリング、交通広告など実行型の施策が業務の中心。
  • 大手広告代理店や他の中堅代理店からの受託案件が売上の大半を占める。

■中小広告代理店の実情

◉ 事例:地域特化の中小広告代理店

例えば、ある地方都市にある中小規模の広告代理店A社は、交通広告や屋外広告を得意としながら、大手広告代理店B社からの依頼を主な収益源としています。

この会社(A社)は地元の路線バスやショッピングモールの広告枠を管理しており、B社が手掛ける全国キャンペーンの「ローカル展開部分」を一手に引き受けています。

このように、クライアントは大手広告主であっても、実際の運営は中小代理店のノウハウに依存している場面は多く見られます。結果として、中小広告代理店のビジネスモデルは、他の広告代理店に依存する構造になっていると言えるでしょう。

  • 独自顧客よりも広告業界内での受託業務に依存する構造が中心となるケースが多くなる。
  • 大手の業務を補完する存在として機能する場合が多くなる。
  • 結果として、自社の得意領域(媒体や地域など)を活かした差別化が必要になる。

🧩 図解:中小代理店のビジネス構造

        [大手広告代理店]
                ↓ 発注
   [中小広告代理店] → [メディア/印刷/交通広告等へ出稿]
                ↑
        [中小広告主からの直接依頼も一部あり]

4. 自分に合うのはどっち?

これから広告代理店に就職や転職をする場合、上記内容を理解して検討することが大切になります。

チェックリスト:自分はどちら向き?

  • 大規模プロジェクトやブランド戦略、マーケティングなどに幅広く携わりたい → 大手向き
  • 地域や現場に密着して中小のクライアントと動きたい → 中小向き
  • 分業(歯車のイメージ)よりも広く関わりたい → 中小向き
  • ネームバリューや規模感を重視したい → 大手向き
比較項目 大手広告代理店 中小広告代理店
案件の規模 大規模(全国・グローバル) 小〜中規模(地域・業種特化)
担当範囲 分業制が基本 複数業務を横断して関わることも多い
キャリアの広がり 幅広い実績が得られる 実務力と即応力が身につく
収益構造 クライアントは広告主が中心 他の広告代理店からの受託が中心
働き方 忙しくハードな環境も フットワーク重視で柔軟性がある場合も

5. 就職・転職の現実:入りやすさにも大きな違いがある

「広告代理店に入れば有名CMに関われる」——これは大手のごく一部の話です。

今まで、述べてきたように、あなたが何をしたいのか、どのような働き方をしたいのかによって、選ぶべき会社の規模も変わってきます。

また、就職や転職の現場では、大手広告代理店は、紹介やコネ、インターン実績などが採用に大きく影響するケースが多々あります。試用期間を経ての採用など厳しいテスト期間を設けている場合もあり、非常に競争が激しく、ハードルは決して低くありません。

一方、中小広告代理店は慢性的な人手不足に悩む企業も多く、熱意や基本的なビジネスマナー、最低限の知識があれば採用される可能性は比較的高めです。

このように、採用の入り口においても「難易度の差」が明確であり、どこを最初のキャリアに選ぶかという判断にも大きく影響します。

そのため、「まず広告業界に入りたい」という方にとって、中小広告代理店は現実的な選択肢であり、経験を積んで大手へのステップアップを狙う人も多くいます。

仕事を実施する中で、大手からのヘッドハンティングなども可能性は低くありません。

まずは、中小規模の広告代理店で、じっくり経験を積むのも作戦としてはありでしょう。

 

最終アドバイス: 自分の強みと志向性をよく理解し、それぞれの代理店の「違い」を知ったうえで、納得のいくキャリアを築いてください。

 

大手広告代理店や中小広告代理店への転職や就職を考えている方は是非上記を参考にして進路に役立ててください!

 

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